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パラダイス・ロスト (角川文庫)

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著者 : 柳広司
制作 : 森 美夏 
  • 角川書店 (2013年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041008263

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パラダイス・ロスト (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 信頼。友情。仲間。祖国解放。多くの人が喜んでその言葉のために命を投げ出す。戦争の時代を彩る、唯一の希望のように。
    けれど“D機関”の男たちにとっては、そんな甘美な夢さえ無用の長物に過ぎない。彼らの至上任務は、生き延びること。生きて帰って報告することなのだから……『誤算』のほか、シンガポール、ラッフルズ・ホテルで起きた殺人事件。その真犯人を探すキャンベルだが、その推理は何者かのコントロールによるものなのか。日本軍が侵攻する直前の楽園を描く『失楽園』。
    イギリス人新聞記者・プライスが結城中佐の過去と正体を探る『追跡』。
    サンフランシスコを出航し、日本へと向かう豪華客船《朱鷺丸》の船上で起きた殺人事件。殺されたのは英国諜報機関に雇われた暗号の専門家“教授”。時を同じくして、船内のドイツ人乗客の拘束を目的に、《朱鷺丸》に迫る英国軍艦。“教授”を殺した犯人を探る『暗号名ケルベロス前篇・後篇』

    “D機関”の活躍は前にも増して華やかさがある。所詮は誤算も計算のうち。ミスリードも大いに結構。という化け物の化け物たる所以と本領発揮。機関員に課せられた使命と、その徹底ぶりも改めて認識させてくれるが、エンターティメント性はシリーズ中随一かもしれない。シリーズ第三巻。

  • 今回は個人的には、今までの「小気味いい」部分がだいぶ減っちゃったかなあ、という感じでした。
    時代も、前回で真珠湾攻撃が起こっていよいよか!と思ったら、どうやらちょっと戻った?
    それにしても、ちょくちょく出てくるD機関のメンバーに選ばれるための試験(階段の数とか)。あんなの、現実に答えられる人ってホントーにいるのだろうか……。ごく少数だけど、いるんだろうなあ。

  • シリーズ三作目。旧日本軍にD機関というスパイ組織があったという設定で、彼らの謀調活動を描く。3冊目なので、そろそろネタが苦しくなると思いきや、中心人物である結城少佐の出自に迫るエピソードなどもあり、読ませる。やはり、この作者さんは、このシリーズがよく合う。

  • 完璧なスパイもいれば、ドジなスパイもいる。気がついたらスパイの手下に誘導さていた人もいる。そんな人間味溢れたスパイの話しはどの話しでも面白い!

  • あまりに並外れた能力と自負があると、ここまで功名心に惑わされず黒子に徹することができるのか。
    強烈な自負のもとでは、自分の期待に応えることこそが快感で、(愚かな)他人の称賛など侮蔑に入るのだろう。公爵が結城中佐なのか、二人は別人なのか。別人ならば、現役時代肩を並べていた頃の話が読みたい。

  • d機関シリーズ三作目。テレビで見た回が含まれていた。なんでこいつらがいて負けたんだ、我が国はw

  • 短編集。
    「誤算」ではいきなり記憶喪失の諜報員が登場して驚いた。
    はたして記憶喪失になってスパイとして行動できるものなのか。
    結城中佐の教えは徹底していた。
    現実問題として可能なのかどうかはわからないけれど、この方法ならば自白剤など何の意味も持たなくなるだろう。
    いつ如何なるトラブルが起きても対応出来る。
    それが「D機関」の諜報員に求められているものなのだ。
    「失楽園」では相手の潜在意識に働きかける方法が描かれている。
    何気ない言葉や行動の裏には、相手へのさりげないけれど強烈な働きかけが隠されている。
    気がつけば諜報員の思うがままに操られている善意の第三者がいるだけだ。
    「追跡」に描かれているのは結城中佐の周到な事前工作だ。
    いつの日か自分を追い求める相手が現れることを想定し、仕掛けられた罠に誘い込んでいく。
    先の先を読み、どのように相手が動いても対処できる。
    結城中佐というのは怖ろしいほどスパイに適した人間なのだろう。
    「ジョーカー・ゲーム」を読んだときのような高揚感はないけれど、このシリーズは面白い。
    外れがないといった印象だ。
    スパイ活動とは心理戦だ。情報をいち早く把握し、分析し、心理的罠を仕掛け、新たな情報を得て思うように相手を動かす。
    さて、次はどんな物語を見せてくれるのか。楽しみだ。

  • 相変わらず設定に引き込まれる

  • 「誤算」記憶を無くしても、スパイであることは忘れない。まさにスパイの鑑です。「追跡」追いかけていたつもりが、気付けば追い詰められている。それも徹底的に。結城中佐の底知れない恐ろしさが浮かび上がってくる。

  • ジョーカーゲームシリーズの3作目
    相変わらずの名作ぞろいで楽しく読ませていただきました

    次が最終の4作目か。。。
    読むのが惜しくもあり楽しみでもあり

    4作目読み終わったら、全作品全部読み返すだろうなぁ

  • 物語とは全く関係ないが、本巻の「暗号名ケルベロス」で叙述される、日本陸軍の日本語への「信仰」=「宗教がかった信頼感」=「妄信」が露わになる台詞と態度(当然の如く、著者の叙述は当該陸軍軍人に対して冷ややか)。この陸軍軍人の物言いが、先に読破した、大学教育における外国語利用を軽んじた某人物の言に重なるような気がしてならない。

  • D機関のスパイが表に出てこない「失楽園」はあまり面白いとは思えなかった。
    結城中佐の生い立ちを探ろうとして、スパイとしての情報を全て失った「追跡」はなかなか面白かった。
    前編と後編に分かれていた「暗号名ケルベロス」は、D機関の内海が有能なのに、引退するようなことを思っていて、残念だった。
    内海の活躍ももっと見たい。
    偶然にも一時的に記憶喪失になった島野が生き抜き、切り抜けた「誤算」も良かった。
    アニメ効果か、どれもすぐに読み進められたけど、軽い感じもした。

  • 久々にこのシリーズ読みました。
    前作たちより人間味があるような気がしました。特に最後のケルベロスね。

    ただ、何か残るものがあるわけでもなく一回読めばまぁいいかな、って感じではあります。

    2016.12.17

  • “D機関”シリーズの第3弾。
    3作目まで引っ張ったせいなのか、D機関のメンバー達の無敵ぶりと謎解きの方がメインとなり、結城中佐の妖気のような独特の雰囲気が失われているのが少し残念でした。
    作中に漂うあの雰囲気が好きだったんだけどなぁ。
    とはいえ、楽しく読めたことは間違いありません。

  • 騙し騙され、どこまでが真実か嘘かわからない。

  • 直接的な描写は無いのに、短編一つずつ読むごとに刻々と情勢が変化していってるのを読者に感じさせるのが凄い。
    あと巻末の著作リストが作家買いするタイプの人間にはありがたいッスわー、だって違う出版社のヤツも載ってるよ流石の角川。

  • 「誤算」「失楽園」「追跡」「暗号名ケルベロス」の4編(内、暗号名ケルベロスは前後編)収録の3巻。
    このうち、失楽園以外がアニメで取り上げられていました。

    アニメ本編で一番腑に落ちなかった暗号名ケルベロスのエンディング。小説ではとても丁寧にその決断に至るまでを語っていて、やっと納得できた次第です。やはり、こういう細やかな心理描写は小説の得意とするところですね。

    誤算は、アニメでは少しだけアレンジが加えられているので、小説からアニメでも、アニメから小説でも楽しめるようにとの配慮なのかもしれません。しかもそのアレンジが、話の大筋には邪魔をしないものだから、スタッフ陣のにくいこと。

    追跡は、アニメの方だと一編の映画を見ているような気持ちになりましたが、こちらでは、うすら寒い気持ちになりました。全編通して漂う、冷たい空気感というか、どこか空虚な雰囲気が、最後、主人公であるイギリス人記者が何事かを悟る瞬間でさえも覆っていて、彼が最後に見る晴れた夏の空でさえもどこか不吉に思えて不思議です。結城中佐の掌の上で転がされる滑稽さを疑似体験できる短編かと。

    失楽園は、一番のお気に入りでした。各国の情勢や国民性、どこの国にも存在する偏見に基づいた愚かなジャッジメント(これは暗号名ケルベロスでも健在です。縦書きだから日本語は尊いだとか、神聖なる日本語は横書きでしか文字を読めない外国人には理解不能だとか、同じ日本人として顔を覆いたくなるくらい愚かしい妄信が跋扈していたのかと思うと、戦後何年経っても恥ずかしさは消えません)がよく描かれていると同時に、単に知識の披露になっていないところに、柳広司の技量と矜持を感じます。
    失楽園のエンディングも、不吉とまではいかないけれど、人間の愚かさを描いていて、でも、その愚かさも含めて人間なのだと微笑むようで、すごく好きでした。読了後、次の話にすぐに飛びつけなかったくらいに。

    D機関シリーズ、本当にどれも良作なので、ライフワークとして今後続けていってくだされば、と願ってやみません。

  • ドイツとイギリスの戦争が激化する中、大日本商船が誇る豪華客船『朱鷺丸』がサンフランシスコから横浜に向け出港した。出航直後からの嵐をようやく抜け、ハワイ寄港を前に浮かれたムードのデッキで、日本人技術者の『内海』は一人クロスワードパズルを楽しんでいた。
    が、彼は日本陸運内部に設立された秘密諜報機関、通称『D機関』のメンバーであり、英国のスパイ『教授(ザ・プロフ)』が顔を変え日本に入国するのを阻止するのが、今回の任務だったのである。
    その任務がほぼ達成されたとき、予期せぬ事態が起こり、ターゲットが何者かに毒殺されてしまう。
    魔王のごとき結城中佐を欺いた謎。
    内海は、任務の枠を超えて、何としてもその謎を解き明かすつもりだった。そのために、たとえどんな犠牲を払うことになったとしても…。「暗号名ケルベロス」

    ジョーカーゲームシリーズ第3弾。


    より心理戦の色合いが濃かった今回。
    相手に気取られることなく、無意識化に働き掛け意のままの行動をとらせる。そしてそれは相手に限ったことではない。どのような状況におかれても任務に必要な情報が混乱しない様に、無意識化のレベルに刷り込む。恐ろしい人達だ。だがそんな中にチラリと垣間見える人間味が良い。
    そしてさらに、その上を行く結城中佐。自身の過去さえも罠に使う。しかも二十年も前に予見し仕掛けた罠だ。
    彼の過去は、未だ謎に包まれている。

  • 「暗号名ケルベロス」のラストにぐっと来た。緊迫感に満ちた短編の中にも情感がたっぷり詰まってる。

  • 短編集なのにどんでん返しが続き、スピード感がある内容。

    まったく無駄のない展開に思えて、緊張感を持って読むことができた。

  • ジョーカーゲームの第3弾。

    結城中佐率いるD機関が活躍する短編集。

    各短編に登場する主人公はいるのだが、完全にD機関の1スパイとして描かれ、個性を完全に殺して読み手にその人物像すら思い描かせない。

    どちらかと云えば、反主人公側、敵側の人物の方に個性を持たせたような描き方である。

    前篇をとおして結城中佐の偉大さが描かれ、影のフィクサーのような様相を呈してきた。

    推理小説を彷彿とさせるような物語あり、人情ものありで面白かった。

  • 読みたい!と言って、お友達借りたのに既読だったwww
    でも、せっかくなので再読した。やっぱりよかった♪

  • 相変わらず面白い。
    ここまで面白いと。ネタが尽きるのではないかと心配になる。

    「誤算」「追跡」が面白かった。
    「失楽園」が一番ガッカリだったな。
    「暗号名ケルベロス」前後篇の割にアッサリした結末。
    トリックというかオチはちょっと消化不良気味。

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スパイ組織”D機関”の異能の精鋭たちを率いる“魔王”――結城中佐。その知られざる過去が、ついに暴かれる!? 世界各国、シリーズ最大のスケールで繰り広げられる白熱の頭脳戦。究極エンタメ!

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