お台場アイランドベイビー (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 107
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010037

作品紹介・あらすじ

日本を壊滅寸前にした震災から4年後、刑事崩れのヤクザ巽は不思議な少年・丈太と出会う。彼の出生の謎、消える子供達、財宝伝説−−全ての答えが禁断の地お台場にあると知った二人は潜入を試みるが−−!?

感想・レビュー・書評

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  • 日本がほぼ壊滅的になった震災の4年後に元刑事の巽は不思議な少年、丈太に出会う。丈太はお台場をめぐる巨大な謎に関わっていた。

    自分の息子を守ることができなかった巽が丈太を命がけで守ろうとする姿は涙ものでした。 https://t.co/U5Yx0Ra3J5

  • 「月まで三キロ」を読み終えて、
    伊予原新さんの本をもっと読みたいと思っていたので、
    デビュー作のこの本を手に取りました。
    日本の近未来を描いたミステリー作品で、
    私はこれまで近未来ものにあまりリアリティを感じることができず、いまいち楽しみきれなかったのですが、
    この作品は、どことなくリアリティがあり、ボリューム感のある本ですが、するすると最後まで楽しませていただきました。
    情報や知識の裏取りがしっかりと丁寧になされているからだと感じます。
    他の作品も読むのが楽しみです。

  • 2022/4/19
    えええええ~寅ちゃん…
    それ以外はジェットコースターで分厚い本なのにするする読んだ。
    震災前に書かれた本で、関東大震災が来て日本が崩壊した設定になっている。
    震災前にその発想すごいよね。
    そして日本はもうちょっと持ちこたえたよ。
    今来たら危ないかもしれんけど。
    予言書のようでもある。
    でもこの本のようにならないように持ちこたえたい。

  • 伊予原新の旧作をさかのぼって読んでおこうと思い手に取った1冊。デビュー作とあってぎこちなさや荒っぽさも感じてしまうが。

    そうか、伊予原新の最初の作品は、アクションハードボイルド小説やってんなぁ、今の作風である理系知識展開系の芽も見受けられるが、主人公や主要登場人物のほとんどは、肉体系かチンピラか文系。唯一地震学者が今の作品に出てきそうなタイプ。

    大型地震で壊滅的な打撃を受けた東京臨海副都心を舞台に、経済的にも国際的地位を失いつつある日本と腐敗した政治、出生届を出せないまま無国籍となった在日外国人たちなどの問題を描いた小説なのだが、この作品が東日本大震災前に書かれていることに驚く…とはいえ、この作品の日本の方が現実よりまだマシな部分も多いことにため息もでるのだが。

    アナキストであれ、ファシストであれ、自己正当化を権力を使って誇示しだすと人間は劣化し、周囲は大いに迷惑をこうむる…。きっとプーチンもそうなんだろうねぇ。

  • 自分のなかにあるお台場のイメージを、小説に沿って頭のなかでダイナミックに書き換えながら読んだ。大災害のダメージで東京がダメになる大きな話と、登場人物のプライベートな話がどちらも濃いのだが、フィクションだとわかっていながらも、巽の過去に感情移入しすぎてときどき泣いてしまった。

  • 謎の設定が弱いのだけども、キャラが生き生きしていて序盤は引き込まれるように読んだ。
    が、中盤以降、ちょっと弛んでいる感じで辛い。
    また、ミステリ、謎の要素が少し薄く、知りたいという面では訴求力になっていない。
    2010年の時点で衰退した日本を想定して書いているのだけど、日本が先進国の地位から転落しているにもかかわらず、日本の国籍、パスポートが価値をもっていたり、未来の設定にザラツキを感じた。3等国になったらななったで、もっと徹底的に惨めな日本国を書いて欲しかった。
    ひとりの人間の中にもうひとつの人格を作るというアイデアはSFではよくあるもので、電子技術、バイオ科学などで説明できる設定を作ることが可能であったがそこまではしていない。ここに、自分が書く場合の可能性の余地があるなぁと思った。
    2010年の横溝正史ミステリ大賞なのだけども、選考者の意見の中では「悪人がいない」という意見が印象に残った。

  • 久しぶりのミステリー。
    さまざまな社会問題を取り扱っていて、なかなか読み応えがあった。

  • 震災ストリートチルドレンかぁ、大きな災害だとそんな子どもたちが出現するのかも。
    利用されるというようなことがないような世の中になって欲しい。

  • 読了日2013/11

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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