- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041003398
作品紹介・あらすじ
兄・徹の友人・北原と愛し合うようになった陽子。しかし母・夏枝は北原にゆがんだ愛情を持ち、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう……人間存在の根源に迫る不朽の名作。
感想・レビュー・書評
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読み終わってお腹の底にズンと来るような物語だった。人間とはなんて弱く利己的なのだろうと思った。下巻でも暗い影が全体を覆っているけれど、読み進める手が止まらない。最後でなぜ「氷点」というタイトルなのかが分かった。
解説を読んだら人間の「原罪」がテーマになっているとのこと。「どんなに無垢に見える人間でも原罪と無縁な者はいない」という悲しくもどうしようもない現実を、巧みなストーリーと描写で分かりやすく伝えてくれる。
最後の最後でほんの少しでも希望が見えてよかった。
「続・氷点」は「ゆるし」がテーマとのこと。読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【原罪】
人間であれば誰もが持っている「罪への傾向性」
嫉妬、嘘、欲望、誤解、傲慢、罪
全ての人に備わっているスペックだと思ったら
そんなに悪いことでもない様な気がした。
人間というものは自己中心である。P277 -
続氷点が、手元にあって、よかった。
直ぐに、読みたいと思います。
陽子が、どうなるのか、どんな生き方をするのか、まるで、想像できません。
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すごい、すごすぎる作品だった
自覚すらしなかったかもしれない心理のすべて
事件によって人間の内なる憎悪が具現化していく
罪の根源について問う哲学的な結末に驚愕した -
陽子ーー!!!!!!!!!
人間って、罪深い。本当に悲しい。 -
全体的にじとっとした陰湿な雰囲気で、ドロドロした韓国ドラマを見ているよう。
夏枝にイライラしながら読んだ。
辰子だけが唯一まともな考えを持っている気がする。
続氷点もぜひ読みたいな。 -
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素直なツッコミとともにとても詳しく書いていただいてるので、一度読んではいるけどぼんやりしていた内容を思い出すことができました。若い頃読んだと...素直なツッコミとともにとても詳しく書いていただいてるので、一度読んではいるけどぼんやりしていた内容を思い出すことができました。若い頃読んだときは徹の想いが報われてほしいなと思ったりもしたけど、むしろ外様の北原くんとの方が陽子には合ってたんですね。
夏枝はたぶん今読んでもクソ女だと思います(笑)。若い頃もてはやされたことしかないと、こういう女になるんだろうな。2021/10/02
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陽子さんには、是非北原さんと結ばれて幸せになって欲しい。
原罪という表現が相応しい作品でした。 -
昭和の小説だが、今読んでも全く色褪せない。
誰しもが持っている人間の欲望、罪、嫉妬などを巧みに表現している。
続・氷点も読まずして終われない。 -
人間の感情の激しさを、ここまで臨場感をもって表現できるなんて、、、最後の50ページはページをめくる手が止まらなかった。圧巻の筆力。三浦綾子さんの氷点との出会いに感謝したいです。