金曜のバカ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 2271
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005712

感想・レビュー・書評

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  • 越谷オサムの金曜のバカを読みました。
    高校生のバカさを暖かく描いた短編集でした。

    表題作の「金曜のバカ」は女子高生と引きこもりの男の対決の物語でした。
    設定がバカなら、彼らの行動もバカです。
    しかし、それが暖かく描かれていて楽しく読みました。

    「僕の愉しみ彼女のたしなみ」は恐竜が大好きなオタク高校生片岡が主人公です。
    片岡は、気になるクラスメイトの黛さんを恐竜イベントに誘います。
    恐竜オタクであることがばれて2週間でふられてしまったという暗い過去を持つ片岡は、自分が恐竜オタクであることを悟られないように慎重に黛さんをエスコートするのでした。
    しかし、黛さんにも隠れた秘密があったのでした。

    本当に読んでいて楽しくなる物語たちでした。

  • 陽だまりの彼女を読んでから、同じ作者である越谷オサムさんの短編集を読んでみました。
    どの作品も、日常の中でのちょっとした出来事をほっこりと伝えていて、良かったです。
    最初の金曜のバカも、初めはよく内容がわからなかったけど、最後の終わり方には笑ってしまいました。
    私が、1番いいなぁと思ったのは、星とミルクティーです。初対面で星好きっていう共通点しかないのに、落ち着きをなくしたりして、にやけてしまいます。ひかりさんが忘れてしまった双眼鏡をいつまでも取っておいているとこもまた、いいなと思ってしまいます。星見るのを断られてしまった智子さんとも結婚して赤ちゃんを授かって、手には星の痣があって、なんて素敵ないい終わり方なんだろうと思いました。
    あと、最後のゴンとナナの、ゴン視線がとても良かったです。

  • 愛おしいバカここにあり。
    本当のおバカは、開き直らず恥じらいながらも懸命に生きているから愛されるのです。
    がんばれっ!そしてがんばろっ!

  • ゴンとナナのゴンが凄く好きだ。読後感はしんみり、な短編だったけれど、前半は設定からして馬鹿な内容だったりする作品。でも全体的に何と無く経験してきた断片を見出すから、思うところとか共感するところが多かった。面白かった。
    やっぱりゴンの視点が1番刺さる。

  • 表題作、気持ちの良いバカでした。二人共かなりバカなのですが嫌いにはなれません。なぜか無性にほっこりします。
    次の『星とミルクティー』では完璧にほっこりしました。この話が可愛くて一番好きです。

  • 青春の恥ずかしいとこ、もどかしいとこ、輝いてるとこを多彩な筆致で描き出している。
    愛すべきバカ達の一生懸命な様が読んでて心地良いのだった。

  • とりあえず全ての中高生にお勧めしたいです。ぜひ読んでいただきたいです。

    初めて読んで7.8年近く経っていますが今でもこの本を読んだ時の心の暖かさを思い出します。
    特に「星とミルクティー」の話は、深夜に流星群を見に河川敷に行き出会った顔もわからない女の子と雑談しながら星を眺める…というシチュエーションですが、初対面、かつ恋人がいながらも女の子と2人きりという微妙な距離感から生じる甘酸っぱさも相まって、こんな初対面の出会いもいいなぁ…と思っていました。
    最後のゴンとナナのお話は、私自身吹奏楽部で人間関係に悩んだ時期もあり、「こんなふうに距離置かれてたな!笑」と自分自身と重ねて共感しながら読み進められたのを覚えてます。中高生のときは部活やクラスが人間関係の全てだったし、大人からしたら大した悩みで無くても当事者は重大な悩みだったんだよなーとか読んでて思い出しました。
    この本のおかげで小説が好きになったのも過言ではないです。あのとき本屋で出会えて本当に良かったと思います。

  • 愛すべきバカな高校生達。みんな真剣に頑張ってて可愛いなぁ。
    一話目「金曜日のバカ」に大爆笑。
    「星とミルクティー」は暗い話かと思いきや、優しくて温かいファンタジーで一番好き。

  • タイトルだけで買った。
    愛すべきバカ達の短篇集でスラスラ読めた。
    これは当たりだった。おもしろい

  • 青春とはバカなのかも。
    そっちに行くか!? とのバカ話もあれば、一途に熱いバカさを抱えたものもあれば、若さ故のバカな暴走もあり、そんなバカに巻き込まれることもある。そのどれもが愛おしい。
    かっこよくはないが素敵な青春バカ話。悶えて足掻いて一歩進もう。

著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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