ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.97
  • (1689)
  • (2364)
  • (1341)
  • (204)
  • (36)
本棚登録 : 25385
感想 : 1551
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041014516

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾さん

    2020年名刺代わりの小説10選に入る1冊となりました。

    1.本書内容
    ナミヤ雑貨店。近所の子供たちの悩みを聴く。
    「テストで100点とるには?」
    「先生にあなただけの問題をつくってもらいましょう。」

    いつしか大人たちも店主に相談することになります。
    店主は最期に息子に託すのです。
    「33年後の回忌に一度だけナミヤ雑貨店を開店してほしい。当時の人たちはその後どのように生きたのか?少しは役立てたのか?」
    と。

    33年後の現在すでに閉店したナミヤ雑貨店。
    窃盗でたまたま逃げ込んだ少年たち。
    彼らもまた初代店主同様に、他者の悩みに向き合うというもの。

    2.読書後
    2020年。世界が急変してしまいました。
    哀しい出来事となりました。
    もしも、私たちがナミヤ雑貨店さんの店主に悩みを打ち明けるならば、何を相談することになるのでしょう?
    私たちは、文字にすることもはばかってしまい、空白の悩みの手紙を投函するかもしれません。

    時代、年齢年代に限らず、私たちには私たちが自身で決めて歩むことが許された人生が存在します。
    それ自体もまた奇蹟(感謝な出来事)だと捉えることもできます。

    3.最後に
    ナミヤ雑貨店の店主は、もともとクスノキ機械で働いていました。
    それから約10年の月日が流れて、東野圭吾さんは『クスノキの番人』執筆されました。

    クスノキ。岩波国語辞典によれば
    「常緑高木。材は堅く香気がある」とあります。
    常に青々とし、凛と構え、幹は堅く、そして周囲に気を届ける存在と解釈することもできます。

    物語とは読み手の想像で広げることのできる世界。
    改めて作家のみなさんに感謝します。

    #読書好きなひとと繋がりたい。
    #東野圭吾さん好きと繋がりたい。



  • 私の中では、
    東野圭吾作品でベスト3に入る名作!
    この本に出会えて良かった。

    ミステリーばかり読んでいたけど、
    こんな素敵な物語も書けるって、
    どんな頭脳を持っているんだろう?笑

    小説で泣けるってことを、
    この本を読み知りました。

  • 不思議な作品
    この作家の新しい世界。
    時空空間を超える!

    泣ける。
    映画も見たけど、原作以上に仕上がってる、
    出演する役者がすごく良かった。
    音楽が今でも心で鳴る。
    映画というのが
    作品より視覚、聴覚、色彩で
    より創りあげる。

    また撮影地が聖地になってる。
    牛乳箱もあるし
    映画そのままのものがあるし、もちろん写真も撮れます。

  • 再読。過去の手紙が未来に届き、未来からの手紙が過去に届く不思議で心が温かくなる物語。5つの短編が別々の話ではなく、ナミヤ雑貨店、児童養護施設と登場人物との関わり、深いつながりが本当に奇蹟としか言いようがない。それぞれの話に感動させられ何度も涙が出て来てしまった。

    心に残った言葉
    ・大事なのは、あのときのわしの回答が本当に正解だったかどうかだ。いやあの時だけじゃない。これまでに書いてきた無数の回答がそれぞれの相談者たちにとってどうだったのかが重要なんだ。わしは毎回、懸命に考えて答えを書いてきた。適当に書いたことなんてただの一度もないと断言できる。しかしそれでも、その回答が相談者たちのためになったかどうかはわからない。(雄治)

  • あたたかく優しい。そんな物語だった。
    時空を超えて交わされる悩み相談。
    けっして飛び抜けた知識があるわけでも人生経験があるわけでもない3人が、一生懸命に考えた末に書いた返事は、相談者にとって人生を大きく左右するものになっていく。
    稚拙とも思えるような回答も、そこに返事を書いた者が全力で考えた末の思いだと伝わるからこそ、相談者の心を動かしたのだろう。
    人生は白紙の地図。
    100人いれば100通りの地図があっていいはずだ。
    そして、それらには価値の差はない。
    生きていればいろいろなことがある。
    思いがけない出来事も、予想もしなかったアクシデントも。
    けれど、それでも明日を信じて前に進んでいくことがきっと大切なのだ。
    派手さはないけれど読み進んでいるうちにどんどん引き込まれていく。
    読み終わったあとには、優しい思いと明るい希望が残されている。
    そんな物語だった。

  • 1人1人のエピソードは
    胸が締め付けられるようだったけれど、
    1章1章、1人1人が
    人生のどこかで繋がり、
    どこかで、助けたり、助けられたり
    していて、ただ、消えていく明かりではなく
    誰かの人生の救いや貢献
    となって、また次の明かりが
    ポッと、つく感じでした。

  • 手紙を通じて相談事を請け合う「ナミヤ雑貨店」、とてもおもしろかった!!


    辛辣な手紙の返答に思わず笑いながら読みました笑 
    みんな繋がってたんですね。心が温まるとても素敵なお話しでした。

    • アンシロさん
      納豆巻きさん、はじめまして。フォローありがとうございます。

      辛辣な手紙の返答…私も笑えました(^^)あなたにとって手紙は意味のあるものだっ...
      納豆巻きさん、はじめまして。フォローありがとうございます。

      辛辣な手紙の返答…私も笑えました(^^)あなたにとって手紙は意味のあるものだったでしょうか?との呼びかけに感動しました。

      西田敏行さんが好きで、先に映画を観ていましたが細かい所が少し分かりにくかったので本を読んでナミヤ雑貨店の世界観にどっぷり浸れて良かったです。
      2023/11/01
  • かつて悩み相談を請け負っていた雑貨屋、『ナミヤ雑貨店』の跡地に行き着いた非行に走る三人の青年。彼らが不思議な力によって、過去と現在の手紙交換をしていくお話。

    不思議なタイムトラベルによって、過去と手紙のやり取りができるようになった三人は、意図せずして悩みを抱えた人たちを救うことになる。
    その後も三人が救っていく過去の人物たちの緩やかでいて意外な繋がり、そして綺麗に回収されている伏線が実に気持ちいい。読了感も素晴らしかった。

    現代に生きる敦也・幸平・翔太も、でこぼこながら仲のいい兄弟のようで微笑ましい。三人とも根が優しいこともあり、更生していってほしいと願うばかり。

  • 2020年2月18日、読み始め。
    2020年2月24日、読了。

    悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
    そんなところから始まる物語。

    場面が1980年代になったり、2010年代になったりと、ちょとついていけない感があった。
    30年前の相談者と現在の人物が、手紙をやりとりするなど、リアリティーがなさすぎるのが、残念。

    ともあれ、ビートルズのことが出てきたりして、細部は楽しめた。

  • 東野圭吾さんの小説を初読みしました。
    時空を超えてお手紙でお悩み相談をするという心温まるお話でした。
    登場人物が、自分の悩みごとをどのように解決するのか気になるのもあるし、お悩み相談を受けた者はどのように回答するのかも気になるしで読み進めたい気持ちが止まりませんでした。
    通勤時に電車の中で読んでいて泣きそうになりました、、。危なかった、、。

全1551件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×