万能鑑定士Qの推理劇II (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001721

作品紹介・あらすじ

ホームズの未発表原稿と『不思議の国のアリス』史上初の和訳本。二つの古書が莉子に「万能鑑定士Q」閉店を決意させる。オークションハウスに転職した莉子が二冊の秘密に出会ったとき、過去最大の衝撃と対峙する!!

「万能鑑定士Q」シリーズの映画化も決定!

感想・レビュー・書評

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  • お馴染みの万能鑑定士Qが、オークションハウスの古書部門にスカウトされる。鑑定士Qの凛田莉子に少年から持ち込まれた不思議の国のアリスの翻訳の古書「愛ちゃんの夢物語」の鑑定をしてもらいたいがためだったのだ。ここにコナン・ドイルの未発表原稿も絡んで、次から次へと事件が展開していく。余韻も味わいもないって感じだが、古書や絵画への蘊蓄は凄いし、トリックも図ったように鮮やか。面白いんだか、すかすかっていうのか、あれよあれよという間に読んでしまう。凛田莉子の人柄には好感は持てるが、知識が超人じみているんだなあ。

  • 推理劇第2弾。
    ホームズの未発表原稿を元に巻き起こる今回の話だが、今回は今までの話とは違い重く暗いのが特徴的である。『愛ちやんの夢物語』の鑑定から始まり、極悪夫婦の虐待疑惑や闇仕事の斡旋、未発表原稿のオークション、あこがれの先輩の行方など多くの謎が莉子に襲いかかる。あこがれの先輩の子供を守ろうと必死になるあまり空回りして苦しんだり、見切り発車をしてしまったりするという普段と違う一面を見せていくのでとてもハラハラして読んでいった。無事に浴沼夫妻の不正手段を暴いたものの、その先に待っていたのは、自分の憧れで密かな思いを抱いてきた先輩のなれの果ての姿だったというのがとても切なくなってしまった。
    しかし、エピローグで、自分の仕事に戻った時にその時に出会った人が自分の思いを汲んで新たな出発を後押ししてくれた所がとても救いようがあったと思いました。彼女の過去は裏切られしまったかもしれないが、今の出会いが彼女を良い方に導いて行くのかなと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠人:寺島拓篤
    葉山翔太:中村悠一
    浅倉絢奈:花澤香菜
    久宇良颯人:高山みなみ
    芹澤杏樹:戸松遥
    富里蒼依:日高里菜
    隅山大智:増元拓也
    漢那和希:内田雄馬
    浴沼慶吾:関智一
    浴沼優芽:朴璐美
    綾小路修一:矢尾一樹

  • 万能鑑定士Qシリーズ。事件簿の2作目を借りたつもりが、最新刊だった…
    でも、単独でも十分楽しめ、莉子の知識の広さに圧巻!気軽に楽しむには、オススメの1冊。

  • Qだけでなくαシリーズを始めてよかったみたい。
    二人の主人公がお互いのシリーズにゲスト的に登場することで、無理めの展開もスムーズに流れたように思います。ラテラル便利ですな!
    また、いつもよりは事件の全体像が早めに分かったように思います。その分すっきり感は少なかったが・・・。
    ま、楽に読めて楽しめるので次作にも期待です。

  • 作品にこれ以上の心理描写など要らない。ライトで読みやすく面白くテンポが速いのに、東野圭吾にする必要などない。軽くなり過ぎない軽さこそが魅力なのに、アニメ画が表紙の本を読んでそんなもの求めるほうが違っている。むしろこれだけ簡潔な文体で、キャラを生き生きと描くほうが、一見ごちゃごちゃとした鬱屈とした心情などの描写よりずっと難しいと思う。今回のストーリーは独自性もあり、謎とキャラとストーリーのバランスが取れていて面白かった。何より2か月に1巻発行してこの水準を保てるのは凄いと思う。今回は莉子の情動変化に重きが置いてあるが、実際内面の描写はこれぐらいでよい。面白かった。

  • 多くの知識が推理に必要となる設定は、主人公を上手く活かせていると感じた。しかし、知識の幅が広すぎて、少し現実離れしているようにも思えたところもあった。(TVなどで見た、ヒーローに対する思いに近いものがある)
    現実世界にいたら確実に憧れる存在ではあるが、現実世界には絶対いないんだろうなぁ。。

    細かいけれど、登場人物の名前が私には少し読みにくい…これもまた、この物語が現実的ではなくあくまで空想上のものであると強く思えたところでもある。

  • 少し切なさが残るけれど、莉子はこうやって更に成長していくのかな。

  • 図書館にIがなかったけど、気にせずII〜IVまで借りてくる。
    未発表原稿などオークションに出品されるような品物を鑑定するって難しそう。
    何をもって本物とするのかね。かなりの知識がないとコロリと騙されそうだ。

  • なるほど~古書の鑑定を依頼してきた少年は八重山高校の2年先輩の野球部先輩だった。横浜市戸塚区の山中に住む少年の里親は何を生業として億万の富を築いたのか?先輩は何処に居るのか?~コナンドイルやイアンプレミングの未発表の原稿って怪しすぎるぜ

  • あるひとりの少年を救うために、店をたたみオークションハウスの社員になった莉子。莉子は少年の願いを叶えられるのか。また、オークションに出品された原稿はコナン・ドイルの真作なのか贋作なのか。
    黒幕の正体にほぼ最後まで気づかず読み進め、最後にあっと言わされた。甘酸っぱい高校時代の恋、そして、ゴミ収集車に飛び込むことも躊躇わない小笠原さんの勇気。今回もおもしろかった。しかし莉子と絢奈はいつこんなになかよくなったのだろう。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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