- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041014776
作品紹介・あらすじ
空を駆けることに魅了されたエイミー。日本の新聞社が社運をかけて世界一周に挑む「ニッポン号」。二つの人生が交差したとき、世界は――。数奇な真実に彩られた、感動のヒューマンストーリー。
感想・レビュー・書評
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これは、、、めちゃくちゃ良かったです。
実話を基にしているフィクションは原田マハさんの得意技ということで(勝手に思っているだけ)、抜群の取材力を感じる素敵なストーリーに仕上がっていました。
作中で印象的にでてくる"One World"・"世界は、ひとつ"という言葉。
偶然でしたが、今のタイミングで読み終えることで、心に深く刺さった感覚がありました。
人間という生き物が、便宜上、国を分けて暮らしているだけで、もともと地球に境はないわけです。
従来通りに生活するのであれば、国や人種・信仰等で何かを区別する必要は、全くないような気がしました。
読むなら今、という本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
完全に実話というわけでは無いようだが、世界一周を成し遂げたニッポンという飛行機は実在しているようだ。
その飛行機での世界一周に果敢にチャレンジした7人の乗組員の物語。
そこに、もう1人のキーパーソンを加え、かなりリアリティのある物語になっている。
太平洋戦争の少し前の話であり、今とは飛行機の性能もかなり異なる。
目視で山や塔などの障害物をかわしたり、高度を上げると酸素吸引が必要になったり、今では考えられないような苦難が次々に。
自分も乗組員の1人になったかのように、酸素が薄いと苦しくなったり、高度が上がると寒くなったり(笑)臨場感が半端ない。
単なる冒険物語に終わらず、ヒューマンドラマもあり、心がほんのり温かくなるような物語だった。 -
「冒険とは、なんと心地のよいものなのだ」下巻からニッポン号が世界一周に挑戦します。
高高度で酸欠と寒さと戦い、そびえる山脈をかわし、ひたすら飛びつつける姿に臨場感、一体感があります。8人の仲間が力をあわせて困難に立ち向かう姿は、目が離せない場面の連続です。エイミーがカッコよかった!
第二次世界大戦が迫るあの時期でしかなし得なかった壮挙。月旅行に等しいとまでいわれる挑戦。「いかなる国、いかなる民族、貧富も性差を越えて、人類を等しく照らす希望になる」「信じること、仲間を、飛行機を」「続いているんだよなぁ、この空。アメリカも、ヨーロッパも、アフリカも日本も全部。」ニッポン号が飛ぶということに世界は一つというテーマが貫かれていて、ジーンときてしまいました。
最後まで一気に読んでしまいました。
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"国威だ国益だと権力者が勝手に始めて、罪のない人々のささやかな幸せをいつのまにか奪い尽くす。
戦争とは、そういうものだ
空の上では、男も女もない。アメリカ人も、ユダヤ人も、日本人もないのです。
私たちは、等しく自由なのです"
そんな想いを胸に、女性が社会進出を果たすなんてとても難しかったであろう時代に、同じ人間同士が争い合っている現実に挑み、人間に等しく在るはずの自由を証明するために空を飛んだ、ひとりの女性。
そして、彼女と世界一周を果たした日本の飛行機「ニッポン」の、世界情勢に翻弄されつつも人々に多大な勇気と希望を与えた彼らの壮大なヒューマンドラマ。
10年以上前に描かれた物語を、今のこの世界情勢を横目に読むことの意味
この物語を読んだ方なら感じていただけると思います。
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"せかいは、ひとつ。
空から見れば、国境などない。それなのに、自国の利害を主張して、人間同士争っている。
世界はひとつなのだと、もしも私たちみんなが知ることができたら。
世界のどこにいても、私たちは同じ時間を生きているのだと思うことができたら。
どこかでつながっている世界で、僕らは生きているんだ。
いま、この瞬間を生きている。"
同じ人間なのに、自分たちの利害を主張して殺戮を繰り返すロシアや他の国々。
そんな人たちも、どこかでつながっている。この空の下で。
アメリカも、ヨーロッパも、アフリカも、日本も。
それを世界に証明するために世界一周飛行を夢見たエイミー・イーグルウィング。
それは、実在したアメリカ人飛行士の「アメリア・イアハート」を本作はモデルにしている。
そんな彼女が望んだものは、翼。
『せかいは、ひとつ』であることを証明するために、翼を、ください
そんな彼女と同じくらい、私たち人間一人ひとりにも必要なのではないか。
世界は繋がっていると知るための、翼が。
だからこの物語を読み終わって強く、切に願う。
私たちに、「翼を、ください」 -
下巻も一気に読んでしまいました。
めちゃくちゃいい話でした -
世界一周に挑んだ乗組員達の優しさ情熱に温かい気持ちになりました。「ニッポン号」と言う名前も親近感を覚えます。終盤の山田順平さんの挨拶に感動しました。一緒に空を飛び、万歳万歳と応援して夢中になって読み終わりました。
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One World
キーワードとして1行、たったこれだけの行が出てきます。
世界的な航空会社のグループですね。JALも加盟しています。
政府はお金と権力を持っています。意に反することをやらされそうになる、真実を隠される。抵抗すると何をされるかわからない。
近くの国で、いまでも同じようなことが起こっていますね。
時代を超えたテーマなのかもしれません。
札幌から搭乗することになったとき、うまく溶け込めるか心配でした。
杞憂でした。自然とみんなから愛されていきます。
山田さんを応援したくなります。
気持ちのいいお話でした。 -
戦後GHQの意図で葬られた史実に迫るドキュメンタリーのような小説。マハさんにしか書けないスタイルで、とにかく史実なのか、架空なのか、境目が全くわからないほど馴染んでいて惹き込まれる。
まず史実として、飛行史上初めて、世界一周旅行を成し遂げたニッポン号とその乗組員たちがいた事を知り驚く。またそこに、数年後敵対することとなるアメリカの女性パイロットが重要人物として絡んでくるところが最大のミソ。
とにかく面白くて、上下巻ともにするする読み進めてしまう2時間映画のよう。
本当に映画化してほしいくらい。
「幾多の昼をともに飛び、孤独な夜を耐えしのいでくれた。空を飛ぶ自由、尊さを教えてくれた。目標に向かって進んでいく勇気と喜びを分かち合った。」
「空から見れば、国境などない。」
「世界はひとつなのだと、もしも私たちみんなが知ることができたら。世界のどこにいても、私たちは同じ時間を生きているのだと思うことができたら。」
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4.4
面白かった。
アメリア・イヤハートの話ですが、実話をベースに良くここまで書き上げたと敬意を感じます。
本人もあとがきで触れているように、飛行機の話でありながら、技術的な事よりは、登場人物の心情を書かれていて、この作品を良いものにしていると思います。原田マハさんといえば、絵画を題材にしたお話が多いですが、こんな話も書いてたのね、という驚きもありました。 -
エイミー イーグルウィングと、世界一周に挑む仲間たちの物語。
暁星新聞社航空部、カメラマンの山田の目に映るエイミーの、飛びたい思い、世界はひとつだと言う姿は、純粋でキラキラしている。
そして物語は現代。その隠された事実を紐解く青山記者によって、形を変えて紡がれていく。
世界一周飛行を、世界で最初に成し遂げた毎日新聞社の社用機ニッポン がモデル。
すごいな、社用機で初の世界一周なんて。