MISSING (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.47
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本棚登録 : 796
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007075

作品紹介・あらすじ

彼女と会ったとき、誰かに似ていると思った。何のことはない。その顔は、幼い頃の私と同じ顔なのだ。生徒に対して距離をとって接する私が、彼女にだけ近づいたのは自然な流れだった-。夜の海辺で、恋人と過ごした日日を回想する私。だがその裏には、これまで見えていなかった真実が息を潜めていた。(「眠りの海」)「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!透明感溢れる哀切と驚きにみちた、デビュー短編集。

感想・レビュー・書評

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  • どの短編も語り手の温度が低いと感じられた。たぶん、彼は世界を客観的に眺めていて、向き合う相手の傷に直接手を触れずにいるからだと思う。相手は傷について触れて欲しくないと思いつつ、実は触れて欲しいんじゃないかと思う。ひとりでは抱えきれない荷物をほんの少しでいいから持ってほしい。けれど、彼はそれを許してくれない。そんな印象だった。
    だから、怖いと思った。
    その時の読み手の心持ちで、読後感が180度代わる世界だと思ったから。人は何かをなくしながら生きていく。そして何かを残し死んでいく。そこに希望を見いだす人もいるだろうし、救いのなさを見る人もいると思う。今回わたしはどちらかといえば後者だった。
    ただ、どちらにとっても言えること。人は決して綺麗な心のままでは生きられないということ。なくしたものは簡単には見つからないということ。

  • MOMENTに引き続き、今度はMISSING。「瑠璃」ってのが良かったという感想が多かったので期待して読んでみました。が、なんか、個人的にはいまいちだったな。「蝉の証」は良かったけど。質的にはMOMENTの方が上に感じます。本屋に行ったら文庫で新作"正義のミカタ"が出てましたぁ~。今読んでいるのが終わったら読んでみようかな。

  • 久しぶりの本多さん

    どこか遠いような世界でそう遠くないような世界
    いや、やっぱ遠いのか?

    そんな絶妙な世界観というか人間関係というか
    綺麗事抜きの人間の本質を描くのがうまいなあ
    本多さんは。

  • 申し訳ないのだけど薄く感じてしまった.
    共感できる部分はあったものの入り込みきれず、どれも「ボクの考えた衝撃的な結末!」集に思えてならなかった…デビュー作だそうなので仕方ないのかもしれないけれど.

  • 短編集はあまり得意ではないが、この作家さんの作品は面白く読める。
    最後の話は難しいね。

  • p.2022/10/10

  • 2回目。覚えてない話半分くらいあった。ちょっと村上春樹っぽい雰囲気(病んだ男の子の話とか)あるかも。好き

  • 3.5。普通人には見せない仄暗い感情や後ろめたい感情、綺麗なだけではない人間が描かれている。瑠璃が私はすきだった。

  • このミステリーがすごい2000年版第10位。
    短編5編。
    各編それぞれどこか切なさを感じる。
    それとちょっとしたミステリー要素が入ってる?ような気がする。短編なのでサクッと読める。面白かった。
    個人的には「眠りの海」と「蝉の証」が好きな作品。

  •  短編はもともと苦手なのですが、死にたい人達の話ばかりで、しかも雰囲気まで一緒。ピュアというか幼稚というか、こんな私が手に取って申し訳ありませんでしたという気分です。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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