- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041007860
感想・レビュー・書評
-
花道初心者で、「池坊」の名前しか知らない状態で手にとってみた。
「花道」になるスタート地点を、親しみやすいキャラクターとして描かれた池坊専好さんを通して感じることができた。
今日会えた人に、明日はもう会えないかもしれないと思いながら過ごす戦国時代。
一期一会を大事にした千利休との親交を絡ませることで、より深みのある物語になっている。
刀を持たず、花人には花人のやり方での大戦。
ゆかりのお寺、六角堂へも訪れてみたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池坊専好の話。「美」というものを解することによって権力者に対峙する。
千利休や池坊専好にできることは豊臣秀吉や石田三成には理解できないことなのだ。
最初は素材や視点のおもしろさを感じたが、途中から飽きてしまった。見ていないが、同じような話を映像化したという点では利休を素材にしたもののほうが美の追求という点では「死」があり、極まっているような気がする。 -
華道家元三十一世、池坊専好(初代)を主人公とした歴史小説。
乱世の京において、尚も、美を愛し、市井の営みを慈しみ、民人と交流する専好。
千利休との友情と信頼、豊臣秀吉の専横と弾圧、そして利休の刑死。
己の信念に殉じた親友の仇討ちと、華人としての誇りを懸けて、時の権力者に対峙する、芸術家の気骨が描かれる。
クライマックスの、花の名手ならではの戦いは、若干あっさりした感があるかも。
しかし、全編通して簡易平明な文体は読み易く、華道の歴史的背景も丁寧に解説されており、物語世界に入り易い作品となっている。 -
池坊ってこの時代からお花で名を挙げていんですね。
元々はお寺の住職ってゆうのも驚き。
最後の戦、お見事でした。
2017.6.26