- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041010082
作品紹介・あらすじ
川端康成、太宰治、新田次郎、尾崎一雄、山下清、井伏鱒二、夏目漱石、永井荷風、岡本かの子、若山牧水、森見登美彦など、古今の作家が秀麗富士を描いた小説、紀行、評論を一堂に集めました。
感想・レビュー・書評
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R3/11/18
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文学
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いつの世も人々を魅了する日本一の山、富士。私は新幹線の窓からの一瞬しか見たことがないのだけれど、なぜだかやっぱりその瞬間は嬉しくなる。こりゃ良いもの見れたわ、ラッキー!なんてね。しかし近代の文学者たちは富士山を前にしたときに、素直に「わー綺麗」と言わないものらしい。面映ゆくて、眩しくて、照れくさくて、直視できないのだと千野帽子さんはあとがきで書いている。なるほど「富嶽百景 太宰治」には正にそんな感情が見え隠れしていた。そんな風に思いながらそれぞれの「富士山」を読んでみると作家さんたちの性格のようなものがうっすらと富士山に透けてみえるようでなかなか面白い。いろいろな「富士山」を味わうことができたなかでも「天と富士山」での赤瀬川原平の富士山への面映ゆさ、眩しさ、憧れのようなものが私には一番だったかも。『富士山を二番目などにしてはいけないのである。』うん、その通り!
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懐かしい「富嶽百景」や「三四郎」をふむふむ読んで、森見登美彦読んで関西の人は富士山に対してクールなのかなあ、やっぱり千野帽子のセレクトはどこか乙女だなあ、などと思いながら読んでいたのだけれど、ラストの新田次郎がやたら強烈。
やっぱり、ひょこひょこ登っていい山ではありません、富士山。