本日は大安なり (角川文庫)

  • 2555人登録
  • 3.94評価
    • (217)
    • (401)
    • (201)
    • (28)
    • (4)
  • 296レビュー
著者 : 辻村深月
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011829

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

本日は大安なり (角川文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 高級結婚式場アールマティ。ある大安のめでたいよき日に行われる4組の結婚式。だけど一見幸せに満ちているはずの晴れの舞台に、様々な企みが見え隠れする。双子姉妹の複雑な愛憎、若い叔母の新郎に疑惑の目を向ける小学生、クレーマー新婦に翻弄されるプランナー、ある秘密を言えずに当日を迎えることとなった新郎。4組のウエディングの現在進行形の出来事に過去のエピソードもうまく絡められ、度肝抜かれる地雷のような仕掛けもあちこちに施されていて、「!?」の連続である。
    いくつもの種明かしには結構ドキドキさせられたが、それでも華やかな舞台の描写は、やはり読んでいてワクワクする。独特の高揚感が花嫁を美しく感じさせる。トラブルはつきものだけど、読む側も非日常な空間に連れていかれるからか、ある程度のトラブルではビビらなくなっている。とはいっても!その予想を裏切るかのような展開は、驚きだけじゃなく、泣きのサプライズもあり。プランナーの多香子の、仕事に懸ける情熱が素敵だ。携わっている仕事は自分とは違うといえど、対お客様という点で共通する部分はある。
    「すっごく気に食わない相手が来たらどうするの?この人の幸せなんて死んでも祈りたくないって相手。それでもやっぱり魔法かけてきれいにつつがなく仕上げてあげるの?」
    美容室オーナーと多香子との会話。自分の度量を試されるような質問だと思う。この言葉が後半で実感を伴って再び思い出される。自分ならどうだろう?と思う。何にせよ、クライマックスでの多香子の振る舞いには胸を打たれた。自分もそうありたいと思った。
    スリリングな一日にはハラハラされまくり、どのウエディングも印象的ではあったが、個人的に好きなのは双子姉妹。辻村さん、女のドロドロした心理を描くのが本当にうまい。新郎の映一には、痺れます!ひとつひとつのセリフがかっこよすぎる。
    果たして収拾は付くのか最後まで気が気じゃなかったけど、後日談的な「大安の後日」を読んで心が温まりました。他力本願的なクズ男には心底辟易したけど、誰に感情移入するかで見る目は変わるのかな~。私としてはまあ、この展開に納得です。
    既婚の方は間違いなく、自分の経験と重ねて読んでしまうのでは。登場人物ほどではなくても、自分もそれなりにマリッジブルーは経験したし、式当日もバタバタしたし、その後も勿論波乱万丈ではあるけれど(^_^;)…あの日を懐かしく思い出せました。
    彼らの未来に幸あらんことを!と祈りたくなる、ハッピーに満ちた一冊。

  • 結婚って素敵だな、と。結婚した彼女らが幸せになって欲しいな、と。そう思い優しい読後感だった。
    私は挙式に憧れがあったのにその負担と見比べて入籍のみにした。結婚して幸せだと思ってはいるけどしてたら…を考えてしまう日もある。結婚式は沢山の手間と時間とお金がかかるけど、それがもたらすエネルギーってすごい。そしてそれを一緒につくるプランナーも。
    時間を追い主人公が変わる形式は上手い人がやらない限りめんどくさく、私としては辟易もしたのだけれど、それでもあたたかい気持ちになれよかったなと思える一冊だった。

  • 11月22日、大安の日曜日。とある結婚式場の1日、様々なカップルと出席者たちを時系列で追う。
    主人公のウェディングプランナーを軸とした「お仕事小説」かと思いつつ読んでいたら、途中から徐々に不穏な空気が……。
    それぞれの新郎新婦と周囲の人のストーリーが、「そう来るか!」という意外性できちんと描かれていた。すべてに納得して祝福できる結末まで、短時間で一気に読んでしまった。文句なしに面白い!

  • 単純思考なわたしはこの1冊の中で何回だまされたことか。

    そのだまされた感が絶妙にすてき。
    でもちょっとくやしい。

    「勘弁してよ」

  • 4つの結婚式がそれぞれ話のテイストが違ってて面白かった!それぞれ全部の結末が気になりすぎて、一日で読んでしまった✩
    双子の姉妹の話が、少し狂気じみてていい意味で恐くて良かったなぁ。

    1年前の自分の結婚式を思い出しました(ノ´∀`*)

  • 何やら企んでいる双子姉妹。
    叔母の結婚に複雑な思いを抱える小学生男子。
    クレーマー新婦に振り回されるプランナー。
    何やら秘密を抱えたまま結婚式当日を迎えた新郎。

    と4組のカップルのお話が時系列に沿って、順に語られます。私はやっぱり屈折した双子と、その新郎映一さんが好きですね~。

    大好きな叔母の結婚に心を痛める真空君も可愛いし、
    クレーマー新婦も鬱陶しいんだけど、最後まで読むとまた違った感情を得られるんです。

    なにせ「大安」ですし、この物語はハッピーエンドです。でも、でも、陸雄だけはハッピーエンドになるのが許せない!!辻村さん優しすぎる~。
    読んでてこいつにだけはムカムカしっぱなしでした。

  • 読後すっきり!いや、もやもやさせる人物もいるんだけど笑

    ふんふん、と読んでいて、双子のところでちょっと、ん?・・・はっ!そうだった!これは辻村作品だった!と気付き、

    楽しくなって読んでたら出てきたのが

    「孤塚」

    ・・・!!!孤塚!!!!!
    全然知らなかったからすごく嬉しくて、なんか心の中で
    やだ〜!久しぶり〜!元気にしてた?今何してんの?!みたいな気持ちに・・・

    と思ったら実は恭二まで出てきてて!
    「いろいろあって子ども好きになったよ」っていうのも、ぼくのメジャースプーンの話ですよね!って、すごく嬉しくなって
    そこからただひたすらワクワクするのみ、だった。
    月子とも仲良いようでよかった。

    で、肝心の作品は、なんだかんだで玲奈のサプライズのところで不覚にも(不覚にも、と言いたくなる)泣いた・・・

    陸雄は正直ハァ?だけど・・・あすか生きてるかな・・・
    全部、他の小説でまた出てきてほしいなっていう登場人物でした。
    真空くんは絶対出てくると信じてる。

  • 結婚式のドタバタアクシデントものかと思って読んでみたら、さすがは辻村深月。えっ、どういうこと!?となる展開が満載で、一気に読んでしまった。
    大安の日に同じホテルで結婚式をあげる4組のカップル。それぞれが幸せな結婚をするように見えるが、実は問題を抱えている。
    新郎がきちんと双子の姉と区別して自分のことが好きなのか試そうとする新婦。周囲に結婚を反対されていた伯母の結婚を阻止するためがんばる甥っ子。わがままな新婦に翻弄されるウェデイングプランナー。浮気のつもりがいつのまにか結婚式をあげるところまできてしまったダメ男。それぞれの人間模様が結婚式を通じて描かれる。
    どうなるかわからない展開にハラハラするが、読み終わると心が満たされる一冊だ。

  • ある高級結婚式場で同じ日に式を挙げる4組のカップルのパニックストーリー。

    わがままでクレーマー体質の女の結婚式は、それを担当するウェディングプランナーが語り手となる。どうしても好きになれない客の晴れの日を祝うプロ意識と、その客との触れ合いによる心境の変化、成長が印象的。

    一卵性双生児の美人姉妹の結婚式には、ある企みが。同じ顔の別人がいるからこそ感じる嫉妬や自己肯定を求める想いが表現されている。ヒト、とりわけ女性の少し醜い部分が見えて、素直な気持ちにさせられる。

    大好きな叔母の結婚式を語るのは、小学生の男の子。結婚式前に新郎が別の女性としていた内緒話を聞いてしまい、叔母を守るために結婚式の中止を企てる。この話に出てくる参列客の男性とその友人が非常に格好いい。やけにキャラ立ちしているなと調べてみたら、辻村さんの別の作品にも出ている登場人物だとのこと。

    イブニングウェディングの前になぜか朝から会場入りする怪しい新郎も。実は彼、既婚者。自分が結婚していることを言い出せずに、不倫相手との結婚が決まり、式当日を迎えてしまう。なんでこうなってしまったんだ、なんで誰も止めてくれないんだと、彼はとにかく他力本願。この話だけは、新郎が情けなすぎて失笑。

    一篇一篇切り離された短編集というあつらえではなく、総勢5人の語り手が入れ代わり立ち代わりストーリーを紡いでいくのが、小気味よいテンポを生み出している。それぞれが思惑を抱え、事件が起き、ハラハラする展開ながらも、最後にはタイトルの印象そのままにほっこり幸せになれる作品。

  • この作家の中では一番好きな作品。

    辻村さんは、【人の死なないちょっとミステリー】を描くのが上手い。
    老若男女問わず楽しめるのでは、と思います。

    どんでん返しあり、感動あり。
    安心してオススメ出来ます。

全296件中 1 - 10件を表示

本日は大安なり (角川文庫)に関連するまとめ

本日は大安なり (角川文庫)を本棚に登録しているひと

本日は大安なり (角川文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

本日は大安なり (角川文庫)の作品紹介

企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。

本日は大安なり (角川文庫)のKindle版

本日は大安なり (角川文庫)の単行本

ツイートする