刑事マルティン・ベックロセアンナ (角川文庫)

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制作 : 柳沢 由実子 
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041013830

刑事マルティン・ベックロセアンナ (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • あらすじ
    1964年。ボーレンスフルトの閘門の泥土で全裸の女性死体が発見される。やがてアメリカからの電報で、被害者がアメリカの図書館司書、クルーズ船の乗客だとわかる。地方の警察に協力しているマルティン・ベックたちは膠着状態の事件を追う…。

    今読んでもかっこいいなー。地道に堅実に働くチーム。マルティンは胃痛持ちで、ラッシュが嫌いで、妻と上手くいってない。北欧ミステリーで、刑事がいろいろ事情を抱えているのは、このシリーズからとも言えるらしい。マルティンの他にも、個性的な刑事がいろいろ。今回は、地方のアールベリが一生懸命で好きだった。事件自体はあっさりしている。

  • 再読 60年代のスウェーデンの社会意識。

  •  マルティン・ベックシリーズ初作。「笑う警官」を先に読んでこっちへもどってきた。ただ正直言ってあまりピンとこなかった。これを最初に読んだら続きを読もうという気になったかどうかは微妙。ベックやコルベリ、メランダーといった面々の捜査ぶりは警察小説としてはまあまあだけど、プロットというか事件が今一つもりあがらない。全く手がかりのない殺人事件からなんとか容疑者を割り出し、決定的な証拠がないままにトリックをしかけるのだが、その肝心の追跡劇が退屈だ。犯人像にも説得力がないし、これ冤罪じゃないのとか思ってしまう。ヘニング・マンケルが献辞を寄せているけど、あんたの方がずっといいと思うよ。

  • スウェーデンの刑事マルティン・ベックのシリーズ1作目。
    1960年代の刑事達の地道な捜査、すぐ胃が痛くなっちゃうし、風邪もひきやすいベック刑事が、運河の泥から見つかったアメリカ人女性の事件を粘り強く捜査してく。

    半分過ぎまで、手掛かりが何もないままですが、全然飽きないで読めます。社会派という売りですが、全然押し付けがましくなくて良い。

    シリーズ10作あるみたいなので、続けて読んでいきたい。

  • 捜査にほとんど進展がない期間をじっくりと書いているのが耐えられればとても面白いと思います。
    実際に国際的な部分のある事件って、インターネット以前の世界ではこのくらいじりじりと経過していってたんだろうなぁ。
    携帯電話もインターネットも無いころを思い出せるかどうかで、評価が変わりそう。
    正直、生まれた頃からインターネットがありましたっていう世代の人は退屈に思うかもしれません。

  • 最後に明かされる殺害の動機・経緯が、イマイチかと。
    読み易かったです。

  • 以前は北欧ミステリといえば、マルティン・ベックシリーズを指した。本作は1965年発表の記念すべき第一作。

    スウェーデンを遊覧中のアメリカ人女性ロゼアンナ(新訳ではロセアンナ)が遺体となって海から引き上げられる。警視庁殺人課のベックやコルベリらは捜査を開始するが、ロゼアンナが殺害された状況は依然として掴めない。募る焦燥感の中、船上で客が撮影した写真を切っ掛けに解決への足掛かりを得ていく。

    殺人犯へと辿り着く過程は手堅く地味ながらも、経験を積んだ刑事らの直観に基づく捜査法は「警察小説」の真髄に迫るものだ。終始、被害者の写真に語り続けるベックの抑えた怒りの表出も忘れ難い印象を残す。

  • 9月12日読了。図書館。刑事マルティンベックシリーズ。

  • 王道の警察ミステリィと言う感じ。

    日本の警察ミステリィみたいに汚職や組織的隠蔽などが(今のところ)無いので純粋に犯人追跡を楽しめた。

    殺害の動機が不完全燃焼な印象を受けた。
    外国人としてはあれで「推して知るべし」となるのだろうか...?

  • 巻末にヘニング・マンケルの献辞が収録されており「ヒーローはいない」と書かれてある。マルティン・ベック・シリーズは中央本庁刑事殺人課の捜査官の面々が普通に仕事している様が描かれている、と言う事を一言で表した言葉だろう。このシリーズを読んでいると、巡回警官(パトロール警官)が結構間抜けと言うか、仕事さぼってんなぁ、と言う(当時のスウェーデン警察の風潮なんだろう)印象があるからこそ、刑事課の属する彼らが如何に優秀な警察官であるか、と言うのが解るのだが、優秀だから高飛車でヒーロー願望も強い、と言う事は一切ない。
    ロセアンナと言う名のアメリカ人女性が閘門の水の中から全裸遺体で発見される。女性の身元を突き止めるとこから捜査が始まり、他の観光客の撮影した膨大な写真から彼女の動きを探り、容疑者の男に辿り着き、尋問後釈放するのに犯人はこいつと確信するベック…。尋問場面が特に秀逸だったが、極力「言葉」と「動作」のみの客観的な書き方に徹する事でこのシリーズは「煽り立てる事」なく、刑事として働くチームの「動き」を「見せて」貰えると言う醍醐味が味わえる。プロフェッショナルの生の仕事ぶりを拝んでいる感覚を味わえる。ベックが淡々として見える。マルティン・ベック、コルベリ、アールベリ、ステンストラム、メランダーとそれぞれの捜査官ごとに秀でたところがあって、その部分に於いてチーム内での認知が済んでおり、そこを生かして団結してチームワークで、と言うより、部品の一つとしてハマるのが当たり前、的に動いてる様が実に合理的でイイ!容疑者に「餌」を蒔いて食いつかせると言う作戦を組む。尾行から捕獲までのシュミレーションを行う時も、如何に無駄なく迅速に正確に行えるか、と言うのが出来栄え基準で、出来ると確信して動いている。予測より秒数が縮まったからと言ってハイタッチして喜び合う、とか、無い。出来て当たり前なのだ…彼らの「仕事」の描写を客観的に感情を交えず(緊張して云々したと書かず、額に小粒の汗が浮いているとだけ書く、そこに緊張している、と言う事が読者に解る書き方になっている)淡々と書かれる事で、部外者としてそこに自分が居て、ただ見ている感覚に陥る。それによって読者の緊張感が高まる仕組み。容疑者をひたすら尾行するステンストラム(8時間以上歩き続ける容疑者の後をひたすら尾行して彼自身も同じ時間を歩いている)とか、プロの仕事が如何に「終わりのない継続」であるかが解る。口数多くはないが捜査の行方を確信しているベックの刑事としての頭の良さとか、唸るよ…
    感情面を省き、煽り立てる事なく書くってかなり困難な事だと思うんだよ。特に「フィクション」である場合は、書き手の方も「人物の感情面を読者に察して欲しい」と言う気持ちが湧くだろうし。そこを徹底して自制する…作者が作品と自分を切り離しつつ自分が作り出した登場人物を信用してるからだろう。

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