弔い花 長い腕 III (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 296
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012734

作品紹介・あらすじ

町の有力者の娘が殺害され近江敬次郎の罠を疑う当主は汐路に調査を依頼する。長い時を超えて張り巡らされた呪いがついに早瀬の町を焼き尽くすのか?! 全ての謎が鮮やかに解かれる怒濤の書き下ろし完結編!

感想・レビュー・書評

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  • 三部作、悪い意味で長かった。
    この内容ならばせめて二部作で終えられたのではないだろうか。
    過去から続く因習などは興味深いものの妙なところであっさりまとめられていてドロドロとした感情が今ひとつ伝わってこない。主人公の存在感も希薄で感情移入ができない。

  • 2022.03.20

    石丸の正体が気になって、つい第三部まで読み進めてしまったけど、二部と比べて読みやすく、整理されていたと思う。
    けど前作まではあったスリルもまったくなく、スピード感も失速したままで、ただ惰性で読んでしまったという感じ。
    登場人物たちも、初期にはあった熱が無いというか、あっさりしすぎているような?
    最後まで読み終えてもいまいちピンとこず…。なんかスッキリしなかった。ふーんで終わってしまった。さすがに第三部までは長かった。二部で完結してて欲しかった。やーっと読み終わったー!という感じ。もはや義務。
    「長い腕」が結局一番面白く読めました。
    二部も三部もやはり付け足し感は否めない。

  • 長い腕三部作のラスト。流石、横溝正史ミステリ大賞を受賞した作品のシリーズラストだけあって、禍々しい因襲が現代にまで影響を与えるとは。

  • 読み応えのある作品
    Iの長い腕は中々話に入っていけなかったが、呪い歌から壮大な相関図に引き込まれた。弔い花を読み終え切なさも感じつつ、汐路がリアルな女性として存在。
    作者はこの三部作、どの時点で構想を練ったのだろうか。圧巻

  • シリーズ総決算な内容だった。1作目から本作まで、取り上げるモチーフは変わっても「歪み」が描かれ続け、その結末までもが、このシリーズらしい終わり方だった。最後まで読みごたえのある作品。

  • 近江敬二郎が仕掛けた呪いが、現代で出版物として世に知れ渡り、SNSで炎上するとは、仕掛けた近江敬二郎もあの世で驚いてるんではないでしょうか。
    そんな隔世の感を禁じ得ない世になっても生き続ける近江敬二郎の技術と怨念。二作目では影を潜めた感じがありましたが、最終作にして身体の芯から冷えるような恐ろしさを再度味わえて大変満足いたしました。

  • 前回は勝パートが主だった内容に思えたが、今回は過去、現在共にバランス良く後に繋がるという面白さもあった。 愚連隊退治は自警団と絡める為? ちょっと長かったかな。 完結のようだがまだ読みたい、スピンオフ的な物でも出して頂きたい。

  • 長い腕三部作これでやっと完結。
    これはまとめて読まないと駄目ですね・・・。
    こう年月があき過ぎると覚えてないし(笑)

    で、内容ですが、相変わらずよく出来てます。
    ただ2作目も含め1作目の面白さには届かないのが
    残念なところ。
    今回更に残念なのは、登場人物全てに元気がナイ。
    主人公始め、鍵を握る人達に生気がなく、
    たんたんと物語が進み終わっていく。
    あっさりしすぎじゃあるまいか・・・???

    しかしまぁ全ての謎をきれいに解明した
    終らせ方は無理もなくよかったかなぁと思います。

    この巻だけだとなんとなく3つぐらいかなぁと
    思いましたが、3部作トータル的に考えると星4つの
    作品です。
    面白かったです。

  • 長い腕シリーズ完結編。
    敬次郎の一生とか、石丸さんとか、いろいろ明らかになる。
    罠以上に、正義感振りかざした人間が怖い。

  • 愛媛県、早瀬町。
    この地がまだ江戸幕府の天領であった頃に起きた「喜助一家心中事件」の生き残り、敬次郎の復讐の呪いが、早瀬の旧家を襲う――――

    石丸さんを追いかけてきた全三巻。
    とうとう完結編を迎えた訳だが、私は、その、なんというか、その、まだ、信じたくない。
    今も、これを打つすぐ隣に「…怒涛の書き下ろし完結編!」と見えるが、見なかったことにしたい。

    確かに完結篇にふさわしい、伏線の回収具合だったが、1巻からの読者の中には、ふとよぎった人もいるのではないだろうか。
    最後の、親子のやり取り。
    これは、どこかで読んだことがあるぞ、と。
    喜助・敬次郎親子を彷彿する最後のやり取りは、「二人の叶えられなかった幸せな日々」と「連綿と続く呪い」のどちらをも思い起こさせる。
    もしかして、島以外の全てのお屋敷の血が途絶えたわけではない今、呪いはまだ終わってはいないのではないか。
    そんな気持ちにさえさせる、最後ではなかったか。

    ―――なんて、そんなことを考えてしまうのは、私がいまだに石丸さんについて納得していないからだ。
    幸せになってほしかったのに。
    本当に、石丸さんの幸せを追い続けて駆けてきた三部作だったのに。
    現実も物語も、想い通りにはいかないものだなぁ…

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著者プロフィール

1961年、愛媛県生まれ。京都大学理学部動物学科卒業。セガ・エンタープライゼスなどゲーム制作会社に勤務。2001年 『長い腕』 で第21回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。2012年、続編の『呪い唄』を刊行後、『弔い花』 『疫神』 『誘神』 『署長・田中健一の憂鬱』 と精力的に執筆活動を続ける。本書は、著者の郷土愛が詰まったお仕事ミステリー第3弾。

「2021年 『明日に架ける道 崖っぷち町役場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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