マリアビートル (角川文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • KADOKAWA (2013年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041009772

マリアビートル (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 東京発、盛岡行き。東北新幹線の車中だけで展開する殺し屋シリーズ第二作。
    新幹線の疾走感に負けず劣らずのストーリー展開。散りばめられた伏線、後半での回収。お見事です。
    「てんとう虫はマリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。」
    明らかにされていない王子の生死について。峰岸息子、狼、スズメバチ、檸檬、蜜柑、白衣の男、峰岸を含めて死体は七つ。ただ、個人的には木村夫妻はきっとやっていると思う。白衣の男はカウントしないのかな。ここに関しては深読みしすぎ?
    天道虫こと七尾はもちろん、蜜柑と檸檬、好きだったから残念だったけれど、「ほらな、復活したろ」のラストで気分が晴れた。

  • この新幹線、降車できない――。

    東京発盛岡行きの東北新幹線〈はやて〉。それぞれの目的を持ち乗り込む(元殺し屋)木村、二人組みの殺し屋、檸檬と蜜柑の果物コンビ。そして背中に七つの星……ではなく七つ以上の不運や悪運を背負っているような、気弱な殺し屋天道虫。さらにほかの業者までもが入り込み、天使的容姿を持つ悪魔的少年、王子が首を突っ込み、中学生ながら大の大人であるはずの業者たちを向こうにまわして事態をひっかきまわす。
    しかもこの中学生、殺し屋相手に「どうして人を殺してはいけないの?」と問いかける。その問いは、決して正義感や善悪からくるものではないところが憎たらしい。

    最高時速300キロで北へと疾走する密室のなか、一般の乗客の気づかぬ間合いで、業者同士お互いの思惑と隙とを探り合う思惑と殺気がぶつかり合う。

    乗客のなかには、なんと『グラスホッパー』の主人公であった鈴木もいた。前作からはや数年、妻を喪った痛手から立ち直りつつある様子。しかし巻き込まれ体質は相変わらずで、周辺には殺し屋業の面々が集ってしまう。

    禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。幸運も不運も、人生でのトータルは±0。不運が続いても嘆くことなかれ。幸運が続いても、驕ることなかれ。
    駆け引き、取り引き、殺し合い、騙し合い、運を味方に、運に見放され――盛岡に到着するまで、息をつかせぬ怒涛の展開、そこにどこかほのぼのとした幕間をはさみつつ疾走する、『グラスホッパー』に続く殺し屋シリーズ第2弾。
    この小説、一気に読んだほうがいい。

  • グラスホッパーが面白かったので読んでみた一冊。
    グラスホッパーとつながっているということを知らずに読み始めたけど、知ってるキャラクターが登場して、さらに興味をひかれる。
    物語も新幹線という狭い空間でずっと展開するのに、テンポ良く飽きさせない流れで最後まで。少年があまりに"悪"すぎてもやもやした感覚をずっと抱えるけど、その流れからの終わり方も、いろいろ想像させて面白かった。

  • 伊坂さんの物語の魅力は何といっても登場人物の造形にある。
    独特の世界観に加え、登場するひとりひとりが本当に活かされてる。
    「グラスホッパー」の続編ということで、顔見知りの人物が出てくるのも嬉しかった。
    いったい何人の殺し屋が出てくるのか。
    早々に姿を消す狼。
    トーマス大好き人間の檸檬と相棒の蜜柑。
    あの「お前の捜し物は、鍵は、盛岡のコインロッカーにある」はよかった。
    何というかグッときた。
    小狡くて冷酷で俺様で頭でっかちの王子。
    世界中の運のなさを一手に引き受けているような天道虫。
    こっそりと背中を押し続けている槿。
    誰にも知られずに一刺しで相手を葬る蜂。
    そして伝説の寝起きの悪い最悪な殺し屋。
    鈴木に引き続き登場していて、彼特有の雰囲気が物語を転換していくきっかけにもなっていた。
    それにしても、本物を怒らしちゃダメだろ…と。
    どんなに優秀だろうと、頭の回転が速かろうと、王子は所詮子供だ。
    多くの経験を積み、あらゆる修羅場を生き抜いてきた者には叶わないのは当たり前だ。
    運の良さだけである程度のところまで来れたとしても、それは王子の実力ではない。
    殺し屋なんだけれど、ずっと前に引退した老兵なんだけれど、木村のおじいちゃんとおばあちゃん。
    半端なくカッコ良かった。

    閉ざされた空間でのやりとり。
    タイムリミットが迫る中、それぞれの事情を抱えた殺し屋たちが動き回るストーリーはスピード感もあって少しも飽きさせない。
    次にこの殺し屋たちに会えるのはいつになるだろうか。
    次回作でまた鈴木に会えるだろうか。それを楽しみに続編を待ちたいと思う。

  • 登場人物のキャラクターも濃く、スピード感もあり、章ごとに先が気になる展開が続く良書。読む前後に新幹線で出掛ける用事があったので、読みながら想像を掻き立てられ、とても楽しめた。話の内容的には、良い意味でも悪い意味でも軽い感じがするが、主要人物の一人が繰り返す「どうして人を殺してはいけないのか?」という問いに関して、それに答える様々な大人の意見を通して、自分の腑に落ちる答えを見つけられると思う。

  • 前作のような感じかなと思っていたのだけれど、すごく面白かった。まさか新幹線での事件だとは。いろんな人が関わってきて混ざってきて、絡まって絡まって。
    スピード感と爽快感。

    蜜柑も檸檬もとても好きだった。
    そして、伝説のふたりにはすかっと、させてもらった。

  • 限られた空間、新幹線の中だけで起きる様々な事件にひやひやしっ放しでした。
    こうも限定された設定の中で、こうも幅広く色彩豊かに物語が展開できるのかと…
    伊坂さんの作品には毎度惹き付けられてしまいます。

    またキャラクターも個性的な人達ばかりで、とくにグラスホッパーから読み始めた私としては、槿さんが密やかに強かに暗躍したり、鈴木先生の登場に少しほっとしたりと、再登場に興奮しました。
    王子は伊坂さんの描く、傍目には分かりにくいけどしっかりとした『悪』として存在感が大きく、非常にサイコパスだし狡猾で頭がいい嫌な奴の主張をしていて、最後には制裁が加わってスッキリしました。
    それに付随して、檸檬の恐れていた寝起きの悪い殺し屋の伏線が、木村のパパさんで、それが渉くんの目覚めと共に回収するのは、王子が一泡食う場面だけに綺麗で好きです。
    蜜柑と檸檬は大好きだっただけに本当に悲しいです。
    檸檬が蜜柑の勧めた文庫本を頑張って途中まで読んでいたり、蜜柑が檸檬のトーマス君の説明をちゃんと聞いて覚えていてくれたり…とくに『あいつも俺も負けず嫌いで…素直じゃなかったわけだ』と小さい声で呟くシーンにはもう、やり切れない気持ちになり一旦本を閉じました…(笑)
    檸檬の言った『鍵』の事がなんのことか思い出せなくて読み返したら、文庫本P64あたりでフラグが立っていたのでしょうか…。
    あそこで王子が鍵の事を口走っていたら、結果は変わったのでしょうか…。
    でも果物が翌年もまた実をつけるように、『檸檬Z&蜜柑Z』として復活して、きっとどこかでまた出会えることを切に祈ります。。

    狭い世界に沢山のキャラクターが様々に入り交じって、その伏線がどこでどう絡むのか、それが展開にどう影響するのか、七尾くんの不幸は何を呼ぶのか…、気になりすぎて一気に読み進められました。
    また一部のキャラのビジュアルが公開されているのも、感情移入出来て良かったです。

  • グラスホッパーから続けて読みました。
    2回目の読了です。

    やはり檸檬と蜜柑がかっこいい。
    時間制限と、ある種密室な空間。
    いろいろな登場人物と細かい伏線が散りばめられていて、ついつい読み進めてしまう。

    個人的にはグラスホッパーの登場人物たちの方が好きだったかな。
    このシリーズの続編をまた読みたい。

  • 知らずにグラスホッパーを読んでから読んだ。登場人物が再登場し、良い順番で読めた。危険な登場人物が多かったが、自分的には王子が最も危険に感じた。肉体的な力や銃などの武器に頼らず、人の心理を操り犯罪を犯すそのやり方は寒気がした。でも、最後は少しスカッとした感じがしてスッキリ読み終えれた。

  • 「グラスホッパー」に続く、殺し屋編の作品第二弾。「グラス~」同様に、会話のウイットさ、登場人物らの絶妙なやりとり、新幹線を舞台にしたように、ストーリーも高速な展開を見せ、分厚いながらも重厚感と軽妙さが混ざった面白さがあった。登場人物みんなのキャラクター性が発揮されていて、檸檬と蜜柑の存在感とキャラのスパイスがあり、王子の存在と彼らの行動が物語の鍵を握っている感じがあった。壮絶などろどろさ全開かと思ったが、事件解決とキャラの濃さと薄さの絶妙加減と後味の悪さを残さず幕を閉じた展開でストンとすっきりした感じ。

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マリアビートル (角川文庫)の作品紹介

酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。

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