存在しなかった男 警視庁捜査一課田楽心太の事件簿 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041009833

作品紹介・あらすじ

タイへのハネムーンの帰国便の機内から、夫の姿が忽然と消えた。妻が途方に暮れる中、東京湾で彼の遺体が発見される。しかしそのパスポートには出入国の印がなかった…。驚愕の展開に息を呑む密室ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 雑だな、というのが第一印象だった。
    警察の対応はありがちなものかもしれない。
    でも、空港の監視カメラのチェックさえしていれば・・・、結婚式をあげたという教会に問い合わせをしてさえいれば・・・、奈々の話が狂言ではないとすぐにわかったはずだ。
    あらたな犠牲者が出る前に何か打つべき手があったのでは?と思ってしまった。
    物語に描かれている警察の対応は現実的なものかもしれない。
    新婚旅行の途中から消えてしまった男。
    搭乗記録も、写真の一枚すら残さなかった男。
    その男の抱えていた深い闇が哀しい物語だった。
    帯に書かれていた「密室消失トリック」にひかれて読んでみたけれど、トリックの詳細が途中で透けてしまって残念だなという感じがした。
    「首挽村の殺人」や「死墓島の殺人」はもっと独特の雰囲気があったのに・・・。

  • シリーズ2作目。新婚旅行帰りに夫が行方不明に…。主人公からの視点が多く田楽刑事達の出番が少ないのがちょっと残念…犯人の境遇がこれから増えていきそうでとても辛いわあ…

  • 初読み作家さん。あらすじに興味を惹かれて。
    真相はわりと早い段階で気がつきますが、その背景と心理描写がなかなか印象的で後引く作品でした。

  • ミステリやサスペンスはあんまり読まないけどこれは読み易かった。本格ミステリや謎解きを期待する人にはお勧めしないけど、エンターテイメント性は十分だし、二時間ドラマくらいに簡潔にまとまってる所にも好感が持てる。
    確かに犯人予想は早い段階でついてしまうが、犯人の心情、動機、奈々に対する気持ちが後々語られていくのが興味深い。
    それに津嶋が働きざかりに母と祖母の介護をしなければならなくなり、身体的にも精神的にも金銭的にもすり減る気持ちはとてもよく分かる。同情もしてしまう。
    泣きそうになったのは母が脳梗塞の後遺症で若年認知症を患い、通帳がなくなったと身内の津嶋を疑う場面。
    津嶋が母親を殺す一歩手前までいった時、母が本来の母につと戻って、「いつでもいいよ(自分を殺すのは)」と、すまないと、方言で話すのだ。
    サスペンス以上の人間ドラマを見た気がして双方が苦しんでいるんだと思った。
    ただ、殺害動機が弱い気はする。いくらお金に困窮しようとも、介護疲れを経験しようとも日野原の侮辱や態度で殺害計画を綿密に準備するまで憎むだろうか?反対にカッとなって殺してしまった、ならあり得るかもしれないが。
    とりあえず奈々が前を向いて進めるようになるといいと思う。
    田楽とのロマンスも期待しなかった訳ではないが、奈々は当分、恋愛しそうにないようだ。残念。

  • あらすじに引かれて読みました。思った以上に面白かったです。犯人も含め、登場人物の心情がよく表れていたので読みやすい内容でした。

  • 空港でハネムーンの帰りに行方不明になった夫を探す妻の心情から始まり、謎が謎を呼ぶ中盤、読み終えた時には今の日本人がいずれ直面する問題も浮き彫りに。登場人物キャラクターにも魅かれてあっと言う間に読み終えました。

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著者プロフィール

1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。他の著作に『死墓島の殺人』『共謀』『存在しなかった男』『奇妙な遺産 村主准教授のミステリアスな講座』などがある。

「2016年 『梟首の遺宝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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