ラン (角川文庫)

  • 1386人登録
  • 3.68評価
    • (91)
    • (174)
    • (170)
    • (26)
    • (6)
  • 163レビュー
著者 : 森絵都
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001653

ラン (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 自転車に乗ってあの世の境界線を越えた環。諸々あって40km先にある境界線を自力で越えるためにがんばる話。スポ根ではなく、環を取り巻く人間模様を描いた作品。

  • 疾走感はあまりないけど。
    走る。自分のために。

  • 死をテーマに、一人一人のもつコンプレックスや悩みに焦点を当てており、自分自身の悩みへの対応の仕方を考えられる本。

    スピード感があり一気に読み切った。
    現在の自分の性格の根本は過去の出来事や経験に大きく影響を受けているが、そのままでよいのか、変わるべきなのかについて考えるのを助けてくれた。

    憎らしさも強情さも弱さもすべて溶けていく、そんな感覚が、何もかも投げ出してすっからかんになった今の自分にもあるなあと思った。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ、異世界に紛れ込んでしまう。そこには亡くなったはずの一家が暮らしていた。やがて事情により自転車を手放すことになった環は、家族に会いたい一心で“あちらの世界”までの道のりを自らの足で走り抜く決意をするが…。哀しみを乗り越え懸命に生きる姿を丁寧に描いた、感涙の青春ストーリー。

    【キーワード】
    文庫・青春・自転車


    +++1

  • 暗く、不幸を拠り所としている主人公の成長を、主人公の家族と同じように喜べました。
    キャラの濃い登場人物や、洒落のある会話などもたのしめるポイントです。

    主人公はなんとか走り抜き、生きてるということを噛みしめながら、この先生きていくのではないかと思います。

  • ひた走れば、辿り着いたのは生の世界と死の世界の狭間。ゆっくりと溶け合い、個をなくしてゆくやさしい死の世界と、傷つけ合いぶつかり合う生の世界。走ることを通じて繋がる初心者ランニングチームの物語。

  • マラソン参加の人間模様

  • なんかすごく不思議な感じ。ふわふわしてる。

    死者のいるファーストステージにたまたま自転車で行くことができ亡くなった家族に会った主人公が、40kmを走るためにランニングを始めて、という話。死者に会いに行けるというファンタジーな設定ながらもファンタジーという感じはあまりしなくて、ふわふわどこか浮いている感じ。
    嫌みおばさんの真知さんの言動は許せないし理解もしたくないけれど、なんだろう、どんな人生だって嫌になることや本人が不幸と思うものはあって、それで許されてるんだって思えた。主人公はみなしごで、世間とうまく交わえないと思っているけれど、それも主人公が思っているだけで、意識しないうちに壁を作っているのかもしれない。
    悲しいこと辛いことが溶けていって生まれ変わりの準備をするけれど、その灰汁がその人であり、怒ったりケンカしたり重苦しかったり、そういうのも含めてまるめて家族なんだなぁ、と思えた。心にふわりと暖かいものができる。暗いとか明るいとかじゃなくて、死者が見守っていて、辛いものは溶けていって、生きている限り出会いと別れはあって、繰り返されて、それは諦めなきゃいけなくて、合わないと思う人がいたとしても、走れば光の中に溶けていく。主人公の心境とランニングのランナーズハイと言うのだろうか、それが溶け合って混ざる。日常を肯定された感じがした。

  • 話の展開は奇想天外。
    だけど、妙にあったかく心に沁みる。
    今、ブームになってるマラソンに絡めた、人間の生死の話。
    極限まで追い詰められたランナーたちにしか到達できない境地というのはあるんだろう。
    長距離走が何より苦手なわたしには縁遠い話。

  • 家族を亡くし、後ろ向きに人生を見ている主人公。発想がおもしろいファンタジーもの。残された者はどうやって生きていくのか。誰か、何かのせいにして生きるより、やはり前を向き生きていくことが大切だと思える1冊。

  • 森絵都さんの作品はどれも読みやすく、読後感も爽やか。今回も、扱っているテーマから重く哀しくなりそうなのに、そうはならないところがさすが!

  • 主人公の生活に支障をきさない程度の後ろ向き具合に根暗な私の波長が合ってしまったようで・・・
    元気な時もそうじゃない時もふと読みたくなってしまう一冊です。(たあ)

  • 単純なお話だけど、その先も読んで登場人物たちを応援したくなる。あの世に行くなんてあり得ないし、そのために走るなんてもっとあり得ない。
    けど、人それぞれ何かに没頭するには意味がある。私も夢中になることを見つけたくなる。苦しいけど、その先に喜びがある。そんな趣味みつけたいなあ。

  • 9年前、パパとママと修くんを、2年前に奈々美おばさんを亡くした22歳の環。
    似た境遇を持つ自転車屋さんの紺野さんと仲良くなり、もらった自転車「モナミ1号」に導かれ、環は異世界に紛れ込む。
    そこは、亡くなったはずの家族と、猫のこよみと奈々美おばさんがいる死後の世界だった。
    現世と死後の世界をつなぐ通路「レーン」を超えることは生者にはできないのが普通だが、体力のあるガイド付きは例外。
    環は、紺野さんの息子がガイドとして憑いたモナミ1号に乗って、レーンを超えてきたのだった。
    モナミ1号に乗って何度も死後の世界に来る環だが、奈々美おばさんに自転車の持ち主を捜して、自転車を返せと強く言われ、自らの足でレーン越えをしなければならなくなる。
    「日没後、日付が変わるまでに下界に戻らなければならない。40キロを一回も立ち止まらず走らなければならない」という過酷な条件を体力なし、運動音痴な環がそう簡単にできるわけもなかった・・・。

    地道な朝ジョグをしていた時に出会ったのがもみあげ男「ドコロさん」。
    その後、ドコロさん率いるイージーランナーズに入り、チーム皆でのんびりと走っていくが・・・。

    体力なしで、自分の不幸に身を埋めていた女子が、イージーランナーズの皆と走ることで成長していく青春物語。
    最初にバトルしたクリーニング屋のまちえいこがこんなにキーパーソンになるとはね。
    平凡な物語だけど、劇的じゃない日常の話を魅力的に読ませるのは森絵都さんの真骨頂だね。
    修君の「八方ブス」発言は泣けます。

    紺野さんの手紙で、実はこよみの墓はきちんと紺野さんの手で移転されてたってのがまた憎い展開ですよ。
    環がレーン越えをしたきっかけは、こよみの墓がショベルカーで台無しにされてしまった、こよみの亡骸を守れなかったという悲しみでした。
    レーン越えのきっかけはこよみの勘違いだったんやねえ。。

  • マラソンと霊界がこんな風に結びつくなんて!
    オカルトとスポーツが融合した小説を初めて読んだ。
    面白さにぐいぐい引き込まれていった。著者の発想に脱帽です。

  • あの世のファーストステージに行ける自転車を手にした環が、そこで死別した家族達と出会う。
    でもその自転車は持ち主に返すことになり、代わりに自分の力で40km走れるようにするために、へなちょこチームに入り、フルマラソンを目指す話。
    環の一人称というスタイルが読みにくかったけど、結構楽しめた。

  • 【カラフル】を読んでから森絵都さんの作品が好きで
    昔のを買ったりして読んでいたんだけど
    良いは良いんだけど、カラフル程の印象は正直無かったの
    森絵都慣れをしてしまったのか?!(なんだその慣れw)
    と思っていたけど、この【ランは】
    【カラフル】同様の、死生観や死後の世界が
    なんとも言えない世界観で描かれていて、やっぱりいい!!と思える作品だった
    スポーツをファンタジー?のMIXみたいな
    久し振りに夢中になって読んでしまった
    久し振りのヒット♪

  • 最初の方は面白くて、後半の展開を期待したが、後半になるにつれて内容が軽くなった。
    物語の設定自体はすごく面白かった。

    身内の人が全て亡くなってしまった、20代の女の子。その子が、あの世とこの世を行き来できる不思議な自転車を手にいれる。しかし、とある理由でその自転車を手放さなければならなくなる。手放してしまうと、もうあの世の家族に会いに行けなくなってしまう。
    40Kmを6時間以内で走りきる能力を手に入れれば、あの世とこの世を行き来することができる。
    自転車を手放す期限までに、走る力を手に入れなければ!
    マラソンのサークルに入って仲間とフルマラソン完走を目指す。

  • 一風変わった独特な世界観。あの世の定義が斬新なのに、何だかすんなり馴染んでしまう。後ろ向きな理由で走り始めた環が徐々に変わっていく様が嬉しい。読んだ後前向きになれる本。溶けて還るという表現が好きだ。森さんの作品は柔らかく、優しい印象を与えてくれる。大切な人を亡くした人に読んで欲しい。

  • カラフルも独特だが、ランも独特の世界観。主要人物がみんな主人公の様な感じで詳しく触れていて、癖は強いが憎めない人ばかり。強烈な真知栄子は遠くからでも怖くて見るのも嫌なタイプだが、森絵都さんはそこら辺が上手だなと。
    走り出す元気はないから、散歩でもしようかな。

  • 大好き!!人を選ばず薦められる本。
    芯から前向きになれる物語っていいなー。
    久米島マラソン出たかった。

  • 始めから終わりまであっという間に読める疾走感がある。紺野さんとのやりとり、死に別れた家族との出会い、一風変わったランニングチームでの練習など、展開が早くすぐにこの世界に引き込まれた。特にこの作品では様々な人物が登場するが、みんな難癖があってそのくせ憎めない人たちばっかり。それぞれにエピソードもあって本当に面白い!さすがは森絵都さん。読後の爽快感といったら僕の中では佐藤多佳子さんと並んで二傑である。ところで本作で気になったのは章の区切りに使われている記号のようなもの。毎回形が違って何を表すのか推測できるのもあればよくわからないものもあり、早速再読しているところです(笑)

  • 家族のいざこざも悩みも生きているからこそ。生きていれば「ありがとう」も「ごめんなさい」も面と向かって言える。ちゃんと言わなくちゃ。日ごろの自分を反省しつつ読みました。環が作った「肉じゃがと五目ごはんとマカロニサラダ」の献立が嬉しかったです。久しぶりに読んだ森絵都作品ですが、やっぱり好きだな~と思いました。

  • 周りの人が皆死んでしまった女性をめぐる不思議な話。
    あまり人付き合いが得意でない女性が数少ない友人から自転車を譲り受けるが、これが冥界に連れていってくれる乗り物だった。
    冥界へ行くと家族と出会え、幸せな時間を過ごした彼女だが、自転車はいずれ手放さなくてはならないことを知り、自らの足で冥界へ行けるように頑張るというなかなかブッ飛んだ話。
    設定はブッ飛んでるけど、女性の成長が主なテーマでほほえましい。

全163件中 1 - 25件を表示

ラン (角川文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ラン (角川文庫)の作品紹介

9年前、家族を事故で失った環は、大学を中退し孤独な日々を送っていた。
ある日、仲良くなった紺野さんからもらった自転車に導かれ、異世界に紛れ込んでしまう。
そこには死んだはずの家族が暮らしていて……。
哀しみを乗り越え懸命に生きる姿を丁寧に描いた、感涙の青春ストーリー。
直木賞受賞第一作が待望の文庫化!

ラン (角川文庫)の単行本

ラン (角川文庫)の単行本

ツイートする