本をめぐる物語 栞は夢をみる (角川文庫)

  • KADOKAWA
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041012895

作品紹介・あらすじ

地図にない本屋と聞いて、カノさんの本屋だと思った。ときどきしか行けない、その日しか存在しない本屋を作りたいと言っていたのだ。ショップカードの番地は「1‐7‐水曜日」、間違いない(「水曜日になれば(よくある話)」)。ほか、沖縄の古書店で自分と同姓同名の記述を見つけた女性、宇宙船に一冊だけ残された貴重な地球の紙の本を持つ少年などを描く、人気作家たちが紡ぐ様々な「本をめぐる物語」。本から広がる不思議な世界8編。

感想・レビュー・書評

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  • 本をめぐるアンソロジー。比較的不思議な話が多かった。本が意思を持っていたり…こういうアンソロジーって、心に沁みる系かと思いきや意外とホラーだったり。
    8作のうち私が気に入ったのは、大島真寿美さん「一冊の本」(この話が一番私が想像していたイメージ通りの話だった。)、中山七里さん「『馬および他の動物』の冒険」、雪舟えまさん「トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン」の3作。雪舟えまさんという方は、この本で初めて知ったので(歌人だそうです)、他の作品も読んでみたい。

  • 裏表紙に本から広がる不思議な世界8編とある。確かにSF寄り多めの気楽に読める短篇アンソロジーで良かった。その中でも雪舟えまさんの「トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン」がおもしろくて、続きを読みたくなったほど。優しい世界観が好み。他の作品も読みたくなった。田口ランディさん「カミダーリ」読後感悪くて良かった。

    • miyacococoさん
      111108さん、コメントありがとうございます(*^^*)こんばんは。
      雪舟さんのこの作品、萩尾望都さんのSF漫画を思い出させるような感じで...
      111108さん、コメントありがとうございます(*^^*)こんばんは。
      雪舟さんのこの作品、萩尾望都さんのSF漫画を思い出させるような感じで初めてなのに懐かしかったです。全く知らなかった作家さんなので歌人とは驚きでした。歌集よりもやはり小説目当てでよさげなの探しま~す
      2022/08/11
    • 111108さん
      miyacococoさん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます!
      萩尾望都さんのSF漫画感とは、私も読みたいです!雪舟さんの短歌はそんな...
      miyacococoさん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます!
      萩尾望都さんのSF漫画感とは、私も読みたいです!雪舟さんの短歌はそんなに読んだことなくてお名前だけ知ってたので検索したら、いろいろ書かれてる人でした。シリーズ化とかされたら嬉しいですね。
      他の作家さん達のも読みたくなりそうなラインナップですね♪
      2022/08/11
    • miyacococoさん
      111108さん、薄い1冊なのでサッと読めるのでおすすめです♪本がテーマの小説はついつい惹かれちゃいますね
      ( *´艸`)
      111108さん、薄い1冊なのでサッと読めるのでおすすめです♪本がテーマの小説はついつい惹かれちゃいますね
      ( *´艸`)
      2022/08/11
  • 中山先生以外は初読み作家さんでした。前情報なしで中山先生の短編が読みたくて購入したら苦手分野のSFでなかなか読み進められず。
    ただ、SFだったりファンタジーだったりミステリーだったり色んな分野が短編で気軽に読めるのがアンソロジーの良さですね。

  • アンソロジー、お題は「本」…。これまでにアタリの作品を読んだことがなかったのですが、これは読み応えありました!
    すごい、皆さんいい意味でぶっ飛んじゃってる…短篇でここまで書けちゃうんだ!と感服でございます (_"_)
    特によかったのは中山七里さん「『馬および他の動物』の冒険」。巧いわ、読ませるわ、面白いわ〜(*^-゜)b
    福田和代さん「ぴったりの本あります」雀野日名子さん「僕たちの焚書まつり」田口ランディさん「カミダーリ」も良かったです。
    柴崎友香さん、わりと好きな作家さんなんだけど今回は奇を衒いすぎ?よぅわからんかった(^^;;
    大島真寿美さんも小粒ネタだったかな。北村薫さんは…筒井康隆作品みたいになってたー。
    雪舟えまさんは頑張って読んだけど、人間的に無理なのと、やっぱりなぜここまで抜擢されるのか理解できない(>_<)
    でも全体としては面白かったので、このシリーズもう1冊読んでみたいです。

  • タイトル通り本をめぐるアンソロジー8編。
    SFあり、ファンタジーあり、ホラーあり、食い違いコントのようなものあり。いろんなジャンルがあって興味深かった。でも、全体的に不思議な話が多かったかな。
    そういう時勢なのか、紙媒体の本が過去のものとなった世界を描いたものが複数。たとえ原始的で効率の悪い商業形態で、かつ不衛生だと言われようが、紙をめくる感触とか装丁をみる楽しみとかは、やっぱり捨てがたい。

  • 本がテーマ?のアンソロジー

  • タイトル通り、本をめぐる8編の物語。

    『ぴったりの本あります』
    奇妙な物語だ。
    この手の話はすでに幾度も語られているというのに、「猿の手」を求めて読者は再びページをめくる。

    三度まで。
    この三という数字はなぜこうも心をざわめかせるのだろう?
    登場するのは電子書籍という現代的な「本」だが、恐怖の根源は今も昔も変わらない。
    きっと、今後も。

    『『馬および他の動物』の冒険』
    本が、しゃべる。
    古書店の中で本同士が話している。
    なんとも愉快な設定だ。
    その本がある日、他の5冊とともにある人物に盗まれる。
    ここから本の冒険が始まった。

    この物語は単なるファンタジーではなかった。
    本作には初めから十分な伏線が張ってあった。
    それに気づいた時、この本は、いや、読者はやっと甘い夢を見られることだろう。

    『僕たちの焚書まつり』
    本、紙の本がなくなった世界。
    小学五年生の僕、タツキは地雷コンテンツ(つまりとんでもなくつまらない文章)をみんなで壊すことにした。
    確かに叩きつけたくなるつまらなさの本もこの世にはある。
    気持ちはわからないでもない......。
    タツキはそうして、その地雷コンテンツを壊そうとするのだけれど、思いがけず「本」の亡霊を見ることになるのだ。

    面白いのがタツキの父が言う、神印刷は指を着ることもあり、安全配慮に欠けているとぼやくところ。
    それには心から同意する(ははは)。

    本一冊には本当に多くの人の手がかかっている。
    それを「亡霊」としてみることで、こうして本が読めることのありがたさを噛みしめるのだ。

  • もう1冊に比べると本に対する愛が薄く、ミステリー調。北村薫の解釈は楽しめた。

  • 大島真寿美さんの物語が良すぎてびっくりした。
    亡き父の葬式の喪主挨拶に読んだものは生前父が自分で書いた創作だった!!
    そして数ヶ月後父の創作の本当の意図を知る…
    良かったなぁ。雲上の町、読みたいもん。

  • 本をテーマのオムニバス短編集~一冊の本〔大島真寿美〕:私設図書館館長だった父の葬儀で父の書いたでたらめな喪主挨拶を娘は読み,それがWebで公開されて評判となったが,父を変えた一冊の本とは多分父が書いたのだ。水曜日になれば(よくある話)〔柴崎結香〕:水曜の7時に来れば行き着ける本屋で賀衆を買うと,物書きとして地位が確立されていない不安が吹き飛ぶ。ぴったりの本あります〔福田和代〕:明日から来るなと上司に言われた場僕が古い本屋でぴっぱりの本をDLするが,気に入らなければリセットが2回までできるという。「馬および他の動物」の冒険〔中山七里〕:持ち主が死んで古書店に売られたダ・ヴィンチの画集は,興味なさそうに店を覗き込んで写メしている女の男友達に強奪されたが,古書マニアを殺した時に飛び散った血を彼は指でぬぐっていたのだ。僕たちの焚書まつり〔雀野日名子〕:ゴミコンテンツをプリントアウトして廃ビルで燃やそうとしたら本作りの亡霊達が出現する。トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン〔雪舟えま〕:火星から金星へ本を届ける母子が洗濯に立ち寄った惑星で,船の魂が抜けてしまったが,本と一緒に乗り込んだファナは本達に金星までの魂の役目を担わせる。カミダーニ〔田口ランディ〕:沖縄の離島にユタを探しに行き,古書店で自分と同名のユタを発見した作家は神懸かり状態となった。解釈〔北村薫〕:父母と女子高生が外食帰りに立ち寄った本屋でそれぞれ手に取った坊ちゃん,走れメロス,蛇を踏むを宇宙人が解釈する~まあ・・・それぞれの特徴が出るよね。特に北村さんなんかは結構歳だから

  • 「本」をテーマに推理を巡らせたりぞっとしたり、思わず笑ってしまったり、書き手様によって色々なテイストが楽しめる一冊でした。うわ怖っとおもうのもいくつか入っているのもまたいい感じ。ちょっとした息抜きにぴったりの一冊です。

  • 一冊の本-大島真寿美 父の遺言である作家の話題が出る
    トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン-雪舟えま ファナデザインがちょー美人。
    水曜日になれば-柴崎友香 ファンタジーと恋物語で心地よい

  • 本にまつわるアンソロジー。
    どのお話にも本が登場し、不可思議なストーリーに仕上がっています。

    柴崎友香や北村薫の短編も面白かったのですが、一番印象に残ったのは中山七里の「『馬および他の動物』の冒険」というお話。

    古書を主人公に据えることによって醸し出される静謐な雰囲気が心地よく、心に深い余韻を残してくれました。

    物語に入りこむ前に読み終わってしまった話もありましたが、割と全部面白く、楽しんで読みました。

  • 本って素敵だな。
    人生の中に本がある。

  • 本から広がる不思議な世界8編。
    特にお目当ての作家がいたわけでなく読んだのだけど全部面白かった。

  • 「一冊の本」には共感できるところがあった。

    ほかの作品は、期待したようなものではなかったので、私はこの本を読む必要はなかったのだな、と結論した。

  • 本にまつわる不思議な話がいっぱい♪副題のとおり栞が夢を見たら、こんな感じなのかなぁ…と思いながら読んだ(^^;)北村薫さんの「解釈」が一番好き(^^)

  • 前作に比べ好みの作家さんが少なかった。

  •  北村薫さんと雪舟えまさん目当てで購入。
     面白かったのは、北村薫さんの『解釈』と、福田和代さんの『ぴったりの本あります』。

  • 本をテーマにしたアンソロジーだ。図書館、本屋などさまざまな場所で本にまつわる物語が展開する。
    「本」が主役のミステリーからほのぼのした家族小説、シュールなホラーっぽい物語からラノベっぽいSF、ペーソスのきいた宇宙人モノなど個性豊かで面白い。

  • いろいろな奇妙な?お話を楽しく読めました(^^)

  • 本が主役のアンソロジー。
    どれも、良かったけれど、最後の『解釈』が面白かった。

  • 好きな作家が何人か参加していたし、暇つぶし程度の期待で購入したが、予想よりは大分面白かった。
    基本的にファンタジーだが、いくつかハッとするシーンもあり。

  • 意表を突いた作品が多く、ちょっと読みづらかったかも。大島真寿美さん、北村薫さん、柴崎友香さんの作品が良かった。前作の方が好みでした。

  • 本が主人公だったり、未来の少年たちが焚書まつりを行ったりとどれも設定が面白い。
    けれども、内容はもう一歩だった気もする。
    その中でもツボにはまったのが、北村薫の『解釈』。
    宇宙人たちが地球の小説を読みながら“人間”という生物について、分析を重ねて行くのだが、彼らの勘違いが甚だしい。
    そもそも小説を記録文章と思っている時点でおかしいのだが……。
    夏目漱石を猫だと思ったり、太宰治がひたすらメロスについていっていたという光景は思い浮かべただけでも面白かった。
    北村薫さん、いいセンスしています(笑)

  • いろんな作家の短編が読める、しかも本がキーワードのお話。
    読んだことのある作家さんから、全く知らなかった作家さんまで、次々と読んでいくからこそ、作風の違いがよく感じられ、物語だけではなく楽しめました。

  • 雪舟えま先生の短編「トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン」が読みたいがためだけに読了。
    宇宙空間を飛び回るひとびとを感じる雪舟流SF。
    これも一つのプラトニック・プラネッツ、なのかな。
    惹かれ合う魂はどこにだって行ける。本も、私たちも。

  • 副題の栞は夢をみるの通りに幻想よりな物語が多かった。

    「一冊の本」に出てくる父のような仕掛けをして往生したいもの。
    どの作品の本屋は魅力ある描写で一度は訪れてみたい。
    特に「カミダーリ」に出てくる本屋は佇まいといい室内の様子といい最高。ただ、物語のように障りがあるのは勘弁を。

    バラエティ豊かな短編集で満足です。

  • ラジオ深夜便ラジオ文芸館
    大島真寿美「一冊の本」

  • 読むのをとても楽しみにしていたのですが、未来の話などのSFやファンタジーがメインでしたので期待していたものとはちょっと違いました。好みは最初の大島真寿美作「一冊の本」。中山七里氏「『馬及び他の動物』の冒険」は、また変わったものを…と思いながら読み進めていったのですが、この長さでちゃんと伏線もしっかりとしたミステリだったので驚きました。やはり上手いですね。紙の本のない未来を描いた雀野日名子作「僕たちの焚書ものがたり」もインパクトが強く、そんな未来に哀しくなりました。ラストの北村薫作「解釈」も面白かったです。

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著者プロフィール

1962年名古屋市生まれ。92年「春の手品師」で文学界新人賞を受賞し同年『宙の家』で単行本デビュー。『三人姉妹』は2009年上半期本の雑誌ベスト2、2011年10月より『ビターシュガー』がNHKにて連続ドラマ化、2012年『ピエタ』で本屋大賞第3位。主な著作に『水の繭』『チョコリエッタ』『やがて目覚めない朝が来る』『戦友の恋』『空に牡丹』『ツタよ、ツタ』など。2019年『妹背山婦女庭 魂結び』で直木賞を受賞。

「2021年 『モモコとうさぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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