- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041006870
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
まだあんよもできないような赤ちゃんが、ベビーカーから身を乗り出して、真剣に世の中を観察する様子を見ていつも思う。
言葉をもたない子どもは、どうやって思考を紡いでいくのだろう。
小学校1年生のかのこちゃんは、大人よりも少ない語彙だからこそ言葉への興味や憧れを持って、どんどん言葉を、知識を吸収していく。
指しゃぶりをやめて知恵が啓かれたかのこちゃんの、成長へのきらきらとした喜びが、とても微笑ましい。
かのこちゃんの両親も、決してかのこちゃんを追いたてることなく、かのこちゃんのペースで成長できるようにゆっくりと、あたたかく、そしてしっかり見守っているところに、非常に好感が持てる。
「うるさい」とか「めんどくさい」とか言わないところがね。
かのこちゃんの家で飼っている老犬の玄三郎。
ゲリラ豪雨の日にその犬小屋に避難したことから玄三郎の妻となったアカトラ猫のマドレーヌ夫人。(名前の由来は、焼き菓子のマドレーヌに色が似ているから)
この夫婦の静かで穏やかな愛情の交流もまたよい。
かのこちゃんにはかのこちゃんの冒険が。
マドレーヌ夫人にはマドレーヌ夫人の冒険がそれぞれあり、頭と体を精一杯使って自分のできること、なすべきことをする。
もちろんできないことはある。乗り越えられない壁。
泣きたいほど悲しいことも前向きに受け止め、いつかという日を信じて自分の道を進んでいく潔さ。
高く広がる青空のように清々しい物語。
ところでかのこちゃんのお父さんは、「鹿男~」の関係者の方なのでしょうか?
そして老犬の玄三郎。
私のイメージは「めぞん一刻」の惣一郎さんでした。 -
面白かった~!かのこちゃん(※小学生)は可愛いし、マドレーヌ夫人(※猫)は気高くて義理人情に厚いし、夫人の旦那の玄三郎さん(※犬)も、おじいちゃんなのに男らしくて優しくて理想の旦那さん(笑)。小学生の日常も微笑ましくて可愛くて、それを見守る大人たちの視線もとても温かい(鹿と喋れるお父さんはもしかして・・・?)。最初から最後まで非常に良い気分で読めました。
-
万城目さんらしいファンタジー色は出しつつ、また新しい物語を読ませてくれた。
最初の「知恵がひらかれた」というので引き込まれた。
あまりに現実と離れていて冷めてしまう、みたいなことがないのが万城目さんの小説。
かのこちゃんの可愛らしさや、マドレーヌと玄三郎夫婦が醸し出す空気が魅力的で、別れの話には切なさと透明感があって、総じてやっぱり面白かった。 -
かのこちゃんは、小学校一年生、源三郎という老犬の、小屋に、雨が激しく降っていて、野良猫が、入っていた三毛猫が、かのこちゃんのお母さんの、得意な、マドレーヌの色なので、マドレーヌ、夫人と名前を付けられたマドレーヌ夫人も源三郎犬も、動物同士話ができる普通は、尻尾は、二つに、割れないのに、割れたため、人間の人に、なったりする、かのこちゃんは、親指を、しゃぶる癖が治らず、すずこちゃんという、友達ができ、リアルに、女の子、らしさがあり、私にも知らない言葉を、知っています、思わず笑えます、かのこちゃんの、好奇心や、飼っている、動物達の別れなどで、経験を、することにより成長します、素朴さが、表れて、正直が、大切な事を、学べます。
-
7-8年ほど前に読んでいたものを再読。
日常の中でおこる小さな奇跡、そしてもたらされる確かな成長に心暖まります。 -
◯「ちえがひらかれたのよ、お母さん」とかのこちゃんは自信満々の声で答えた。(22p)
◯さようなら、マドレーヌ(212p)
★子供の頃の気持ちを、そのまま封じ込めたような作品。
★玄三郎さんとマドレーヌ夫人とのやり取りが尊い。 -
かのこちゃんとマドレーヌ夫人(角川文庫)
著作者:万城目学
発行者:KADOKAWA
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
老犬と猫と女の子の冒険に満ちた日々を描いた作品です。