天地明察(上) (角川文庫)

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著者 : 冲方丁
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年5月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003183

天地明察(上) (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 徳川四代将軍の治世、日本独自の暦を作り上げるという一大事業が計画される。その実行者に選ばれたのは、碁打ちの名門に生まれた渋川春海。そして、北極星の測量に赴くのだが、果たして天との勝負はつくのか。

     時代小説にはまだまだ可能性があるのだなあと改めて感じました。

     渋川春海という人物はまったく馴染みがなく、新鮮な印象を受け、さらに碁打ちの名門に生まれながら、算学に夢中になっているという若者がとても生き生きと描かれ、魅力的に感じました。

     戦の終わった徳川時代にこんな戦いがあったというのも、新しい視点で興味深かったです。

     下巻でどのように新しい暦を作り出していくのか、春海を取り巻く人物がどのように関わっていくのか、楽しみです。

  • 主人公の渋川春海が自分と同い年で、絶妙なタイミングでした。若さゆえの浅はかさ、恥、情熱、バイタリティが爽やかに詰め込まれていてよかったです。
    文中の、「からん、ころん」、拍手(かしわで)の音、「明察」が効果的に繰り返されて心地良いです。
    中盤の、無邪気なおじいちゃんたちが出てきた時、心底元気になりました。いいなあ。
    終盤の、ある別れは切なく悲しくて、思わずほろりとしてしまいました。
    時代小説だけど、いきいきと映像が浮かんでくるようなドラマチックな展開が、とても読みやすいです。チャンバラシーンもないのにわくわくしました。
    下巻もなかなかに楽しみ。

  • 待望の文庫化!さっそく買って読んだ。震えた。泣いた。
    この本に出会えてよかった!思わず本を撫でたくなるくらい。
    一つのこと全身全霊で心血を注ぐ人の姿、
    いくつになっても向上心があり、大きな夢を描いて邁進する姿、
    そして世代を超えて同志たちがお互いを尊敬し合う姿が感動的すぎて震える。
    それにしても算術、暦が江戸時代の人たちの一種の娯楽やったとは!

  • 中学生の時に読もうとして、わずか数ページでリタイアしてしまった本。今回は最後まで読めて、なぜこの本の面白さがわからなかったのか不思議。
    囲碁、算術、暦学…色々な学問で戦う江戸時代の人々が熱くて惹かれる。特に、春海は性格的に好きになれる主人公だと思う。えんと春海が今後どうなるのか楽しみ。

  • 現代で言う数学・天文学を、碁打ち衆で算術に長けた春海を通して、実にドラマティックに書き上げられている。伝記というより時代小説なのだが、当時の江戸城内での人間関係の描写も面白い。老中に命じられて北極出地に旅立つが、北極星の高度を歩測と計算で解くというのは、生半可な数学の知識ではないことに驚かされる。本書の前半で引用されていた直角三角形に内接する2つの円の直径を求める問題なんて、錆びついた自分の数学力では解けなくて、なんとも悔しい!

  • 江戸時代の理系オタクである渋川春海の興味深い話であった。碁、算術、天体観測とも当時は師もなくルールも決まっていない状態でやっていたので大変な反面興味深いものだったと思う。暦もいくつかあり、新たなものを作っていかないといけないとは初めて知った。松平信綱、保科正之、関孝和、安井算哲。下巻の新しい暦を作り上げていくプロセスが楽しみだ。

  • 随分前に読んでから相当日が経ってたので、読み直し。
    単なる時代物ではなく、算術や暦など独特のテーマをとても巧みな表現で書かれているのに感心した。
    他にも光圀伝など著者の本を読んだが、これが一番面白い。
    これを読むのは2度目だが、ストーリーをもっとゆっくり、もっと時間をかけて進めてほしいと思わせる、他にない面白いテーマ。

  • 江戸初期の改暦を推進した安井算哲(渋川春海)の生涯を綴った時代小説。

    由緒ある囲碁棋士の家に生まれながら、算術・天文暦学者としての道を選ぶまでの葛藤。
    そして何度も失敗を繰り返しながら、当時の暦の誤りを証明し、正しい暦の採用を朝廷に承認させる奮闘ぶりが見所でしょうか。

    一般的には「道なきところに道をつくる」的なベンチャー魂が共感されるポイントかと思いますが、個人的には「人に応援される条件とは何か?」という見方で読むと面白く感じました。

    人間的にメチャクチャいい奴に描かれています。

  • 江戸時代,第四代将軍家綱のころ。

    渋川春海は,江戸城で将軍家綱の御前で上覧碁を打つ,碁打ち衆の一人であり,公務では,父の名を継いだ安井算哲という名も持っていたが碁より算術に興味があった。

    渋谷,宮益坂の金王八幡宮には,算術を記した絵馬が多数奉納されている。
    それには問題と出題者の名だけ記されたものがある。算術に自信のあるものはその遺題を解いていい。
    そして,難解で春海が解答を出し得なかった問題を解き,正解したものがいる。和算の第一人者として後の世にも名を残した関孝和その人であった。

    渋川春海が,日本全国を測量する北極出地という任務を与えられ,建部昌明と伊藤重孝とともに観測をして回るようになる。

    戦国から太平に移りゆく江戸で,大老酒井忠清,会津藩主で家綱を補佐する保科正之など,様々な人々と関わりながら,改暦にかける渋川春海の一生がえがかれている。

    いやあ。すごい。
    読後感が表現しきれないが,とにかくすごい。
    渋川春海といい,関孝和といい,世の中には頭のいい人がいたもんだなぁ。

  • ずっと読みたいと思ってて。
    欧州出張の前に関空にて文庫で購入。
    うきうきしながら乗った飛行機の映画ラインナップみたら。
    岡田くんが笑ってる!

    ああ!原作を先に読むか、映画を先に見るかでだいぶ葛藤。(笑)

    で、原作を先にしましたー。
    すごい良かった!
    さすが、本屋大賞1位。

    かっこよくない主人公。
    渋川春海。

    碁打ちの家元でありながら、算術にその身を捧げる男。
    「改暦」という大事業へ向けて、ただひたすらに、愚直に、真っ直ぐに。
    かっこよくないけど、人から愛される男。
    どんどん惹かれていきました。

    最初に神社であった武家の娘と結ばれるのだと思っていたらば。
    違う人と夫婦になったものの。
    それでも、彼女を大切に大切にする。
    あぁ。素敵。

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天地明察(上) (角川文庫)の作品紹介

四代将軍家綱の治世、ある事業が立ちあがる。それは日本独自の暦を作ること。当時使われていた暦は正確さを失いずれが生じ始めていた--。日本文化を変えた大計画を個の成長物語として瑞々しく重厚に描く時代小説

第7回本屋大賞受賞作、待望の文庫化!
監督:滝田洋二郎、主演:岡田准一で映画化も決定!2012年9月公開

天地明察(上) (角川文庫)のKindle版

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