ジェノサイド 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.18
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本棚登録 : 8638
感想 : 558
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011263

作品紹介・あらすじ

イラクで戦うアメリカ人傭兵と日本で薬学を専攻する大学院生。二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。一気読み必至の超弩級エンタメ!

感想・レビュー・書評

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  •  2012年本屋大賞の大賞受賞作は、三浦しをんさんの『舟を編む』でしたが、本作はそれに次ぐ2位でした。今更ながら、もっと早く読めばよかったと後悔するほどの面白さ(まだ上巻ですが)です。
     まるで映画を観ているような展開、場面切り替えやテンポのよさが絶妙で、物語へ引き込む力が凄いと感じました。

     民間軍事会社のアメリカ人傭兵・イエーガーと薬学部大学院生・研人。物語は、全く接点のない2人の状況が交互に描かれ展開していきます。
     細かな伏線が張られ、2人がどう関係してくるのか、謎や疑問がどう回収されるのか、期待と興味が読み進めるほど増していきます。
     
     本作のキーワード「ハイズマン・レポート」が物語の中軸をなし、2人の運命が少しずつ交錯していきます。
     学者・ハイズマンがかつてアメリカ政府に提案した、人類滅亡の要因と対策に関する報告書は、<#1 宇宙規模の災害><#2 地球規模の環境変動><#3 核戦争><#4 疫病:ウイルスの脅威及び生物兵器><#5 人類の進化>という設定です。
     本作は10年以上前の作品で、上記#5に焦点を当てた形の展開ですが、最近のロシアや北朝鮮の動向は#3、コロナ禍は#4と、現実的に起こるリアリティに、驚きと共に考えさせられます。

     ワクワク・ドキドキが止まず、こうしてレビューを書く時間も惜しいほど、早く先を読みたいというはやる気持ちを抑えられません。この後どうなるの? 下巻に期待!

  • もーね!凄い!
    続きが読みたくて堪らない!
    素晴らしい!

  • 初めての高野和明さん作品。
    これはすごい!名作!どんどん引き込まれる!

    主に米国傭兵:イェーガーと普通の日本人大学院生:研人の視点で話は進むが、フィクションとは思えない緊迫感にドキドキしながら読み進めた。
    研人が訳も分からず追い詰められながらも突き進むように、不明瞭さを抱えながらも先の展開が気になってページをめくり続けてしまう。

    下巻に繋がる終盤には、ホワイトハウスの政治家や研究者の動きも活発化して驚愕の事実が明らかになる!!!
    更に盛り上がる予感しかしないまま、すぐに下巻を手に取った。

    • yyさん
      satoko さん

      こんにちは。

      これ、ほ~んとに面白いですよね。
      satokoさんの本棚に上がっているのを見ただけで
      なん...
      satoko さん

      こんにちは。

      これ、ほ~んとに面白いですよね。
      satokoさんの本棚に上がっているのを見ただけで
      なんか、わくわくしました。

      図書館で借りたので手元にないのだけど
      これから下巻、いいなぁ と思い、ついコメントしちゃいました。
      おじゃましましたぁ ☆彡
      2022/03/16
    • satokoさん
      yyさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます♪

      そうなんです!この作品面白すぎますね。
      久々にワクワクしながら読んでしまいました...
      yyさん

      こんにちは。
      コメントありがとうございます♪

      そうなんです!この作品面白すぎますね。
      久々にワクワクしながら読んでしまいました。下巻もじっくり味わって感想書きたいと思います^ ^
      2022/03/16
  • 後半まで果たして読み切ることは出来るのか?
    いや、やってやろうじゃないか!!

    冒頭からカタカナの登場人物の朝が綴られた瞬間、「あ、これ、もしかして海外SFミステリ仕立て?」と少し落胆しつつも読み進めると、日本へと舞台は変わり、「あれ?」と次第に疑問が湧いてくる。

    そうです、私が変なおじ………ん、うん(咳払い)

    そうです。本作『ジェノサイド』は複数の場所で同時進行する特殊かつリアルなSFであり、理系やミリタリーヲタクなら大興奮するような展開です。詳しくは書けませんが、とある人物とモノを探して世界が動き、第一部から第二部では急展開していき、読み手は混乱と緊張と興奮を少々といった具合で、下巻を早く読み進めたくなる所で上巻は終わります。

    しかぁ〜〜し!!

    下巻も分厚いやんけぇ〜〜〜!!

    ってことで、冒頭に書きました通り、後半まで果たして読み切ることは出来るのか?
    乞うご期待♪(笑)

  • こらあああ!何だこれはああ!
    面白すぎるだろ、ジェノサイド!

    まじで5分の隙間を見つけては読んだ。
    スピード感がずっと落ちない。まだ上巻なのに、下巻かと思わせるほどにノッている。
    視点が変わっても退屈させる暇を与えない。
    繰り返す!スピード感!!

    よく「ハリウッド映画みたい」という感想を目にするけど、理由がわかった。
    遺伝子変異、新人類、暗号解読と登場する単語のスケールがでかくてワクワクを唆る。
    専門的になりすぎず、かといって読者を信頼させるに足る情報量。
    全く無関係だった、遠く離れた国にいる人達が繋がり始めた時に感じるゾクゾク感。
    全てが楽しい!夢中でページを繰る楽しさを感じさせてくれる本。

    しかしテーマが重くて、人間が引き起こすジェノサイド(大量殺戮)の愚かさに頭を抱えたくなる場面も。最近読んだ「虐殺器官」にかなり通じるところがあった。
    この本に書かれていることがもし現実に起こってしまったら、やっぱり人間は滅びるしか道はなさそうだ。

    ここから下巻に向けてつまらなくなるはずがない!そのまま突入ーー!


    ちょっとしか出てこないけど、天才韓国人留学生のジョンフンが好きすぎる。メインキャラの研人より好き。

  • 続きが気になるー!

    異なる人物の物語が交差する。人類の進化はどう解釈され、どんな道を歩むことになるのだろうか。
    父の遺言、子供の命。何かとてつもなく大きな渦に引き込まれて行く主人公たち。

    以下、ネタバレ有り。(備忘録)

    国家に逆らう彼らには、どんな結末が待っているのだろうか。真実に近づきつつあった父を病で亡くした研人は、父の遺言に残されたメッセージに、ただならぬ意味が含まれており、世界にいる10万人の子供たちを救うことが出来る手掛かりを見出す。得体の知れない何者かが、研人に逃げるように警告を発し、なぜか警察に追われる身に。
    元グリーンベレーのイエーガーは、極秘任務に就き、ウイルスを保有するアフリカのある民族と、そこに滞在する学者の暗殺を命令される。同時に未知の生命体のことを知らされ、見つけた際には即時に殺し、持ち帰ることを任務とされた。ウイルスから世界を救うという大義名分の下、イエーガーは4人の仲間とジャングルに踏み込む。目的地に着いた彼らは、政府の思惑を知ることになる。自分達は作戦後には消されることになっており、ウイルスは存在せず、目的は未知の生命体であった。
    それは人類の進化系である可能性があり、現人類の知能を凌駕する生命体であった。彼らは真実を知り、学者と新人類らしき生き物と共にアフリカを脱出し、日本を目指す。イエーガー達が目指すのは研人の父が、息子に託した希望だ。

    読了。下巻へ。

  • こんな面白い長編エンタメがあったとは。
    立ち上がりは???だったところが徐々に繋がっていってそれが緊張に変わって読むのがとまらなくなる。

    誰が味方か敵かがまだまだわからないけれど予想は外されそう(^^;

    下巻も早く買わねば。

    • あやたろさん
      下巻も面白いですよ!
      下巻も面白いですよ!
      2023/11/19
    • ひろさん
      マメムさん、ありがとうございます!楽しみます!
      マメムさん、ありがとうございます!楽しみます!
      2023/11/19
    • ひろさん
      あやたろさん、もちろん下巻も読破して楽しみたいです♪ありがとうございます!
      あやたろさん、もちろん下巻も読破して楽しみたいです♪ありがとうございます!
      2023/11/19
  • アフリカで発見されたある事実によって、アメリカ政府が動き出した。
    アフリカに送り出された部隊と、日本で普通に生活していた大学院生という、全く接点がない2つの視点を基本に物語が進んでいく。
    初めは日本での大学院生が遭遇する出来事がどういう風に物語にリンクしているのか分からなかったけれど、上巻最後でそれまでの出来事の繋がりが明らかになった。
    下巻はよりスリリングな展開になるんだろうなと思うと早く続きが読みたくなる。

    語られる話は医学科学などの専門用語が多々あるが、それほど混乱することなく要点は理解できる。
    あと、人間の暴力性や残虐性についてを濁さず書いていて考えさせられた。

    キャラクターでは、韓国人学生の李正勲が好きなので下巻で活躍を期待したい。
    どうやってこれからを乗り切るのか、最後はどんな風に終わるのか、想像できないので続きが楽しみ!

  • 自分と「戦争」の距離が最も近づいたこの数ヶ月。流れるニュース映像を自分事として捉えようとすればするほどもどかしくなる。

    「数十万人を殺すことになると分かっていながら戦争を指示する一国の指導者は、その残虐性において普通の人間なのだろうか。それとも、やはり彼らは異常な人間で、人並み外れた攻撃性を社交的な微笑の後ろに隠し持っているのだろうか。」

    読み物としては面白い。下巻で結末を確かめよう。

  • 海外ドラマのような壮大な舞台で展開される物語、ミステリー要素もあるがエンターテイメント作品。文章が読みやすく、展開も工夫されていて、一気に読めます。

    人は傷つけちゃいけないよ。という当たり前のことは分かっているのに、なぜ人間たちはジェノサイド(大量殺戮)を起こしてしまうのか。
    この世に生まれた人間、人類ならば、一度は読んで考える必要がある作品。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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