赤い月、廃駅の上に (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 488
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004821

作品紹介・あらすじ

廃線跡、捨てられた駅舎。赤い月が昇る夜、何かが起きる――。鉄道が垣間見せる異界の姿の数々。震えるほど恐ろしく、息が詰まるほどせつない著者新境地のテツ怪談集!

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道ファンとしても有名な、新本格ミステリの旗手・有栖川有栖氏の手による鉄道怪談短編集。

    怪談といえば怪談。ホラーといえばホラー。ですが、綺麗な情景と、残酷な運命が絡み合う幻想小説群、という表現が一番しっくりくるように思います。

    全体的にどうしようもなく運命に流されていく不安感が感じられました。鉄道の、敷いてあるレールの上しか進めないという特質が、その不安感を煽るのかもしれません。

  • ホラーというほどホラーではなく
    ちょっと不思議な話しくらいでした。
    だから私にはちょうどよかったです。
    短編だから読みやすいし、
    ちょっとしたときにお手頃サイズ。

  • 鉄道怪談短編集。
    通勤電車に乗りながら無事読了。
    とりあえず怖いめにはあってません。

  • 推理小説家の著者の鉄道怪談集。怪談ということで構えていたが、怖かったのは表題作だけで、あとは怖いのが苦手な人でも読めるとおもう。恐怖要素の若干強いファンタジーとか、そういう感じ。「貴婦人にハンカチを」と「シグナルの宵」が好みの雰囲気。有栖川有栖らしいやわらかで美しい筆。

  • 怪談というよりホラー感あるわ。

  • いつの間にやら文庫化されてたので中古で購入。怪談集だけど、そんなに怖くない。1番好きなのは、「貴婦人にハンカチを」かな。優しい話だった。

  • 再読。鉄道が絡む物語ばかりの鉄道怪談短編集。思えば鉄道とは出会いと別れを想起させる。それを象徴するような話もあればしんみりとした話もあり、逆にわかりやすくホラーな話もあったりと鉄道怪談の中でもバラエティ豊かな一冊。

  •  本格ミステリ作家による、鉄道を題材にした怪奇小説集。
     ファンタジックなSF寄りから幻想譚、ブラックユーモアに怪談話、純正ホラーまで、少しずつテイストの異なる趣向を凝らした短編各種を揃えている。
     我々にとって、鉄道という移動手段は、どこかで繋がっている異界との境界線を橋渡しする媒体であるという、無意識の共通認識があるのかもしれない。
     容易に止まれず、異質なものを運ぶ・運ばれる違和感も含めて、鉄道の面白さと怖さをしみじみと思わせてくれる。

  • 3+

  • 鉄道出なくても別によい話が多いです。

  • テツ怪談ではありますが、怖いというよりも悲しかったり幻想的だったりするものが多いと感じました。(表題作は怖かったけど。)ミステリのようにどんでん返しと感じられるものもあってそれも楽しめました。有栖川さんの他の本格物のようなどっしりした読後感を期待すると軽く感じられるかもしれませんが、私は全ての短編を通して伝わってくるこのちょっと心もとない優しい美しい読後感はとても好きです。

  • 鉄道をモチーフに綴られた怪談集。
    王道の幽霊ものからホラー要素の強いもの、ファンタジックなものなどバリエーションに富んでいる。
    それらに「鉄道」という共通項があるからか、不思議とまとまった印象の残る一冊だ。

    中には大海原、船上が舞台に船の怪談話が語られる話もある。どこで鉄道とつながるのかと思ったら、ラストに登場したファンタジックでSFっぽくもあった。
    思えば、幽霊という過去にとらわれたままの存在に時を超えて遭遇するのだから、怪奇現象も幽霊もSFの要素があるのかもしれない。
    個人的に「最果ての鉄橋」の三途の川を渡るのに舟からフェリーになり、輸送力をあげるために鉄道になったという設定が好き。鉄道好きならではの発想だと思う。

    建物が少なく、車窓からの景色もよくわからない夜に人気の少なくなった列車に乗っていると異世界に行ってしまうのではないかという気分になる時がある。
    あの世や物の怪の世界など、鉄道というのは異世界とこちら側をつなぐツールとしてとても魅力的なのだな、と改めて感じられた作品だった。

  • 鉄道のホラー小説。さらっと読めました。

  • 鉄道と駅をモチーフにした、幻想奇譚短編集。
    静けさと怪しさが漂う「シグナルの宵」がお気に入り。

  • あまり短編は好んで読まないが、あとになって気付いた。だが、みるみるうちに吸い込まれていった。「最果ての鉄道」、「赤い月、廃駅の上に」、もいいが、とくに、「シグナルの宵」は次の展開がどうなるのかわからず怪談というテーマの中でわくわくさせてくれた。雨の中、現れた人物ーーいったい誰だ? そんなことを思いながら最後まで導いてくれた。他の作品も読んでみたくなった。

  • ちょっと怖い話ね。うーん、ちょっとふつうな感じだったなぁ。

  • フツーに買ってしまったのですけど、まさかの怪談ヽ(〃Д〃)ノ
    そう!ホラーじゃないのです(* ´ェ` *)怪談なのですよ
    こうなんとゆーか、押しつけがましくない、そこはかとなく薄気味悪くなるような、怪談。ただ単に、死体や血ばっかりの幽霊や切断された体とか、そういうのを出せばいい!みたいなホラーとは大違いヽ(〃Д〃)ノ

  • 配置場所:摂枚文庫
    請求記号:913.6||A
    資料ID:95140138

  • 日常とすぐ隣り合わせにある少し怖い幻想世界を垣間見る事の出来るような鉄道にまつわるホラー集。ムードたっぷりでどの話も楽しめるが、特にお気に入りは「密林の奥へ」「海原にて」「最果ての鉄橋」「赤い月、廃駅の上に」。電車で読むとあれっいつもと変わらない列車の中?と首を捻りたくなった(笑)。あっさりと読み易く気軽に楽しめました。またこういうシリーズを読みたい。

  • 廃線跡、捨てられた駅舎。赤い月が昇る夜、何かが起きる--。17歳の不登校の少年が一人旅で訪れた町はずれの廃駅。ライターの男と待合室で一夜を明かすことになるが、深夜、来るはずのない列車が不気味な何かを乗せて到着し……。(表題作)
    温泉地へ向かう一見普通の列車。だが、梢子は車内で会うはずのない懐かしい人々に再会する。その恐ろしい意味とは。(黒い車掌)
    鉄道が垣間見せる異界の姿。著者新境地のテツ怪談!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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