つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 912
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041010044

作品紹介・あらすじ

異人館が立ち並ぶ神戸北野坂の小さなカフェ「徒然珈琲」にはいつも、背を向け合って座る二人の男がいる。一方は元編集者の探偵で、一方は小説家だ。物語を創るように議論して事件を推理するシリーズ第1弾!

感想・レビュー・書評

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  • 帯にある「なんだ!この萌えるコンビ!!」という文章にまんまと乗せられ、シリーズ3冊買ってしまった。その一冊目。
    小説家の雨坂続と、幽霊が見える元編集者で今は探偵兼カフェのオーナー佐々波蓮司が幽霊に絡んだ謎を解明する話。解明というか、雨坂が事件のストーリーを作り上げて行く感じで一風変わったミステリーになっている。
    シリーズ一冊目だが、二人には追い求めている謎があるようで、今後の展開も大いに気になる仕上がり。
    で、萌えたかというと…うーん、まだまだこれからかな。でも、二人の関係性は嫌いじゃない。

  • 私は文庫本が好きなので、あくまで文庫に限った話になるが、昨今ミステリーを名乗る本が書店の平台にあふれている、と思う。それも、割とライトな雰囲気(たとえば日常系とか)で、謎解き役はまあありとあらゆる年齢や職業の方々で。まるで2時間サスペンスドラマのようでもある。あそこではかなり前から、家政婦さんだのなんだのが探偵役に取り組んでいた。

    で、この本の謎解きコンビは、作家と元編集者。帯にあるとおり「萌えるコンビ」であります。で、解く謎が「幽霊」ときたもんだ。これは、キャラ設定で読ませるタイプの作品だろう、と思ってしまったのは(自分的に)仕方がないと思う。

    でも。それだけじゃなかったんだなあ・・・

    いろいろ思うことはある。会話に時々イラッとするなあ、とか、登場人物の根っこがみんな似ているなあ、とか、伏線の主張が強いなあ、とか。

    でもね。なんていうか。タイトルにもあるように、心理描写、なのかな。現象や行動や時間の経過による結果の裏側にある、登場人物の気持ちとそれを汲み取る側の人物の気持ちが。

    とても繊細で、一生懸命で、やさしい。

    読んでいても、ほっこりはしない。ただ、読み終わった後、小さな傷みたいに、ずっと気になる。雨坂さんの書く小説を、読めるものなら読んでみたいなと思います。彼の「傷」、私もたぶんそれをマイナスとは思えない。

  • 探偵というよりも、本当に話を紡いでいる、という感じで推論していく体のミステリーものだった気がする。
    雨坂と佐々波の過去には一体何があったのだろうか。
    二人を結び付けるものは紫色の指先であり、それは恐らく『トロンプ・ルイユの指先』の題材なのだろう。
    佐々波には10年前何があったんだろう。それから紫色の指先と色々始まったのだろうけど。

    雨坂とノゾミの間に何があったのか。あの雨坂が傷を負ったんだから、余程のことがあったのだと思うが。

    最後は予想していた通り、ユキと奈々子の友情エンドだったけど、それを迎えるまでの過程が良かった。

    思えば、佐々波凄いよな。山から学校まで走るなんて(笑)

    4巻まで出てるみたいだから、図書館で借りれたら借りよう。

  • 恐らくこの物語の肝であろう会話が冗長でうっとうしい。設定も描写も女性好みのオシャレな雰囲気にしようという努力ばかりが見え透いてつらい。ライトミステリというジャンルがそもそも私には合わないのかもしれないが、早々にリタイアしてしまった。最後まで読めば良さがわかるのかもしれないが、しんどいものはしょうがない。

  • カフェ『徒然珈琲』には、二人の“探偵さん”がいる。元編集者佐々波さんと、天才的な作家の雨坂さん。彼らは物語を作るように推理していく。
    幽霊が出てきますけど、怖いのは全くないのでホラーではないです。この幽霊が出てくるためにリアル感がかなり薄れ、また二人が物語を作っていくように推理するので上滑り間が半端ないです。
    私には合いませんでしたが、好きな人は好きなんでしょうね。シリーズ結構出ているみたいですし。
    次は無いかな。

  • 短編かと思っていたら、全てが繋がっていたんですねぇ(^^;)なんだか凄く強引な推理だなぁ(--;)と思ったけれど、ストーリーテラーがハッピーエンドに導くためだと思えば、納得(^^)一冊目ではまだまだ謎の部分が多く、こんな感じの話です!という紹介本みたい(゜.゜)二冊目以降に期待!

  • 舞台のイメージは西村珈琲でしょうか。神戸の喫茶店から始まる物語です。
    ミステリっぽいファンタジーとでもいいますか、普通に幽霊も出てきますし、登場人物は基本的に善人、ほんわかにちょっとしんみりが入る、所謂「良い話」。ところどころに現実的な笑い(編集者ってすごい)が出てきて、その時だけ夢の世界から漫才の世界に突き落とされるような感覚になります。素直でまっすぐな10代に「そのまま大人になれると良いけどねぇ」と心配半分、やっかみ半分で呟いてしまう大人には少々眩しい世界です。
    この作品の前によんだのが「目白台~」で、伏線の回収やら本当の解決やらが見られなかったり、怪奇現象(?)が出てきたりと、共通項が多い作品を立て続けに読むことになりました。こういうシリーズの進め方はティーン向け小説みたいで懐かしさを覚えます。

  • 思った以上に全シリーズと雰囲気が同じで戸惑っている。
    主要人物が、どんな職業でも年齢でも経歴でも、同じように感じる。口調、考え方、会話の進め方あたりが似通っているために起きている違和感だと思う。
    大人っぽくない大人ならば大人で書かなければいいのに。

  • 良くわからない・・・感性が古い?
    小説執筆手法で推理する!
    面白そうだと思ったのですが、作者力量不足
    なのか、読者レベルが低いかのいずれかだな

  • 「本を探す幽霊の誤謬」
    見つけて欲しくない。
    とても大切な友人だったからこそ、嘘に気付かれたくなくて綺麗な二人の物語のままでいたかったのかもな。

    「迷子のリドル」
    生写しのような存在。
    一緒に逝くはずが途中で逸れてしまったからこそ、間違えた姿で成長し抱かれる日を待ち望んでたのかもな。

    「心理描写が足りてない」
    一人の人物を語って。
    足りないピースを集めてまわって、ようやく手に入れた情報は大きなものであるが理解できるかは別だよな。

    「リリカルファイア」
    解釈を間違えず進む。
    全ての伏線を回収し終盤に向かう時、本来語られるべき心情を間違えて受け取るだけで話は一気に変わるな。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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