災厄

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.50
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本棚登録 : 148
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016893

作品紹介・あらすじ

原因不明の症状により市町村単位で住民が死亡する事件が発生。ウイルス感染が原因と睨んだ厚生省の斯波は真相を解明すべく、政府内での駆け引きと拡大する災厄に挑む。やがて斯波が辿り着く驚愕の真実とは!?

感想・レビュー・書評

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  • 高知県の過疎村から起こる集団死事件。これがテロなのかパンデミックなのか。

    災厄の原因を突き止める過程よりも、斯波と宮野との友情や歩美との関係よりも、官房長官室で繰り広げられる政治家と官僚のやりとりの方が印象に残った。楡と伊野塚にはイライラしっぱなしだったし、金平と田崎の姿勢には感極まるものがあったし、こうした危機的状況で金平のような対応を見せる政治家いたらどれだけ信頼できるか、今の時政を見ると、そう感じずにはいられない…。

    で、この災厄は自然が引き起こしたものなのか、はたまたやっぱり人的に引き起こされたものなのか、いつか似たようなことが実際に起こらないとは限らない可能性を言及して終わるのが考えさせられた。

  • 謎の感染症が広がって人々が恐怖で逃げ惑う!的なストーリーを期待してたけど、人々の描写はほとんどなかった。ないけどバタバタ大量に死んでいく。
    結末は予想外だったので楽しめたと思う。けど奥さんが帰省した理由は他のことでもよかったのでは?家出して昔の男に会いに行って夫とのことを相談って…感染したけど回復してきたし帰って夫を支えていきたいって言われても素直に応援できないわ。

  • そんな結末なのか!

  • 20200318 読了
    ☆3.6評価/四捨五入で☆4つ
    覚書
    斯波(しば)茂之&歩美  宮野正彦  田崎新  金平寿一
    楡、家持、伊野塚
    四国~高知県

    8年前から積読本に埋もれていた高嶋哲夫著「首都感染」を
    読んでからこの本を読んだので、つい読み比べてしまった。
    厄災の原因となったものは、テロか感染か。
    あれ?と違和感を感じた事がいくつかありましたが、
    出エジプト記はうまく使われたなと思いました。

    関係ないことですが、三国志2を読了後に「首都感染」を読んだのですが、
    レビューも書いたのに本棚にUPされないのは…何故↑。。

  • 高知県発の謎の大量死事件、テロか感染症か、官僚と政治家のせめぎ合い。堂シリーズの作者としてお馴染みですが、作風は全然違います。ただこの人理系なんだなと感じ、理論的に理解できないとこもありますが、それはそれとして楽しく読めます。ちょっと社会風刺的な部分には蛇足感がありましたが。

  • テロなのかパンデミックか。突然起こった謎の集団死。同様の集団死が付近の集落に爆発的に広がっていき、四国は全滅か…。少し前に読んだ「生存者ゼロ」を思い出しましたが、これはラスト近くまで謎を引きずって、得体のしれない恐怖とともに政治家や警察のエゴと頑なさも絡み一気に読ませてくれます。展開もパニック小説ではなくしっかりとミステリです。〜堂のシリーズは好みではない方もきっとこちらは読みやすいでしょう。全てが片付いて収束したと思ったとき、更にその先がありました。でもそこまではさすがに想像したくなかったですね。

  • 83突然原因が分かってしまう構成が残念!こう言う結末ならもっと前段で前振りはいるよねえ

  • 義務感と使命感。判断材料の乏しい中、二つの感情をむき出し抗うことで「得体の知れない面白さ」が生まれて来る。大好き系な小説だったので、途中の誤植が何とも残念だ…。面白かったけどさ。

  • 【あらすじ】
    高知県のとある集落で、住民全員が集団死する事件が発生。調査が開始されるが、同様の事件が付近の集落で続発、徐々にその範囲を拡大していた。厚生労働省キャリアの斯波は、政府内の対策本部で事件の原因をウイルス感染と主張するが、テロリズムだと主張する反対勢力に押し切られてしまう。本部の迷走に危機感を覚えた斯波は、原因究明のため自ら四国へと乗り込む。一方、斯波の同期で、かつて斯波に陥れられて広島の検疫事務所に左遷された宮野は、事件解決への道筋を描けないまま、被災者の救護に奔走していた。災厄に立ち向かうため因縁のふたりが再び手を取り合ったとき、浮かび上がる驚愕の真実とは―!?

    【感想】

  • テロなのかパンデミックなのか?一つ判断を間違えれば国の存亡にかかわる一大事。だからこそ官僚の方々には国民の代表である責任を持って真摯に事に及んで欲しい。そして私達ももっと真剣に官僚を選ぶべき。最後で、やっぱりこれはテロだったのではないか、と疑問視された所を読んだときちょっと寒気を感じてしまった。現実あってもおかしくない出来事なのが恐ろしい。最近流行っているデング熱ももしかしたらこの類なのか?とふと思ってしまった。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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