朧月市役所妖怪課 河童コロッケ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012758

作品紹介・あらすじ

希望を胸に自治体アシスタントとなった宵原秀也は、赴任先の朧月市役所で、怪しい部署に配属となった。妖怪課――町に跋扈する妖怪と市民とのトラブル処理が仕事らしいが!? 汗と涙の青春妖怪お仕事エンタ、開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃に市役所で働く父の姿を見て、公務員に憧れる宵原。
    地方公務員にになる前に体験を積もうと自治体アシスタントになり、最初の配属先へ。
    でも、そこは想像と違う職場だった。

    鬼太郎たちが公務員になったような。
    妖怪の紹介の棘棘しい記述と朧月市の妖怪のちょっと惚けた感じの差が楽しい。
    妖怪課の面々の個性も良かった。
    土曜日の朝の連ドラみたいな終わり方だったので、次も読むかなー。

  • 買ってから放置していたけど、ようやく読みました。
    読み始めるとアッという間で、とても面白かったです。
    何か続きがありそうな終わり方だったけど、続編はあるのかな?
    気になります。

  • なかなか面白かった。妖怪たちが、憎めないのがよい。
    妖怪も、クロニであろうと、そんな大した悪さもせず、むしろ人助けすることもある。それは、妖怪と向き合う人がどんな人なのかによっていて、それは普通の人付き合いとそう変わらないんだなぁと思った。主人公に協力する間取歪がそう。
    妖怪のほうが、因果応報…うんぬんよりもっと即物的ではあるけど、やっぱり優しくしてもらったら、恩は返すのだ。構ってくれたら、それだけで嬉しいのだ。
    寂しがりやの妖怪だからこそ、そんな気持ちが大きいのかもしれない。
    妖怪は私たちのいう所の絶滅危惧種に近い扱いを受けていて、だからこそ、退治は禁止されている。たとえ、人にとっては災いとなったりしかねないものでも、それもまた自然の一部なのだから、と保存しようとする試みは好感が持てた。
    それと同時に、いかにも市役所、というような、一辺倒な対応が描かれるシーンでは、こちらも非常に悲しい気持ちになる。
    でも、呪戸主任の言う通りで、平等は二つ存在している。
    持ち込まれた相談事には、誰にでも「平等に」親身に最後まで面倒を見るか、どの案件も素早く処理して「平等に」待たせないようにする。
    どちらも大切なことで、しばしば市政では問題とされることだ。妖怪という、突拍子もないモノを対象としても、その実この小説は現代日本の市政にメスを入れている。
    これからも、主人公はここで反妖怪派と戦わなくてはならない。滅殺あるのみ、と妖怪を全否定する殺妖怪者(?)たちだ。続編も読んでみたいと思う。

  • 浜村渚シリーズが好きで他の本も色々と読んでいますが、本当に知識が豊富で今回は妖怪物ですが詳しく書かれていて凄いです。話は3巻まで続く感じで最後まで一気に読めました。

  • ファンタジーな設定の割に、リアルな市役所事情。最後にややこしそうな相手も出てきて、続きが気になる

  • 日本中の妖怪を集めてしまったという朧月市へ自治体アシスタントとして妖怪課に派遣された主人公。妖怪が起こすいろいろなことをうまく処理する課というわけですが面々はそれぞれ特徴があり、青柳さんらしい軽いお話にほんのりミステリテイストで楽しめました。ちゃんと妖怪についての説明もあり妖怪たちはそれほど怖いわけではなく長屋歪のように懐いてしまったものもいたりして親しみも持てます。気になっていたことはちゃんとラストに明らかになりますが、物語は始まったばかりのようですね。続きも読もうと思います。

  • あっという間に読了。おもしろかったです☆わたしは大好物☆妖怪に絡めた人間模様も大好きだし、キャラもとても良かった。主人公のパンチがまだ足りない気がしますが、続編も楽しみです。小説版…大人版…妖怪ウォッチ的な感じがします。ただ、難読漢字には何度も戻って読み直しましたのでそこはマイナスかなf^_^;好きなシリーズになりそうです☆そしてコロッケが食べたくなります(笑)わたしだけかf^_^;

  • 「朧月市へようこそ」
    呼び出され言った先は。
    やっと声がかかり喜んで行った先がこんな課だったら、最初はとても戸惑うだろうな。
    ただ課に呼ばれる前に、妖怪の姿を見た彼はこの話を信じざる得ない状況にはいるだろうな。

    「河狒狒住居侵入の件」
    彼が見たお告げの正体。
    あくまでも余所者として扱われている彼がいくら早く同じ事を言ったとしても、結果は少ししか変わらなかったろうな。
    彼の言い分も分かるが、彼が配属された課は特に署内でも嫌われているのだから夢など見てる場合じゃないのたろうな。

    「人面橘採集の件と、どんどろなミニカー窃盗の件」
    物を盗み妖怪の仕業に。
    考えてみれば近くに冤罪をかけてもバレない存在がいるという事は、それを利用して悪事を働く者も現れるということだもんな。
    彼は何の能力も無いと言ったが、ここまで妖怪に助けて貰えるのは何かしらの縁か能力の一種では無いだろうか。

    「市長執務室・妖怪探しの件」
    最初から彼に憑いていたのは。
    自分が知らなかっただけで、祖父の代から依り代として生きていた事を伝えられていない事に少し驚いたな。
    通りで彼の周りには彼を助ける妖怪が集まってきやすいわけだと分かったが、ここから先どう共存するのか見物だな。

  • 独自の妖怪ネタを題材にした妖怪トラブル解決話。
    舞台となる市の設定に特徴がありますね。
    市役所に妖怪専門の部署があるってのも珍しい設定でしょう。
    妖怪ネタについては本当にそういう伝承が残っていてもおかしく無さそうな感じ。
    男塾の民明書房ネタに似ているってのは狙ってのことでしょうね。(^^;
    ちょっと思わせぶりなところを残しているのはシリーズ 1 冊目の常套手段ですかね。
    どちらかというと、次が楽しみ、というよりは、ただもやもやする感じのしないでもありませんが。

  • 妖怪に関連した事件が多く起こるため、それを解決するための妖怪課に勤務することになった夢見る青年のお話。妖怪が今まできいたことのないものもいろいろと出てきてバラエティ&可愛げがあって面白かった。シリーズ続いているので、続きも読みます。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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