空想オルガン (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003794

感想・レビュー・書評

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  • 巻を重ねるごとに良くなっていくハルチカシリーズ第3巻。著者の「書きすぎない技術」が向上している気がする。読み手の受け取り方に任せきって、文章が重くなりすぎないようになっている。深く考えずに読めばさらっと読めるし、いろいろ考えながら読むとゾクっとするような情報が隠れている。ここでそれぞれの短編が取り上げているのは、調停離婚+子供、遺産相続+血縁、家庭崩壊+依存症、オレオレ詐欺+家庭崩壊、、とここまで書いてようやく1冊に「家族とは?」というテーマが貫かれていたことに気づく。ハルタの姉が登場し、チカちゃんは大人になった将来を意識するようになる。
    戦争、政治、家族と続いて、4巻はどんなヘビーパンチが待っているのだろうか。世界、国、家族と来たから、このままだと個人の大問題が発生しそうだ。そろそろ草壁先生の謎が明らかになるかな?

    あーそうそう、初野氏には、もう少し建築と音響について勉強していただきたい。ヴァナキュラーモダニズム、面白かったけどツッコミどころも多すぎた。

  • ハルチカシリーズ第三弾。

    ▼収録作品
    「イントロダクション」
    「ジャバウォックの鑑札」
    「ヴァナキュラー・モダニズム」
    「十の秘密」
    「空想オルガン」

  • 穂村チカは、憧れの草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る高校2年生。同じく先生に憧れている、幼なじみの上条ハルタと、恋のさやあて(?)を繰り広げながらも、夏の大会はもう目前。そんな中、どうも様子がおかしいハルタが、厄介な事件を持ち込んで…!?色とりどりの日常の謎に、頭脳明晰&残念系美少年ハルタと、元気少女のチカが立ち向かう!絶対に面白い青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズ第3弾。

  •  ハルチカ・シリーズ第3弾。

     「ヴァナキュラー・モダニズム」の持つ発想の突飛さに脱帽。ちょっとセンチなところも好きな所以だ。

  • 吹奏楽の“甲子園"――普門館を目指す穂村チカと上条ハルタ。
    弱小吹奏楽部で奮闘する彼らに、勝負の夏が訪れた! !
    謎解きも盛りだくさんの、青春ミステリ決定版。
    ハルチカシリーズ第3弾!

  • 今回のチカちゃんの名言
    「つまずいたっていいじゃない。上に向かってつまずけば高く飛べるかもしれないじゃない。手足をジタバタすれば、もっともっと飛べるかもしれないじゃない。」

    空想オルガンで
    マンボウは渡邊と家族を再会させるように図っていたのかな?そのために元々渡邊の家族にオレオレ詐欺を仕掛けるつもりだった?渡邊は孝志の母親から取ることを選んじゃうけど…

    ネガティブなハルタに啖呵をを切った後で、皆から隠れてこっそり号泣するチカちゃんに胸が詰まる

  • 今回もトリックに驚かされたしほんとうに意外で頭いいな〜と感心してしまった…。吹奏楽やってたわけじゃないけど、うまい演奏じゃなくて聴いてて疲れる演奏が良いって描写、すごくチカちゃんたちっぽくてなんとなくわかるな〜って思いました!

  • ハルチカシリーズの第3巻。この巻の途中までがアニメで放映された話で、その後はアニメでは放映されなかった東海大会の様子など。ハルタの残念美少年ぶりが他の巻よりも際立っていた印象。

  • ハルチカシリーズ3作目。今作は地区大会を舞台にし、その裏で起こった謎を推理力を駆使して解き明かす。吹奏楽のコンクールにまつわる裏側も書かれて、常連校でなく、無名校が賞をとってというどの学校も目が離せない面白さも感じる。ヴァナキュラーモダニズムの話では不動産と貯金箱との関連性、ハルタの姉が出てきて、謎解きの鍵となったり、おじいさんの味のある人柄が良い。表題作は、オルガンのもう一つの意味が結末を表していて少しばかり驚いたこと、繋がる一つの命を感じ、地区大会後の部員の安堵感、充実感が青春さ溢れていた。

  • 図書館で。
    ギャル吹奏楽部のお話が面白くもちょっと切ない。今度S.キングの小説作法読んでみようかな。

    全然進展しないようで毎日は過ぎていき、物事や季節は変わって行く。彼らの成長ぶりが吹奏楽部のスケジュールと共に見れてとても面白い。そして今度こそ芹澤さんは仲間になれるのかな?というわけで次も楽しみです。

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著者プロフィール

1973年静岡県生まれ。法政大学卒業。2002年『水の時計』で第22回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。著書に『1/2の騎士』『退出ゲーム』がある。

「2017年 『ハルチカ 初恋ソムリエ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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