- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041000779
作品紹介・あらすじ
豊臣秀吉の小田原攻めに対し忍城を守るは美貌の麻也姫。彼女に惚れ込んだ七人の香具師が姫を裏切った風摩党を敵に死闘を挑む。機知と詐術で、圧倒的強敵に打ち勝つことは出来るのか。痛快奇抜な忍法帖!
感想・レビュー・書評
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「忍法八犬伝」がすごくよかったため、似たようなあらすじ?のこちらも読んでみたものの、ちょっと想像とは違いました。
香具師たちが奔放すぎて女性としてはしんどい部分もありますね。
ただ、後半の死闘に突入するとさすがの山風で止まりません。
哀愁の中にさわやかさがある終わり方もよかった。
あんなに好き放題やりたい放題なのに、強い絆で結ばれていて不思議とにくめない奴らです。
風魔の頭領や東西武将も登場する、有名な城攻めが背景になっているので、歴史好きならより楽しめるのではないかと。
ほんとこの人は虚実織りまぜるのがうまいです。 -
馬左衛門、その死に様、男子の本懐ならずや。もって瞑すべし。これ、主人公悪源太を渥美清が演じた映画があるそうですが、どうなんでしょう。一応本編では「苦味ばしった男前」となっているのですが。。。
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2014年7月22日読了。戦国の世を自由気ままに生きる7人の香具師たち、ふとしたきっかけで出会った高貴な美女・麻也姫にかかされた恥をすすぐため「ヨツにカマってやる(犯す)」ことを誓い忍術修行までするうちに・・・。読書レビューのサイトで知った本作、私は山田風太郎の本を読むのは初めてだったが、これほど痛快無比な作品とは思いもよらなかった!!前半の香具師たちのやりたい放題はさすがに「やりすぎ」だが、自らの機知で危機を回避していく中盤、最強の忍者たちに死力を尽くして挑む終盤と、飽きずに一気に読んでしまった・・・読み終えて抱くなんとも切ない感情まで、風太郎氏にはすっかりやられてしまった!七人の女忍者たちの献身も、なんというか男も女も死力を尽くすことに意味がある!理由の貴賎なぞ関係あるか!!という感じ。「忍法帖」シリーズ、もっと読むことにしたい。
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香具師七人の壮絶でカッコいい後半の姿は、ろくでなし全開の前半からまったく想像もつかなくて驚いた。なんだかんだでみんな仲間思いなのが泣かせる。
明るさの中に一抹の哀愁…七人の笑い声が胸を吹き抜けていくようなラストは忘れられない。 -
奇想天外な物語ばかりの忍法帖シリーズの中でも屈指の異色作♪ でも香具師の主人公たち7人の悪辣で奔放すぎるえげつなさに圧倒されつつ、人間模様は刻々変化し、いつしか麗しの姫を命がけで守り通すようになると、俄然盛り上がる忍法バトル♪
「のぼうの城」と同じ舞台設定(舞台というか場所と史実?)だとは後で知りましたが、先に読んでたのはこっちの方だし、あっちも悪くはないにしても、圧倒的に発想力に差があり過ぎて比べ物にならない♪ そもそも忍法帖だしw 規定の枠になど収まるワケがなく、暴走に次ぐ暴走が奇奇怪怪なSF伝奇ロマン風味でもあり、飽きることがない♪♪
女性からすると読み進めるのがキツい場面が多々ある?かも知れないからオススメできないけど、痛快を突き抜けたような娯楽アクションを好む人ならば必ず満足するであろう傑作♪♪ -
風太郎忍法帳の中では明るい雰囲気の一冊でしたね。
もちろん最後には陰惨な殺し合いになるんですが。
主人公よりまわりの香具師の方が、積極的に戦う理由もないのに、仲間と戦っているという点で、最後の殺し合いの結果が胸を打ちます。
本作は忍城責めが舞台で、昨年映画化された「のぼうの城」と同じですね。
違いを愉しむのも一興かと。