つばさものがたり (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.06
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本棚登録 : 1432
感想 : 140
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041006887

作品紹介・あらすじ

パティシエールの君川小麦は、自身の身体に重い秘密を抱えたまま、故郷・北伊豆で家族とケーキ屋を開いた。しかし、甥の吐夢からは「ここは流行らないよ」と謎の一言。その通り、店は瞬く間に行き詰まってしまう。力尽きた彼女に新たな勇気を吹きこんだのは、吐夢と、彼にしか見えない天使の"レイ"だった…。小麦のひたむきな再起を見届けたとき、読み手の心にも"見えない翼"が舞い降りる。感涙必至の家族小説。

感想・レビュー・書評

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  • 天使の見える男の子、叶夢。大きくなってもいつまでもレイが見えて欲しい。素直で優しい大人になって欲しい。
    最初全然覚えてなかったけど、レジャビュー感が所々あり、これ昔読んだことあった。その時もきっと思ったんだろう、小麦さん、頑張りましたね。良い話だった。

  • ❇︎

    切ないけれど素敵なお話です。

    心が震えるラストは哀しいはずなのに、
    光にも似た温かさを感じさせてくれます。

    そして、誰かの希望の星でいることは
    どれほどの重さを背負うものなのか
    改めて考えさせられました。

    ーーーーー
    パティシエールの小麦
    小麦の母、兄の代二郎、妻の道恵と
    天使が見える息子の叶夢
    叶夢の友達で天使のレイ

    父の夢を叶えるためにパティシエールになった
    小麦は母と念願の店を開く。
    でも父の夢を背負って生きる小麦の身体は、
    病魔に蝕まれていた。

    誰かの希望の星として生きる生き方、
    自分のためだけに生きる生き方。

    例え自分で選んだものであっても、
    希望の星としての人生ではなく、
    もっと自由で奔放に生きる主人公を
    見てみたかったと思いました。






  • 小麦の店に来た叶夢が「ここははやらないよ」と言うあたりから一気に引き込まれた。
    天使って本当にいるんだろうね、と信じたくなるようなお話。

    ケーキの描写がとても美味しそうで、食べたいと思った。
    最後までレイが奇跡が起こすことを期待していた。
    きっと思いは継承されていくはず

  • 切ない。切なすぎる。

    主人公のパティシエールの小麦が作るケーキはとてもおいしそうで、ケーキ食べたくなるけど、切なすぎて胸が痛くなった。

    自分だったら小麦みたいに冷静に病気を受け入れられないな。
    パティシエールとしての才能がありながら、若くして病魔に侵されて、
    私だったら、なんで?なんで私だけ??って思うし、
    親や周りの人を困らすぐらい甘えちゃうと思う。
    けど小麦は泣き言一つ言わず、一生懸命ケーキを作る姿が痛々しすぎて、いたたまれなかったな。

  • 10年ほど前に偶然見つけて、迷わず買った本。
    何年ぶりかに読み返し、内容もほとんど忘れていたが、
    あーこの本に出会えてよかった。
    初めて読んだとき、温かい涙を流しながら、そう思ったことを思い出した。

    人の心って変わらないなと思いつつ、
    この本を読んで変わらず感動できる心を持ち続けられていることに安堵した。

    毎日大切な人に囲まれて、
    好きなことを仕事にでき、
    美味しいものを美味しいと感じられる、
    それがいかに尊いことか、ありがたいことか。
    わかっているけれど、忘れがちなこと。
    本当にわかっているのかな?
    わかったつもりになっているだけではないかな?


    持っているのは単行本なので、
    表紙はファヴォリ・ダンジュの店頭とお店の屋根で羽を休めている天使のイラスト。
    その表紙がお気に入りなので、書影がないのはちょっぴり残念。

  • レイの代二郎へのあたりが何度もクスッとなる。
    叶夢がとっても可愛い。

    読みながら笑ったり、ジーンときたりの繰り返し。
    とても素敵な作品だった。

    家族の絆、職場の暖かい人々、小麦の恋。
    奇跡が起きてほしい願いながら読み続けた。

  • パティシエになるため頑張っていた小麦が癌に冒される。
    そんな小麦は実家に戻り、母と義姉とケーキ屋を始めるが。
    天使が見える甥の叶夢。
家族と一緒に最後の炎を輝かせる。
    前半の負の連鎖を描くシーンは読んでいて辛かった。
    最後は通勤電車の中で読んでいて、涙が出そうになり読むのをやめてしまった。

  • パティシエの女性・小麦のお話
    地元に戻ってお店をひらくのですが・・・
    天使のレイが見える叶夢が物語に絡んできて

    ちょっと悲しかったです

  • 火の粉の雫井脩介が、こんな優しい話を書いたことに驚いた。号泣ではないがホロったくるいい話。

    • かなさん
      kakaneさん、こんばんは!はじめまして。
      この度はフォローしていただきありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきます...
      kakaneさん、こんばんは!はじめまして。
      この度はフォローしていただきありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      これから、どうぞよろしくお願いします。

      私もこの作品、好きなんです!
      私は泣きました…しかも結構号泣しました(^-^;
      2023/08/15
    • kakaneさん
      かなさん、コメント、フォローありがとうございます。
      雑食な読書を続けていますが、このブログには備忘録及び読み終わった後直ぐの生の感想を、簡潔...
      かなさん、コメント、フォローありがとうございます。
      雑食な読書を続けていますが、このブログには備忘録及び読み終わった後直ぐの生の感想を、簡潔に記録できたらと思っています。
      つばさものがたりは良かったですね。クローズドノートも面白かったと記憶しています。かなさんのブログも参考にさせていただき、まだまだ良い作品を読みたいと思います。
      これからも充実した読書生活をお過ごしください。
      よろしくお願いします。
      2023/08/15
  • クライマックスが最高だった。
    胸が熱くなり、心が潤ってくるのが自分でも分かった。
    日々の当たり前な日常が、全く違うものに見えてくる。
    あぁ、本ってこうゆう力があるんだ。
    そう実感した。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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