ずっと、そばにいる: 競作集〈怪談実話系〉 (角川文庫 ゆ 12-1)
- KADOKAWA (2014年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041012888
作品紹介・あらすじ
友人の家で見かけた奇妙な箱。ずっと、まとわりつく淫靡な牝の臭い。取り憑かれた人々-「これは実話ではない」と断言しつつ怪談実話のテイストを存分にかもしだす京極夏彦の名品「成人」をはじめ、日本唯一の怪談専門誌「幽」に集う恐怖の紡ぎ手10名が、幽明のあわいに文芸としての怪談の極意を追求し大反響を呼んだ、伝説の書き下ろし競作集。誰も味わったことのない戦慄と陶酔が今宵、貴方を待ちうける…。
感想・レビュー・書評
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怪談本の中では中の上には入れられるくらい面白かったです。普段長編過ぎて読む機会があまりない京極さんの『成人』はなんとはなしの淫靡さと文芸の香りがしました。
作家としての色の濃い方と怪談を語る場でよく見かける方がいらっしゃいますが、文章にすると面白いけど語りはちょっとという方とその反対の方といらっしゃいますね。
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面白かったです。
よくあるおばけ〜な話と違って、プロの人の書く恐い話です。
1つ目の話からすごく引き込まれました。
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この不気味さはまさにホラーというより怪談だなと思った。そして、最初は気にならなかった表紙の女性……1話ずつ読み進めていくごとに、寝る前に枕元に置いてふと見ると、何だか目があうような落ち着かない気持ちになり、それが一番怖かったかも(苦笑)。
<収録>
『成人』京極夏彦、『見知らぬ女』福澤徹三、『顔なし地蔵』安曇潤平、『茶飲み話』加門七海、『怪談BAR』中山市朗、『リナリアの咲く川のほとりで』小池壮彦、『つきまとうもの』立原透耶、『爺の怪談』黒木あるじ、『お化くず』平山夢明、『美しく爛れた王子様と麗しく膿んだお姫様』岩井志麻子 -
10人の作家による競作集(怪談実話系)ということで、いわゆる実話怪談から実話風ホラー?まで集まってます。ただし競作集といいつつ一部のみ書き下ろしだった。
怖いのは安曇さんの「顔なし地蔵」だが、これは既読。京極さんの「成人」のもやっとしたいやな雰囲気が上手い。これがトップに掲載されているため、最初に満足感がピークになってしまったというのはもったいない感じも。加門さんの「茶飲み話」も好き。 -
10人の作家さんによる怪談実話系の競作集。京極さんのは別の文庫本で読んだばかりだったので、ちょっとがっかり。
岩井志麻子さんのは怪、というより生きている人間の怖さで、ん?という印象。…この作家さま初読みだったので、なんか微妙な感想でした。
角川フェアの帯POP目当てで手にした一冊でした。イベントがなければ読まないジャンルだったので、たまにはいいかな、と。 -
実話系の怪談の短編集で、私が怖かったのは祝山を書いた加門七海の茶飲み話と山の怪談本を1度読んだ事がある安曇平の顔なし地蔵。岡山からの帰りの新幹線中で読んだんだけどゾッとした。二人の共通点は、祟りというか、罰が当たるというか昔からの迷信を信じずに禁忌をおかすと悪い事に見舞われるという所。そういうことが昔から伝わっていたから、人々はモラルを持って生きてきたのかもしれない。今はそれこそ神も仏も恐れない人々が多すぎるから悪い事をして罰が当たるとか考えず人を簡単に殺めたり昔からの史跡などに落書きしたり壊したりするのかも。怖い話イコール悪いものと考えるのは間違ってると思う。
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2014/4/29〔火曜日〕