おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003237

作品紹介・あらすじ

「サマーウォーズ」の細田守監督最新長編映画の原作小説!
「おおかみこどもの雨と雪 」は細田守監督自ら脚本も手がけています。

ある日、大学生の花は“おおかみおとこ”に恋をした。ほどなく、ふたりは愛しあい、二つの新しい命を授かった。そして彼との悲しい別れ--。一人になった花はおおかみの血を継ぐ子供、雪と雨を田舎で育てることに。

感想・レビュー・書評

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  • 本当に泣いた。涙もろいところはあるけどこれは泣く。本じゃなくてアニメで観たんだけど、悲しさとなんだかわからない複雑な気持ちが入り混じって泣いてしまった。

    雨と雪、それぞれの決心。もうこれは心震える、決定。

  • 映画では描かれてない部分もあるのかなと期待していたが、内容はほぼ変わらなかったのが少し残念だった。けれども小説でしか伝わってこない表現もあり、あらためてこの作品が好きな事を実感した。

  • 1冊を通してずっと泣いていた。
    愛や孤独に胸がしめつけられた。

    おおかみ男を愛した花。 
    花の生き方があるように、雪や雨にもそれぞれの生き方がある。

    それぞれの生き方を肯定した花は素敵な母親だ。

    あっさりとした文章がこの物語に合っていた。
    また読み直したいと思える本。

  • これは・・
    読む年齢、性別、家族構成で かなり読み終わった印象が変わるのではないでしょうか?
    男であり夫であり親である自分には、辛い辛い話にしか感じれなかった、なにかできる事はあるのだろうか・・

    ただ 彼の名前は雪も雨も花も見渡す「空」かすべてを受け止める「大地」であってほしいとおもう。

  • 家族の大切がわかる話なのと、兄弟喧嘩が成長につながっていると、考えさせられました。あと、花さんが優しすぎます!

  • いくつか疑問点はあるものの、シンプルで読みやすかった。
    その後どうなるのか。語られることはないでしょうが気になります。

  • 素直に
    人生とは何かと考える?
    子供が生まれ、育っていく。
    それぞれの個性が現れる。子育ては大変だなぁ。
    ひとは一人では生きていけない。
    まわりの人たちとの協力?がなければ生きていけない。
    そして、子供たちも成長し、社会性をもつに至る。
    やがて、成長した子は、大人になっていく。
    大人になるのは、いつなのだろう?
    それは、
    自分が分かること。何がしたいのか。どこに行きたいのか。

    自由奔放
    田舎暮らし、自由にのびのびと遊べるのはいいな!
    子離れ
    子供の成長や旅立ちを、理解し見送ることが出来る大人はスゴイ!

    本の中盤まで読んで、
    ジブリの映画になっているとアドバイスを受ける
    そこで、またまた、考えること
    映像として考えると、良い物語の展開である。
    (文章だけでは物足りなさを感じる)
    ジブリ(映画)のターゲットは狭い市場だ。
    今回の対象者は?若い世代の夫婦と子供かな?
    ほぼ、多くの世代に共感を得られそうな内容だと思う。

    なぜ、狼?それもニホンオオカミなのか?
    山に似合うから。
    人との生活圏に間をおきながらも、密接に関わっているから。

  • 細田守2012年監督映画の小説版。
    「私が好きになった人は、”おおかみおとこ”でした」というのは映画のキャッチフレーズだが、実のところ、このお話は恋愛の話ではなく、子育て、あるいは女性が母となる物語であり、さらに加えて子供の自立を描く物語である。

    花は早くに親を亡くした。奨学金をもらい、アルバイトをしながら、大学に通っている。そこで一般の学生とは少し変わった雰囲気の青年に出会う。青年は正規の学生ではなく、勉強がしたいために講義に潜り込んでいた。トラックの運転手をしているという彼に、花はどんどん魅かれていく。
    だが、彼には秘密があった。
    ある時、彼は花に秘密を明かす。遠く、明治時代に絶滅したニホンオオカミ。自分はその血を引く末裔なのだと。オオカミと人間の血が混じり合って生まれた一族の最後の1人なのだと。
    花はそれでも彼を受け入れる。その誠実さを信じることができたから。

    やがて2人には子供ができる。オオカミと人の血が混じった「おおかみこども」である。女の子は、雪の日に生まれたので、雪と名付けられた。
    花は悪阻がひどく、大学を辞める。彼は家族のために必死に働く。
    やがて、2人目の子供である男の子、雨も生まれた。子育てにてんてこ舞いの花と、彼女を支えようとする彼。
    だがある日、小さな家族を悲劇が襲う。
    彼が事故に遭って死んでしまったのだ。オオカミの姿に戻ってしまっていた彼の遺体は、ごみ収集車に乗せられて連れ去られる。
    花は幼い2人の子供を抱えて、暮らしを立てなければならなくなる。しかも子供たちは「おおかみこども」。特殊な存在であることを周りに気取られてはならない。
    コントロールができずにオオカミの姿を現してしまいがちな雪と雨。
    困窮する経済状況。訪ねてくる児童相談所の相談員。
    ここではこの子たちを育てられない。
    花は都会を捨て、田舎で自給自足をしながら生きようと考える。

    田舎で農地を得るものの、思う通りに作物は育たない。
    だが、花は失敗を繰り返しながら、徐々に周囲の助けも借りて、少しずつ自立していく。やがて薄給ではあるものの、自然観察施設で職を得る。貯金を切り崩さなくても何とか生きていけそうになってきた。
    同時に、雪も雨もそれぞれ、自分の道を選び取る年代になってきた。

    おおかみこどもはオオカミと人の両面を持つ。
    その両面の間でバランスを取っていければよいが、人間世界で住むにはオオカミの顔は隠さねばならず、自然界で住むには人間の暮らしを捨てねばならない。
    雪と雨はそれぞれの出会いを通じて、それぞれの道を選び取っていく。

    こうしてあらすじを辿ってみると意欲的で力のある物語なのだが、実のところ、個人的には、封切り時に映画を見たときも、今回小説を読んでみても、どこか釈然としないところが残る。
    寓話として、ファンタジーとして鑑賞すれば、これはこれでありなのかもしれない。けれども、現実のかぶさり具合にどうも居心地が悪くなる。
    オオカミとヒトの間で子供が生まれるかはまずは置こう。
    この子たちの戸籍はどうなっているのだろうか。不登校になり、やがて姿を消すような場面があっても、周囲からは不審に思われないのだろうか。
    田舎の人はなるほど親切な面もあるだろうが、この異質な親子は本当に地域社会に受け入れられるだろうか。
    奨学金という借金もありながら、公共施設のアルバイト程度の収入で、そして素人農業で、いくら田舎でも本当に暮らしていけるのだろうか。
    自らの道を選んだ雨と雪のその後も気にはなるのだが、花のふわふわとした将来もいささか気になる。彼女は思い出だけを糧に、残りの人生を生きるのか。

    ・・・いろいろ気になりつつも、映画としてはオオカミと子供を行ったり来たりする雪と雨はかわいらしく、子育てに奮闘する母や自立していく子供に心励まされる場面もある。

    映像作品ファンには、作品の裏側をよりよく知る小説となるだろう。


    *小説版にはあまり詳しく触れられていないのですが、ウィキペディアを眺めていたら、雪の同級生の名前が、どうも里見八犬伝の登場人物にちなんでいる様子。こういう遊びはおもしろいですね。

  • ---

    Fri., 19 Jul. 2013 読了

    ---

    すきやわぁ!!!!

    --あらすじ--

    おおかみこどもの雨と雪
    大学生の花は、人間の姿で暮らす"おおかみおとこ"に恋をした。
    ふたりは愛しあい、新しい命を授かる。
    〈雪〉と〈雨〉と名付けられた姉弟にはある秘密があった。人間とおおかみの両方の顔を持つ〈おおかみこども〉として生を受けたのだ。
    都会の片隅でひっそりと暮らす4人だが、突然"おおかみおとこ"が死んでしまう。
    残された花は姉弟を連れて田舎町に移り住むことを決意するーー。
    映画原作にして細田守監督初の小説登場!

    --

    とりあえず、幼少期の雨がかわいいぜ。
    だいじょうぶ、だいじょうぶして とか、可愛すぎるだろうが。
    それでもって、雪の腕白な感じもすっげーかわいい。
    と、最初は思ってた。
    でも、二人とも成長して、それぞれの道を見つけて。
    花の強さも半端無いけど、
    こどもたちもたくましいなぁと感じたよ。

    こどもたちの本気の喧嘩。
    あれがふたり将来を別つ喧嘩になったんだと思う。
    あのシーン好きだ。

    また機会があったら、読み直したいな。


    End.
    ---

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  • 恋した相手は、“おおかみおとこ”だった。
    生まれたこどもはもちろん、おおかみの血を引いていた。

    テレビで宣伝を見てずっと気になっていたものの、観ずに今日まできてしまったこの作品。
    本書を見つけて、迷わず手に取りました。
    表紙の絵がとってもかわいい!

    これは、まるで映画を観るように頭に映像が浮かびます。
    のどかな田舎の風景、自然あふれる山、元気に跳ね回るこども。
    クライマックスのシーンなど、特に美しく厳か。
    読了後は映画を観た後のような感覚に陥ります。
    ああいい映画だった、というような。
    本書だけでも十分に楽しめたけれど、これは是非とも映画も観てみたい。

    誰に感情移入するかでまた見方も変わってきそうですね。
    いつか子ども一緒に、家族で観たい。
    母親の愛情というのは普遍的でありながら、心に響くテーマだと改めて感じました。

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著者プロフィール

1967年富山県生まれ。91年東映動画(現・東映アニメーション)入社。アニメーターおよび演出として活躍後、フリーに。『時をかける少女』(2006年)、『サマーウォーズ』(09年)を監督し、国内外で注目を集める。11年には自身のアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。監督・脚本・原作を務めた『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)はいずれも大ヒットとなり、『未来のミライ』(18年)ではアニー賞を受賞、米国アカデミー賞長編アニメーション部門にもノミネートされ世界中で注目を集めた

「2021年 『角川アニメ絵本 竜とそばかすの姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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