本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.74
  • (93)
  • (179)
  • (141)
  • (24)
  • (7)
本棚登録 : 1567
感想 : 183
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016497

作品紹介・あらすじ

本を読むときは、1行たりとも読み飛ばしてはいけない――本を選び、読み、活かすにはどうすればいいか。「自分の頭で考える力」をつけるための要諦を、稀代の読書家が具体的に説き明かす。著者初の新書書き下ろし。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本人は書かれている
    事を鵜呑みにしやすい。

    功利的に本を読んでも
    大体はうまくいかない。

    流石は一万冊を読んで
    いる先達。

    身に覚えがあり過ぎて
    グサグサときます(汗

    ビジネスで成功したい
    のならば、

    ビジネス書より歴史書
    や小説を読む方がよい。

    現実に活用する機会の
    ないノウハウを覚える
    よりも、

    人間や社会を理解した
    方が遥かに有益である
    と。

    読書はまた健康面でも
    大変に有益で、

    ストレスレベルを低下
    させ、

    記憶力や集中力を強化
    して、

    加齢による認知力低下
    を防ぐことにも繋がる
    そうです。

    まあ読書のメリットは
    数多あれど結局楽しい
    から本に向かうのだと。

    本は楽しむために使う
    ものだと。

    それが答えだよね、と
    最後に思ったのでした。

  • 本の「使い方」
    著:出口 治明
    角川Oneテーマ21

    どうして本を読むのか、それは、おもしろいから

    中国古代の政治論集「管子」には、「衣食足りて礼節を知る」という趣旨の言葉が書かれています
    衣服と食べ物、ねぐらは、生活する上での根本ですから、人間が第一に考えるのは、どうしたら、ごはんを食べていけるか、ということです。

    シャネルの言、「私のように、年老いた教育を受けていない、孤児院で育った無学な女でも、まだ1日にひとつくらい花の名前を新しく覚えることができる」

    島崎藤村の三智、学んで得る智、人と交って得る智、みずからの体験によって得る智がそれである

    世界を正しい理解するために
     タテ思考/時間軸
     ヨコ思考/空間軸

    本が持つ5つの優位性
     ①古典は当たりはずれは少ない
     ②コストと時間がかからない
     ③場所を選ばない
     ④時間軸、空間軸が圧倒的に広くて深い
     ⑤実体験にも勝るイメージが得られる

    どのジャンルを学んだらいいのか ~ 好きなものから学べばいい

    リベラルアーツ 文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文、音楽の7科目
    中国の四芸 琴、囲碁、書、絵画

    日本の大学生が在学中の4年間に読む本は、100冊程度とのこと、それに対して、アメリカは、400冊

    同じ分野の勉強のしかた、関連図書を7~8冊も読めば体系的、整合的に学習ができる
    分厚い本を優先的によむ、なぜなら、不出来な人に分厚い本を書けない、分厚い本を書けるのは、力量がある人です

    時代を超えて残った古典は、無条件に正しい
    古典を読んで、社会には、こんなひどい人間がいる、人間は千差万別である、ことが十分に分かっていれば、予期せぬ、相手があらわれても、動じることはありません

    × 人の話を聞くときに、ひたすらメモを取る人がいます。私は原則として、メモをとりません。⇒メモ取りましょう
    〇 歴史の本であれば、同時代を扱った本を何冊か読んでみる
    × 私は、目次をほとんど読みません。 ⇒読みましょうよ

    ビジネスを行う上で判断を誤らないための大切な視点として
     ①数字
     ②ファクト(事実)
     ③ロジック(論理)
    検証可能なものが、真理に近い
    相手が言っている内容を100%理解することはできないと考えた方がいい
    本に即効性をもとめない ⇒ 即効性をうたう本は疑わしい
    一所懸命おもしろい本を読んでいければいい、それだけです。
    アウトプットとは、言語化することです。そのためには、母国語を大切にしなければなりません

    目次
    はじめに
    1章 本とは「何か」―教養について考える
    2章 本を「選ぶ」―「おもしろそうな本」という鉄則
    3章 本と「向き合う」―1行たりとも読み飛ばさない
    4章 本を「使う」―著者に左右される人、されない人
    5章 本を「愛する」―自分の滋養、他者への架け橋
    おわりに
    編集後記
    本書内での紹介書籍一覧

    ISBN:9784041016497
    。出版社:KADOKAWA
    。判型:新書
    。ページ数:237ページ
    。定価:800円(本体)
    。発行年月日:2014年09月
    。発売日:2014年09月10日初版

  • 出口氏自身の本の読み方、向き合い方について書かれた本。
    さすが数千数万の書物を読んできただけあって、考え方の一つ一つが奥深く、本の節々から教養の高さがにじみ出ている。
    しかしながら、良くも悪くも出口氏の読み方をなぞっただけの内容に留まっており、「だから何?」と思わざるを得ない・・・

    ただ、1冊1冊の本に対する姿勢や向き合い方などはとても参考になった。
    人と会って話す時のように、襟を正して読書をするという姿勢もさることながら、「何冊読んだ」かよりも「どれだけの知識や情報が身についたか」、「大切なのは読んだ本数でなくて残存率」という事は本当に重視しないといけない。

    「納得いくまで読み込んで、分からなければ何ページか戻る。それを繰り返しながら1冊を食べきる」
    この考え方には非常に同意してしまった。

    読むスピードや本数ではなく、「理解度」や「残存率」を意識して、これからも読書して行こうと思いました。

  • この本すごかった。普通「本の使い方」ってタイトルだったら、「効率よく」「簡単な」読書術が書かれてると思うでしょ?
    でもこの本は違う。なんてったってまず読むべき本が「分厚い古典」で、さらにそれを「一字一句、もらさないように」読まないといけないとのこと。

    この時点で気づくわけ、この本は、「読書好きのための本」だって。
    苦手なひとがいきなり難しそうな古典なんて、読めるわけ無いからね 笑
    実際、著者の出口さんも無類の本好き。週に1,2回は本読んでて電車を乗り過ごしてしまうらしい。

    で、そんなこと言ったら、本読むの苦手なひとはこの本を読んでも、対して役に立たないのでは、と思うでしょ?
    でも私はこの本を、本が苦手なひとにこそ読んでほしいと思ってる。

    なんでかって言うと、この本では本好きおじいちゃんの出口さんが、いかに本が素敵かについて延々と語っているから。
    確かに「本の使い方」というタイトルにあるように、読書術についても書かれてる。しかもすごく納得する内容で。

    でも、出口さんの本に対する姿勢は「本は著者との対話である」 「本を読むことは、著者の思考のプロセスを追体験することである」と真摯的。
    読書術はあくまで手段であって、目的は、どうやって本を愛するかについての本だと思うね。

    で、本がめちゃくちゃ好きなひとが、本の素晴らしさについて語ってるわけだから、当然、本が素敵なものに思えてくる。
    話の引き合いに出される本はなんと160冊以上。本好きすぎでしょ。
    これを読み終わるころには、図書館にでも行ってみようかなってなる。

    そんな、本が超大好きな出口さんが進める、本の読み方は
    「一所懸命おもしろい本を読んでいけばいい。それだけです。」

    本読むのは苦手だ、でも好きになってみたい。そんなひとにこの本はおすすめです。

  • 読書術に関しては目次を読む、読み飛ばすなどのことがよく描かれているが、この著者は最初の5ページを読んで読むか読まないかを判断し、読むと決めた際は速読せずに精読するという。人と向き合って会話をするように読書をする。本に対する心の持ち用、礼儀を学べた。

  • 出口さんの読書についての本もこれで3冊目なので、すっかり洗脳されているようです、私。
    すべてすべて、出口さんのおっしゃるとおり。

    でもこういう本は読書嫌いな人は読まないでしょうね。
    そういう人にこそ、読んでほしいなと思うのですが。

  • 第1章は読書と教養の重要性について。毒のある本のほうが読み手の心に残り、人生を変えるよすがになる。第2章は時代を超えて読み継がれる古典について。古典を読み、著者が物事をどのようなプロセスで考えているか学ぶことで、思考力を鍛えられる。第3章は出口流の本の読み方。第4章は目的別のお勧め本の紹介。第5章は出口氏が過去に読んだ本の紹介。小学生時代から全集を読まれており、過去の読書量が比べ物にならないくらい多い。名著がたくさん紹介されていたので読みたくなった!

    p23
    より良い仕事、より良い生活を送るためには、教養が必要です。教養に触れ、インプットが多くなればなるほど、アウトプットの幅が広がり、発想が豊かになります。

    p25
    ストックしてある知識や情報の量が多ければ多いほど、思考や直感など脳の活動の精度は高くなります。

    p30
    私は、人間が生きる意味は「世界経営計画のサブシステム」を生きることだと考えています。すなわち、人間が生きていく以上、「この世界をどのようなものだと理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持つか」を常に考える必要があると思っているのです。

    p40
    毒があったほうが、読み手の心に深く残ります。心のどこかに引っ掛かって、私たちの人生を変える、よすがになります。

    p40
    香りのない花は、どんなに美しくても、印象が何も残りません。花には、独特の香りがあるからこそ、美しさが際立つのです。
    本も同じで、毒が心地よく回って、「ああ、目からウロコが落ちた」「おもしろすぎて、誰かに話したくてしかたがない」と思える本が、私にとってのいい本なのです。

    p46
    ギリシャ・ローマ時代からルネサンス期にかけて、「人を自由にする学問」とみなされていた科目があります。文法学、修辞学、論理学(言語に関わる3学)、算術、幾何、天文、音楽(数学に関わる4科)の7科目です。
    この7科目は「自由七科」、あるいは「リベラルアーツ」と呼ばれています。奴隷でない自由人として生きていくために必要な教養とされていたのです。

    p70
    けれど、ひとりひとりが「これは、本当なのか」と問いかけ、自分の頭で考えて、選び、自分の暮らしを大切にしていかなければ、良い生活を送ることも、良い仕事をすることも、叶わない。そのための判断材料として必要な教養を蓄えておくべきなのです。

    p95
    木田元さん(哲学者)がよく言われているように「きちんと書かれたテキスト(古典)を1字1句丁寧に読み込んで、著者の思考のプロセスを追体験することによってしか人間の思考力は鍛えられない」のです。

    p102
    岩波書店の『書物誕生』シリーズ(全30巻)などから始めることもできます。
    『書物誕生』は、学問の最前線で活躍する気鋭の学者が東西の代表的な古典を取り上げ、その古典が生まれた時代背景や、古典の持つ歴史的な深みと広がりについて言及するシリーズです。
    主として将来を嘱望された若手が書いている

    p105
    人間は、星の欠片でできています。人体を構成する元素は、もともとは宇宙にあったものです。だから私は、天文学(宇宙論)に興味があります。

    p138
    ビジネス書を読んで、その内容を受け売りするよりも、小説や歴史書から、人間はどんな動物でどんな知恵を持っているのか、社会はどんな構成要素で成り立っているのか、人はどんな場面でどのように行動するのかなどを学んだほうが、はるかに有益です。

    p145
    本の中で語られている主張には、必ず根拠があります。そして、その根拠は数字やファクトに還元することができるはずです。根拠(根拠やファクト)をベースに自ら検証して判断すれば、少なくとも本の主張を鵜呑みにすることはなくなります。

    p152
    本は、おもしろそうに思える本を素直読んでいけばいい。将来的に、役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。それはどちらでもいい、と思います。
    自分の興味がある本を、ひたすら読む。あるいは、人から薦められた本を食わず嫌いをしないで読んでみるのもいい。
    功利的に本を読んでも、だいたいはうまくいかない気がします。世の中にそんなにすぐに役に立つおいしい話はありません。好きな本を読んで、じっくりと体に毒が回ってくるのを待てばいいと思います。

  • 20150116 読了

    今年はしっかりと読書を習慣にしたい、とぼんやりと思っていた矢先に積ん読してした本書を思い出す。
    一万冊を血肉にした男、とのキャッチコピー通り読書に関する深い眼差しを持っている人物と感じた。

    一般の読書本はどことなくハウツー本のような雰囲気があって、読み終わった直後は実践しようと思うのだか、続かない。だが、本書は違う。例えば著者もさまざまな読書術を試してみたようで、速読などの方法も知っているが、その上で否定している。著者が提案するルールはいたってシンプル。「自分が面白いと思った本を読め」というもの。ただし、本を、読むことは著者との真剣勝負。そのため、本気で読むべきだという考え方には身が引き締まる。

    読書をすることにより、人間としての深みを目指すという気持ちになれた一冊。

    以下、印象に残ったキーワードなど

    ・学びには、人から、本から、旅からの三種類。そのバランスは人によって異なる。
    ・古典を読むべき。
    ・立ち読みをして、最初の5ページで決める
    ・数字、ファクト、ロジックを用いて自分の頭で考える。

    締めくくりのフレーズ
    今のあなたが、残りの人生で一番若い

  • 本好きの著者による本だから、本好きには堪らない。何だかまどろこしいが、人が嬉しそうに本や読書について語るのが好きだ。そして、そのこだわり。共通する部分もあるし、共感しない部分も、それはそれで、また良い。

    本、人、旅から教養を得ようとする貪欲な活字中毒の著者。とにかく、読書が好きだと感じさせるエピソードが満載なので嬉しくなる。オススメ本も、読みたくなるような一風マニアックなタイトルが多い。だからこそユニークであり、価値がある。

    極め付け、著者は漫画も良しとするのだが、いじわるばあさんを旅に持ち歩くとか。いじわるばあさん!もう何十年ぶりに懐かしくてネットで探してみたが、今読んでも新鮮。何故か、著者と会話しているようで、テンションが上がってしまった。

  • 著者の読書論を展開し、よくある「速読でわかるところだけつまみ食いする」のではなく、よりしっかり読み込み、まさしく本を血肉にする方法を薦めている。

    ただ、はっきり言って物足りない。
    著者の基本スタンスとしては、「テキストを丁寧に読み込んで思考プロセスをついた意見することで思考力を鍛える」「古典(原典)を読む」「1行1行に意味がある」「速読より熟読」「線を引いたり付箋を貼ったりしない」などといったものです。確かに言いたいことは分かります。
    ただ、著者は、「急いで本を読む必要はまったくありません。私は、一文一文、一字一句納得できるまで丁寧に本を読み込んでいきます。速読や斜め読みをしなくても、一般的な200ページほどの単行本なら、2〜3時間で1冊を読み終えることができます」といいますが、わたしにはできません。ではどうすればできるようになるのか、それが一番知りたいところなのですが、その具体的方法に関する記載はありません。
    また、 厚い本を何冊か読んだ後、薄い本で知識の体系化を図るという記載もあるのですが、著者の基本スタンスによれば特にメモ等もしないようなので、つまり厚い本を読んでいるときに中身を大半覚えていなければできない話もサラッと紹介している。
    ちなみにこの著者はベンチャー企業の社長なので土日も仕事で、読書は就寝前1時間と移動時間のみらしいのですが、週に本を10冊読むそうです(1冊2~3時間で10冊っていうことは、1日に3時間も移動しているんですね)。
    結局、著者(及び同レベルの極めて優秀な人間)しかできない方法を説明なしに薦められてもまったく参考にならず、「この著者ってすごいね」ってだけで終了。
    なお、 本書は、編集者が著者に取材をしたのを書き起こしたのかと思わせる記載があり、特に明言はないが、おそらくそうなのであろう。
    口述であれば重複・矛盾もわからないわけではないが、矛盾のある説明、微妙な読書量の話、とくかく踏み込みの足りない説明とちょっと残念が点が多すぎる。

    話が本当なら著者自体はすごい人なんだから、もう少し丁寧に説明があれば良書だったのにと思います。
    本書の後半4分の1を占める書評については、面白そうな本も多数あり、悪くない。

全183件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

出口治明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×