本日は大安なり (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011829

感想・レビュー・書評

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  • 少し前に読んだフォローしている方のレビューに惹かれて買ってきた。台風が通過する日に読み進む。
    11月22日、大安。高級結婚式場で結婚式を挙げる4組のお話が時間の経過に従って入り組んで描かれる。

    我儘で面倒くさい且つかつて自分とも因縁のある新婦の式をつつがなく終わらせようとするウェディングプランナー・山井さんのパートはとても良かった。
    プランナーの仕事の内容ややりがいもよく分かり、これぞプロという仕事に対する姿勢と運びが素晴らしい。
    『楽しいよね。トラブルが起きると。大変だけど、私、アドレナリン全開になる瞬間がわかって興奮する』という美容室のオーナーの言葉も言い得て妙。

    あとの3組は、何やら企みを胸に秘めた双子の姉妹、叔母と結婚する男の別の姿を知って悩む男の子、夕方の式なのに朝早くから会場をうろつく訳ありそうな新郎など、ちょっと怪しげな雰囲気の話から語りだされ先が気になりサクサクと読み進めたが、ネタが割れ出してからはテンポが良くなくてちょっとダレる。
    最後はうまいことまとめられたようにも見えたが、結局、双子はややこし過ぎるし、訳あり新郎はクズ過ぎるし、あまりスッキリしなかった。

  • ブクログで辻村深月のおすすめ本として紹介されていたので、読んでみた。
    あらすじだけ見ると、ウェディングプランナー目線の物語かと思いきや、11月22日の大安の日に同じ会場で結婚式を挙げる関係者の目線から描くグランドホテル形式。
    同じようなタイトルの原田マハの「本日はお日柄もよく」とつい比較してしまい、何ともバタバタした感じと、イヤミスにミスリードしていく手法があまり好きではなかった。
    この作品自体は2011年の発売で、2012年にはNHKでドラマ化もされているらしいが、まだ直木賞を受賞前の作品と言うことで、これまで読んで来た辻村作品とはまた違った印象。
    登場人物が全員マイナスな面を持っているところは、この作者さんならでは…なのかなぁ。

  • 読んだこと忘れてての再読。
    「僕のメジャースプーン」にいたく感動し、
    「子どもたちは夜と遊ぶ」を何とか読み終え、
    しばらく重たい気持ちを引きずって、
    でも恭司と孤塚が出てくると知った本作を読みたいと思ってのことであった。

    妃美佳と鞠香の話については
    一人称の丁寧語での語り口調ということで
    また湊かなえみたいだなと思ってしまったが、

    うーん、
    面白いっちゃ面白いけど、
    やっぱり辻村さんの傑作を知っているからには、
    本作は大したことないと思ってしまって
    ごめんなさい。

  • とても読みやすい作品。視点の移り変わりを違和感なく受け入れられて、どう収まりをつけるのかと思うところも全て回収して、最後までずっと楽しませてくれる、辻村深月さんの作品はやっぱり好き。

  • 5人のモノローグで語られる4組の結婚狂想曲。タイトルから受けるイメージと大違いの、不穏でスリリングな展開にグイグイ引き込まれた。例によって過去作から懐かしい“ゲスト”が2人、重要な役割で登場してきたのもうれしい。ただ、終盤ちょっと間延びして爽快感は弱い。最低男の鈴木陸雄、もっと懲らしめてほしかった…。良くも悪くも辻村さんらしい優しい締め方の恋愛ミステリー、というよりお仕事小説だった。

  • 全てのことがうまく行く大安に行われる4組の結婚式を4人の登場人物の目線で時系列に沿って描かれる

    加賀山家は双子の葛藤を描く
    同一性を求めながら、差異も求めるという両価性は、双子だけでなく誰しも当てはまるのでは?
    火事があったことで、やり直しの結婚式ができ、本当の花嫁が結婚式を挙げられるようになってよかった。

    ウェディングプランナー山井は、自らの結婚を破談に追い込んだ浮気相手の担当になった。それでも心から祝福できる山井のプロ根性には頭が上がらない。そして火事が起こった時の上司への対応も勇ましく、素敵!!

    真空ちゃんは、健気で可愛いですね。叔母を守るために、結婚式阻止計画を自分なりに進めるけど、式は進んでいってしまう。
    結局東さんは毒ではなく指輪をプレゼントしようとしており、ホッとした。

    鈴木は今まで人生なんだかんだ上手く行ってきて、責任転嫁する癖がついてしまっていた。
    自分の浮気が原因で、運命の相手 貴和子から別れを告げられそうになり、初めて責任から逃れられなくなり、改心した。最終的には貴和子と幸せに暮らせてよかった。

    確かに辻村さんらしい人間の嫌な部分を描いてるけど、他の本に比べページの進みが遅かった。
    続きがどうなるんだっ!っていういつものハラハラ感が少ない?

  • 各々、事情があるんだねー!。
    プランナーさんも大変だ。
    結婚したカップルが離婚しないことを祈るばかりです。

  • プランナーの仕事をしてたから、興味をもって読む。けど、こんなことないない!て事が多い。笑
    それでも最後まで小説としては悪くなかったです!

  • 「いつも言ってるだろう。価値観っていうのは、
    植えつけるものだ」
    11月のハイシーズン、しかも11月22日“いい夫婦”の日の大安吉日
    成功しないことはないとされる最高にめでたい日、
    1つのホテルで行われる4組8人の結婚式は、新婦と双子の姉のたくらみ、ウェディングプランナーの
    復讐、リアル白雪姫、そしてゲス野郎…さまざまな
    思惑が渦巻く

    ドタバタではじまるけど、はやいうちにオチが読めてしまい、その通りのエンディングで……
    実際こんなことあったらゾッとするけど
    大安吉日だから、イイっか

  • 結婚式を迎える夫婦の恋愛小説であり、プランナーのお仕事小説であり、色んな思惑が渦巻くミステリーであり。
    大安の1日にそんな盛り込まれるかというくらい事件や偶然が起き続けます。

    個人的には双子の話が良かったですね。女性の内側をここまでエグく、めんどくさくかけるのは辻村さんならではでないでしょうか。ため息がでます。

    ドラマ化もされており、チラッとだけ見たことあったのですが、そちらはドタバタ劇になっていたような。キャストを見てから読むとまた味わい深いですね。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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