ひとなつの。 真夏に読みたい五つの物語 (角川文庫)

制作 : 角川文庫編集部 
  • KADOKAWA
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041015650

作品紹介・あらすじ

七月のある日「郵便」を発見したぼくの胸がきゅんとするやりとり――(「郵便少年」森見登美彦)など、夏をテーマに大島真寿美、瀧羽麻子、藤谷治、森見登美彦、椰月美智子が競作。きらきらの刹那を切り取る

感想・レビュー・書評

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  • 夏のさわやかな空気を感じられるアンソロジー。お目当ての森見さんの作品は、入浴剤付き文庫に収録されていたもので、『ペンギン・ハイウェイ』の番外編。読めていなかったので、この本で読むことができて嬉しい!相変わらず、アオヤマくんは可愛い。

  • 今年の夏に読もうと決めていたのに、
    のんびりしていたらもう秋。慌てて読みました。
     
    #郵便少年 森見登美彦
    郵便屋さんに憧れるアオヤマくんと、ヒサコさんのかわいい交流。

    #フィルムの外 大島真寿美
    映画のロケ現場になった、お向かいの家。
    ひと夏を一緒に過ごしたぼくと由奈。

    #三泊四日のサマーツアー 椰月美智子
    沖縄でサマーキャンプに参加した中学二年生男子の成長物語。

    #真夏の動物園 瀧羽麻子
    美大を出たものの夢かなわず、非常勤で美術教師をしている隆文。
    修学旅行の引率で母校のある京都へ。

    #ささくれ紀行 藤谷治
    浪人二年目の予備校生が、「青春18きっぷ」であてのない旅に出る。

    もうね、全部よかったです。
    特に好きなのは#フィルムの外、#真夏の動物園。
    夢いっぱいだった頃を過ごした街を訪ねたくなりました。

    春夏秋冬、季節にはそれぞれの顔があるけれど、
    ”ひとなつ”って、なんか特別な感じです。
    キラキラしてて、どんな冒険もできそうなわくわく感。
    でも少し物寂しくなったりして…。
    そういえば、夏休み明けって、友達が妙に大人っぽく見えましたよね。

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      夏に読もうと思ったのに…あるあるだよね(*≧艸≦)
      それでもきちんと読むうさちゃんは偉いね!

      「真夏...
      こんばんは(^-^)/

      夏に読もうと思ったのに…あるあるだよね(*≧艸≦)
      それでもきちんと読むうさちゃんは偉いね!

      「真夏の動物園」が気になるなぁ。

      夏休み明けの私はただただ鬱々しい子だったね(笑)
      2016/10/10
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~^^

      うふふ。褒めてもらえてうれしいよ。
      でもね、「その季節にちなんだ本を読みたい。」
      これって、けいちゃ...
      けいちゃん、こんばんは~^^

      うふふ。褒めてもらえてうれしいよ。
      でもね、「その季節にちなんだ本を読みたい。」
      これって、けいちゃんのおかげなんだよ。
      けいちゃんと知り合うまで、季節を意識して本を読んだことがなくて。
      それこそ、暮れの大掃除に夏のなんとかって本を読んだりね。(笑)
      やっぱりいいよね~。イメージも描きやすくて、より感動できる気がするもの。
      すごく感謝してるよ。ありがとう!

      えっ?けいちゃん鬱々としてたんだ~(笑)
      でも、みんなそうだったと思うよ。
      そんな簡単にお勉強モードに切りかえられないもの。
      私もね、西日本から北日本への転校で、夏休みが短くなったことがあって、
      「損した!」って、ずっとブツブツ言ってたよ(笑)。
      2016/10/11
  • アンソロジー、特に「夏」がテーマのものは中でも大好物なのだが、本書は予想以上によかった。個人的にはハズレなしどころか5篇どれも大当たり。柑橘系の果物にかぶりついたような爽やかさを感じる一方、甘さというよりは酸味というか苦味がなかなかに舌に残るな…という読後感でした。むしろそれがよいのですが。変に甘ったるいノスタルジーに走ることなく、若さゆえの逡巡をそのまんま、みっともないまま描写しているところに非常に好感が持てました。
    ・森見登美彦「郵便少年」実は森見さんの作風って苦手だったのだが、ちょっと理屈っぽいアオヤマくんのキャラクターがかわいらしい。郵便がテーマなのもまたよい。一見偏屈な老女との交流のエピソードも、心温まるものだった。「ペンギン・ハイウェイ」と関連する短編だど読後知りました、森見作品と今後ちゃんと向き合ってみようか。
    ・大島真寿美「フィルムの外」映画の撮影用に借りた家で過ごした、少年と少女のひと夏。その瞬間瞬間の、時間の切り取り方が抜群にうまい!大島さんらしい浮遊感のある描写で、瑞々しい世界観が印象的だった。
    ・椰月美智子「三泊四日のサマーツアー」一番繰り返し読んだかも。男子中学生を対象にした、沖縄の島でのミステリーツアー。やさぐれ気味に参加した哲太が、同じくツアー参加の少年達と友情を育んでいく過程に引き込まれる。沖縄の自然の描写もすごくいい。
    ・瀧羽麻子「真夏の動物園」中学校の修学旅行、なりゆきで京都の街を歩くこととなった教師と生徒。30代の男と10代の女子、それぞれ日々に倦んでいる二人の本音が交差する場面が印象的。瀧羽さんが描く京都の観光シーンはやっぱりわくわくするな~。
    ・藤谷治「ささくれ紀行」まだ国鉄だった頃、二浪し、バイトも辞め、くすぶっている「僕」は青春18きっぷであてのない旅を始める。この「僕」の迷走っぷりが妙にリアルで、全くもって楽しそうではないけれど、無様にもがく姿に共感してしまう。松尾芭蕉の「おくのほそ道」を絡めてきたところが面白い。

    登場する男子も女子も皆揃って不器用だけど、様々な思いを抱えながらも一皮むけただろうか。そんな夏をいくつも通り過ぎてきた身としては、あの頃の自分を重ねてしみじみとしてしまいました。若い世代は勿論、大人にもお薦め。

  • 夏のひとときの五つの物語。ちょっと長めの短編集で、このくらいの長さの方が、お話に奥行きがあって良かった。ちょっと切なくて、でも最後には前を向いて行ける感じ。そしてどれもみずみずしい情景だというのもそうですが、読んでてどれも自分の若い頃、青春の頃のなんとも言えない懐かしさが湧いてきました。自分の昔のひと夏を大事にしたくなりました。

  • 読みやすい夏がテーマの短編。三泊四日のサマーツアーの話が面白かったです。自分が子どもだったら参加してみたいかもと思いました。

  • 表紙買い&森見さん目当てで購入。
    特に気に入ったのは『真夏の動物園』。次点で『ささくれ紀行』です。

  • 海にも山にも出掛けず、ひたすら積読を崩す所存でございます。。。

    KADOKAWA/角川書店のPR
    http://www.kadokawa.co.jp/product/321403000069/

    • あいす桃さん
      トキメキ系の本なのでしょうか。
      夏真っ盛りの中、読みたいものです。

      以前はコメント有り難う御座います。
      トキメキ系の本なのでしょうか。
      夏真っ盛りの中、読みたいものです。

      以前はコメント有り難う御座います。
      2014/07/16
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「トキメキ系の本なのでしょうか。」
      そうみたいですね!
      今週末に発売なので、どんな内容か本屋で手に取ってチェックしたいと思ってます。
      「トキメキ系の本なのでしょうか。」
      そうみたいですね!
      今週末に発売なので、どんな内容か本屋で手に取ってチェックしたいと思ってます。
      2014/07/22
  • 森見登美彦さんの名前を見て買ったら・・・!なんと大好きな(ペンギンハイウェイの)アオヤマくんと会えて、胸キュンでした。どれもよかったけれど、やっぱり「郵便少年」が好きだなぁ~。

    プールサイドで読みましたが、まさにそんなシチュエーションがぴったりの爽やかな5つの夏物語でした。

  • 森見登美彦さんの『郵便少年』目当てで購入。
    ペンギンハイウェイの前日譚。予想を外さず面白い。何故だか終始胸を締めつけられて泣けてきた。幼いあの頃への憧憬というか。あの手紙は反則。泣くしかない。

    で、他の作家さんたちの四つの短編にも目を通してみたけれど。
    正直『郵便少年』がやっぱり一番面白かったなあ。次点で『ささくれ紀行』かな。文章が好き。青春の懊悩。八方ふさがりな苦しさ。ラストは文中にもある通り確かに、何故か痛快な気分にさせられる。

    『フィルムの外』は舞台設定とそれにともなうアイディアが面白いと思った。個人的にはいまいち入り込めなかったけれど、まあ「ひとなつの。」にぴったりなお話だったと思う。

    『三泊四日のサマーツアー』は完全に中学生青春モノ。それ以上でも以下でもない。元々こういうジャンルが好きじゃないこともあって、あまり楽しく読めなかった。教科書にのってそうなお話。

    『真夏の動物園』は面白かったけど、何故か一番印象が薄い。これ、短編じゃなくて長編だったらもっと面白かったかも。川野ちゃんの中学生らしい傲慢さが愛おしくなる。

  • あかん、夏が終わってしまうと焦って読む。5人の作家による、書き下ろしではないアンソロジー。

    『ペンギン・ハイウェイ』のレビューに、森見登美彦を好きすぎる私は、読むのがもったいなくて長らく取っていたのだと書きました。先日やっと『ペンギン』を読んで「おっぱい」に魅せられ、6年前に読んだ本書収載作『郵便少年』を再読したら、初読時はおっぱい未体験で気づかなかった、なんとこれはあの「ぼく」とハセガワくんの前日譚ではないですか。それだけでコーフン(笑)。嬉しさに他の4人の印象が薄れてしまいましたが、どれもひと夏の良い話。『郵便少年』がやはりいちばんですが、椰月美智子の『三泊四日のサマーツアー』も好きでした。中学2年生男子が母親から無理やり沖縄合宿に行かされるお話。連絡は取ることはないとしても、ひと夏だけの友だちとの思い出。よかったです。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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