ブラックアウト 下 (角川文庫)

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感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002544

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は一気に読めます。
    主人公の登場回数が多くなるにつれて、物語が終盤に向かっていることを感じながら一気に。
    面白かったです。
    この著者が次に何を書くのか、楽しみ。

  • 時宜に合ったすごい小説だ。いろいろもどかしい部分や、筋を追いかけるのにやや難があったり、犯行の動機が今更感が拭えないなどの欠点はあるが、人間の本性を描き切った点を高く評価できる。3・11の時の太平洋側の東北各県の経験を彷彿とさせ、この小説のような最悪の事態にはならなかったことは、日本人の特性だったのかと思ったりする。実際に2003年のニューヨーク地区の停電を経験した身には、あれが1週間も続いていたらと、ゾッとする。あの時はアパートの33階にいて、その上下にはうんざりさせられたものだ。なお、この小説では原発事故に触れているが、ツッコミが足りずその結末が曖昧な点、フクシマを人ごととしか見ていないと感じる。いずれにしろ、このような事態は種々の原因で起こり得るので、その発生によりどのような事象が惹起されるのかを予測するのに良い資料だ。ぜひ読むべき本だと言える。

  • 書評などで、「ヨーロッパでの広域停電を扱った海外小説がある」と知ったので、書店で探し、文庫版で出版されていたこの上下巻を、読んでみることにしました。
    ヨーロッパにおいて、国境をまたがる広範囲での停電が、発生します。
    トイレや暖房が使えず、混乱する人々。
    そして事態が長期化するに伴い、治安やさらに深刻な問題が、ヨーロッパの人々に襲い掛かります。
    混乱する状況の中で、この停電の背後にある「何か」を感じ取ったプログラマー、政府関係者、ジャーナリストたちが、その原因の探求と事態打開に奔走する・・・というストーリー。
    数多くの登場人物、日本人の僕には馴染みのないヨーロッパの地名、頻繁な場面の切り替え。
    最初はストーリーを追っていくのに苦労しましたが、読み進めていくと基幹となるストーリーがだんだんと分かるようになっています。
    途中からは、「次はどうなるのかな」と想像しながら読んでいる自分がいました。
    著者が作品を通じて特に、伝えたかったことは、ヨーロッパの電力網の危険性と、現実化した場合に想定される事態の予測と備えの重要性、といったところではないかと思います。
    停電から時間が経つにつれて深刻化するパニックの描写に、「もし日本全域で起こったら」と、想像しながら読んでしまいました。
    僕はあまり、ヨーロッパを題材にした小説というものを読んだことがなかったので、国境をまたがって人が行き来する部分や、アメリカ、ロシア、中国といった周辺大国をヨーロッパ人がどのように見ているかといったあたりを、興味深く読みました。
    「いつもと違う分野の小説を読んで見たいな」と思っている僕のような?読者には、読み応えのある作品だと思います。

  •  スマートグリッドのメリットを逆手にとった着想でヨーロッパが大混乱していく話です。これが本当だとすると電力の効率的な供給とは非常に難しいということがよくわかります。
     電気が止まると搾乳機が動かないので牛が大量に死んでしまう。また、スーパーでは物流が止まる前にPOSが動かないから買い物の計算ができなくなる。我々の社会がいかに電力に依存しているかを改めてよく知ることができました。
     多くの登場人物と聞きなれないヨーロッパの地域が目まぐるしく入れ替わるので巻頭の地図と主な登場人物を何度も見ることになりますが、途中から主人公と主要人物がはっきりしてきます。それと同時にスケールが大きく悲惨な災害の描写はだんだんとサスペンスに変わっていきます。
     地域と登場人物を早く把握すると楽に読めると思いました。

  • 一気に読ませる力がある。
    専門知識豊富な人からしたら、穴があったりツッコミの足りないところがあるのかもしれないが、コンピュータや電力問題、原子力発電所問題をちょっとかじった程度の私には、読み応え充分。

  • 上では登場人物が多く何が何だかわからなかったが、私の脳内で下巻にきてやっと人物が整理された。最近の展開の早い小説に慣れてしまったのでテンポが遅いなあと思った。

  • ヨーロッパ全土の停電がアメリカにまで飛び火する。
    主人公はテロへの関与を疑われ、当局からも追われるはめに。
    後半は一気に解決編へ。
    コンピュータ、ネットに頼ったシステムの脆弱性を警告している。
    映画化されたら面白そう。

  • 発想はいいのだが、冗長とい言葉がピッタシ。残り三分の二の400ページを90分で読み切ったぜ!

  • ブラックアウト
    ネタは抜群。
    ただ、描写が24的な場面の切り替わりで、忙しなく、そしてストーリーに文面からついて行くには馴れが必要だ。
    邦訳するときに、若干編集した方が読み易くなるのでは…
    とは言え、訳はしっかりしていて、根気よく読めば、すんなり、内容は頭に入るだろう。
    停電が引き起こす、パニック、混乱は、いいところを突いていると思う。
    少なくとも津波の高さが34mにも達するような状況で、防災対策が重要といっているような、素人大臣も、危機を乗りこえるためには、防災対策ではなく、危機管理対策が必要だといって欲しい。○主党のボンクラ政治家には分からんだろうけど。

    分量は半分にできると思うので、次版では、努力して欲しい。

  • テロリストによる全欧停電の小説。展開は面白いけど、長くて間延びして疲れた。停電の被災例をばっさり抜かして映画化すれば面白いとおもう。

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著者プロフィール

1967年、ウィーンに生まれる。オーストリアの日刊紙デア・シュタンダードのコラムニストとして活躍し、現在はウィーンとハンブルクの広告会社で戦略コンサルタントおよびクリエイティブ・ディレクターを務める

「2015年 『ゼロ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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