つれづれ、北野坂探偵舎 著者には書けない物語 (角川文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2013年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041011232
感想・レビュー・書評
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読書録「つれづれ、北野坂探偵舎著者には書
けない物語」3
著者 河野裕
出版 角川文庫
p38より引用
“ 雨坂続ー小説家は現実の情報を「設定」
として、物語を創る。推理ではない。あくま
で物語だ。だから、突飛な内容でも平然と語
る。
佐々波蓮司ー編集者は物語の矛盾点を指摘
する。ストーリーが自然なものではなかった
なら、あるいは現実と僅かでも齟齬があった
なら、詳細にそれをつつく。
小説家が創り、編集者が崩す。崩れたらま
た創り直す。こうして二人は真実ににじり寄
る。”
目次より抜粋引用
“バッド・クォートに憑く幽霊
TO MY SISTER
アナグラム・プログラム
著者には書けない物語”
小説家と元編集者でカフェオーナーの探偵
所長を主人公とした、長編ミステリ小説。
シリーズ第二弾。
大学に入学し、サークルの勧誘に追いかけ
られている、小暮井ユキ。そんな彼女に勧誘
を躱すコツを教えてくれた女性は、劇団員を
しており…。
上記の引用は、小暮井ユキから持ち込まれ
た依頼について話し合っている、主人公二人
のスタイルについて。
自分の行動を修正してくれる、信頼できる相
手がいれば、全力で物事を前に進められそう
ですね。
二人の過去が少し明らかになる巻、今後の
物語の展開を楽しむために、重要な部分では
ないでしょうか。
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前作と違って複数の事件の積み重ねではなく、彼らの過去に関わる大学でバラバラな脚本を正しく並べ一つシーンを加えるという依頼の長編になっていました。分割された脚本が手元にあるわけではないので、読むだけで自分の頭で前後関係を考えながらつなげて理解するのはなかなか骨が折れましたが、クライマックスの舞台上の緊迫したシーンはとても楽しめました。二人の過去や少女の正体などかなり明らかになっているのですが、ラストシーンを読むとまだまだこれからの気がします。登場人物達の作る独特の雰囲気が好きなので続きも楽しみです。
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前作のことは殆んど覚えていなかった。雨坂と佐々波のやり取りとか枝葉の部分は楽しめたけれど、本筋とか深い部分はよくわからなかった。お芝居の話はすきだけれど、そういう部分もあまり入り込めなかった。終盤のお芝居が希望に転換する部分はすっきり出来て良かった。読んでいて視点が迷子になったり、幽霊のレイニーが見えている人といない人の把握がおろそかになってしまったり、「彼」や「彼女」が誰を表しているのか咄嗟にすんなりとはわからなかったりした辺り、文章はさらさらと読めるのに難しかった。
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シリーズ二冊目。
主人公らしき立ち位置の少女が大学生になってた。出しゃばられると結構ジャマそうな存在を上手に使っているなぁという印象。でもやっぱりパスティーシュさんがイイ。
ようやく主要人物の人物像と過去が明らかにされ、さあ次の巻で本格的に動き出すのか?という所。
それにしても雨坂先生は結構メンドクサイファンが多いんだな… まあ本人もそんな感じだから類は友を呼んでいるのか?
脚本家は京都で芝居を書いているのだろうか、と期待させる終わり方。それにしても誰もコテコテの関西弁を使わないので地名が出てこないと関西が舞台という気がしない作品だな、このシリーズ。 -
今回の幽霊はレイニー
ノゾミも登場し、11年前の事件の一部が明らかに。 -
探偵舎だけれど、あまり探偵な感じはない。
2016/8/23 -
【収録作品】バッド・クォートに憑く幽霊/TO MY SISTER/アナグラム・プロぐむ/著者には書けない物語
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天才小説家と、幽霊が見えるという元編集者が謎解きをする素人探偵シリーズの第二弾。流行りのキャラクター重視かと思いきやそこまで極端に誇張されておらず、かと言ってミステリーと呼ぶにはロジカルでもなく、輪郭がはっきりつかめないのに何故か続きが気になるシリーズです。
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二人の過去が前回よりもさらに深く見えてくる…