メッセージ 魚住くんシリーズIII (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041017685

作品紹介・あらすじ

感情が欠落気味ながらも、少しずつ成長している美青年・魚住。彼は病院のクリスマス会で、さちのという少女に出会う。どこか陰を背負うその少女が気になる魚住だが・・・・・・。

感想・レビュー・書評

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  • 内容を知っていても落涙を堪えることはむずかしい。たった一ヶ月の交流が10年の付き合いに勝ることが少なくないとわたしたちは知っているし、魚住とさちのが不器用なやり取りを交わすその姿に、細胞が流れる音を聴いたはずだ。帯に銘打たれた“シリーズ最大の衝撃”ということばには何の間違いもないが、この衝撃とやらを、読者は何度味わったことだろう。与えたかったさちの、拒絶された久留米、恐怖に負けそうになった魚住、しかと届くことばを放ったマリ、彼らを生かす料理を作り続けるサリーム。紙の上で彼らが生きていることが、衝撃だった。

  • 魚住君シリーズ第三弾。
    今回は人の死について触れていて、涙もろい私はついつい泣きながら読んでしまった。
    切なくなってしまった。魚住君も涙を流せてよかった。
    泣くって大事だよなと読みながら思った。
    そして今回の最後。
    あー久留米!なにしちゃってくれているの。
    続きが余計気になっちゃうじゃないの!
    と思いつつ続きが3月に発売予定らしいのでそれを楽しみに待とうと思います。

  • 二巻目よりはよかった。ハガキのくだりはグッときた。魚住くん不幸体質すぎる。

  • 悲しくて切なくて、でもその分暖かく愛おしい光に気付けた、そんな一冊だった。

    悲しい場面や暖かい場面で何度も涙が込み上げてきたのだけど、さちのに心を開いた魚住の、人間らしい一面を見た時が1番グッときた。

    サリームやマリ達との日常もとっても好きだ。
    4人の団欒の場面はずっとみていたいし、サリームの変わり種餃子食べたい!
    大学の研究チームでのやりとりの場面も良い。
    どうか魚住がこのまま笑顔で過ごせますように、と願ってやまない。
    最後の章もとても良かったなぁ。

  • 初めてこれを読んだときから10年近く経ってしまって、内容もすっかり忘れてしまっていたけれど。最近なぜかずっと読みたいと思っていてやっと読めた。

    こんなに痛くて辛くて愛しいお話だったんだ、と泣きに泣いた。

    ここからは私の話も書かせてください。

    これを初めて読んだ時はたぶん感動とかで泣いていたと思うけど、今ほど痛みは感じていなかっただろうなーと思った。

    というのも、数年前(=初めてこの本を読んだ数年後)に私も相次いで大切な人を突然亡くして心を病んだので、今の自分が魚住の経験の一部をなぞっているようでとにかく辛かった。
    だから魚住が久留米を怖いと避けたときも、直感的に彼の気持ちが分かる、と思った。
    自分も暗闇の中にいる時、あの子が、あの人がいなくなったら、家族が死んだらどうしよう、次こそもうだめだとばかり思って毎日怯えて暮らしていたから。

    正直途中で読むのを止めようかすごく悩んだ。今も精神的にあまり安定していないので、これをきっかけにどうにかなったらやばいなあと思ったけど、魚住にはちゃんと抱きしめてくれる人がそばにいて、生きている人の温かさを教えてくれたんだと感じられたから読んで本当に良かった。本当に。

    もともとの性的指向はあっても、説明は上手くできなくても、魚住と久留米の間には愛だけがあって、これさえあれば人は生きていけると思える終わり方だった。

  • キーワード:
    愛情、生、悲しみ

  • 魚住くんシリーズがBLの枠を超えた作品と呼ばれる意味がわかった今作。
    せっかく心を通わせることができた少女が目の前で亡くなってしまう衝撃…。
    この作品の登場人物は良い人ばかりなので、みんなに幸せになってもらいたいのにどうしてこうも切ないんだろう。
    魚住と久留米の関係が大きく動き出しそうなので今後の展開が楽しみです。

  • 大好きな魚住くんシリーズの中でも最も泣ける胸に響くストーリーでした!読み終わってからタイトルの意味が胸に刺さります!

  • あらすじや評価を見ずに読み始めて、途中嫌な予感を抱きつつ読み進め…あまりの展開に思わず息を飲んだ。
    先が気になるのに怖くてページを捲れなくなったのは初めて。
    心を通わせ始めた少女を目の前で失った魚住くんが、ひとり取り残される恐怖に怯え自らを傷つけてしまうまでの描写が恐ろしくて悲しくて。

    でも、魚住くんのまわりには久留米をはじめ、やさしくて強いひとたちがたくさんいてくれて本当によかった。

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

榎田ユウリの作品

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