雀蜂 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3218
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005361

感想・レビュー・書評

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  • あと1回刺されたら、俺は死ぬ。
    雀蜂には2度と刺されてはいけない。
    そんな身でありながら、目が覚めたら雪山の山荘に一人、遠くからは不気味な羽音が聞こえる――。

    冒頭のシュチュエーションに思わず身がぎゅっと縮こまるくらい、蜂をはじめとした虫が苦手です。極力近づきたくない。
    とはいえ、蜂から逃げるのは主人公。半分くらいは他人事として見ていられるのでまだよいです。
    本人は真剣だけど、なんだかコメディ要素も感じるような闘いっぷりです。

    虫の生態とか、辞書のくだりとか、読んでいて楽しい部分もあるのですが、最後のどんでん返しも思いの他すっきりせずにするりと読み終わってしまって、少しだけ消化不良。
    怖いもの見たさでついつい手にしてしまう貴志さんの本。次読む作品に期待です。

  • 長い移動時間が見込まれるけど、ハードカバーの本を持ち歩けないので、文庫本を手に取った。
    蜂の襲撃も恐ろしいが、恐るるべき事態はもっと別にあったということ。道端で、蜂に出会っただけでも、ビクビクする私は、蜂の大群に向かって行く勇気は持てないだろう。

  • 雪の中の山荘の中で目覚めると、季節外れの1匹の雀蜂が。
    何とか逃げうせるが、山荘の中は雀蜂の巣になっていた…。
    小説家の主人公が雀蜂と格闘するミステリもの。

    色々な知識を総動員して戦う描写が見せどころ。
    ラストは納得感が薄くやや失速気味に感じた。

  • スズメバチってマジで怖いよねー。
    ということで、奴らとの戦いが描かれるシーンは盛り上がるというかドキドキするんだけども、どうにもイチイチwikipediaみたいな説明がくるので、ドキュメンタリーでも見てる気がしてくるのがどうも。
    博識って言えばそうなんだけど、このオッサンもなかなかやりおる。タフだし。最後の説明を見るにつけても尚更その凄さが際立つ。
    最後のどんでん返しも微妙なんだけど、そういやこの人いつもこんな感じかな。

  • 「雀蜂」
    アレルギーなのに蜂に狙われる。


    雪と山荘でクローズドミステリーな設定ですが、そこに蜂を加えてパニック感も増して、更に主人公安斎は、次に刺されたら死んじゃうかも知れないアレルギーもちである。これは追い詰められる展開かと思いきや、最後にダブルの使い用で、若干ホラー寄りになりました。


    主人公は、安斎智哉というそこそこ売れているミステリー作家。舞台は雪に閉じ込められた山荘。彼が気が付くと、いっしょにやってきたはずの妻の夢子が消えている。そして次々に襲ってくるスズメバチ。


    倒しても倒してもすぐそばにいる雀蜂。大軍には遭遇しないけどいつのまにか数匹が、安斎のそばにやってきます。雀蜂と戦う武器は、バスローブだったりスプレーだったり、アルコール活用した甘い罠だったり、遂には即席火炎放射器もやっちゃいます。雀蜂に文句言ったり、色々嘆いてみたり、その武器作りをする際に思い出すのは、昔自分が書いた小説。作品を愛してますね笑


    どんくさい感じが出てるため、どこか滑稽な安斎の生きるか死ぬかの闘いですが、遂に犯人が現れてから流れが変わっていきます。終盤になるとパニック感よりもホラー感が強め。ただ、終盤に行くまでが単調に感じました。


    Keywordは、ダブル。どんでん返しでは無いけど、こんな締めにしちゃうのかという感じ。

  • 貴志祐介さんにしては、珍しく評価が低いので少し不安になりながら読了。

    結果、そんなに悪くない。もちろん貴志祐介さんにしては、クオリティも内容も薄く、駄作の部類だが、一般の作家と比べたら充分読みやすく、うんちくも含め読んで損という感じではない。

    最近のヒット作家の中にはこれより下の作品を量産(もちろん、面白い作品もあるが)する作家が大半だと思う。

    この作品の評価があまりにも低いのは、著者の作品のハードルが上がっているため。
    寡作の作家(多作の作家は駄作も量産するので元々期待せずに読む)のため。帯で煽りまくり、更に角川ホラー文庫なので、ホラーと思い読むと少しも怖くないためであり、個人的には実際の評価よりももう少し上の評価でもいいと思う。

    暇な時にあまり考えず読むには充分オススメです。

  • 雪山の山荘に取り残された男と、大量の雀蜂との攻防戦を描いた作品。
    作中の殆どが雀蜂との戦いに割かれていますが特にダレることなく楽しめました。
    ただラストの結末はちょっと不満。それがまかり通るなら何でもアリやんって。

  • 雀蜂と戦うだけでこんな長い文章が書けるなんて。

    欲を言えば、ミステリー部分がもっと長く欲しかった。

    冒頭の夢の内容など、読みすすめながらどういうこと?と思った部分が最後に伏線回収されてすっきり。

    犯人の男に実は蜂に刺されて死ぬ危険性がなかったのなら、喉に穴を開けて死ぬこともなかっただろうに。

    自分の人格を他人だと思いこんだが故に、目的とは正反対の「死」を迎えることになるとは、犯人は異常者で犯罪者ながら少し同情してしまった。

  • 恐らく5年前以上に一度読んだが、内容ほぼほぼ忘れてしまったため再読。ページ数もそこまで多くなかったのですぐ読めました(^ ^)


    スズメバチの脅威にドキドキした(・_・; 人間よりもちっちゃいのに敵意むき出しで果敢に向かってくる姿を想像しただけでゾッとした、、やはりハチは怖い…
    なるほど、最後はそういうことなのか〜

  • スズメバチとの戦いは、笑いどころもあり、豆知識的なものもあり、面白かった。

    武器を手にしてから、
    『蜂を一匹残らず駆逐してやる!』
    と言い出した時は、エレン•イェーガーが思い浮かんでつい笑ってしまった。

    オチはなんだかなぁという感じ。
    こういう実は本人ではありませんでしたというのは、前も読んだことがあったが、それはシリーズものだったから成り立っていたような気がする。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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