- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041017821
作品紹介・あらすじ
タクシードライバーの磐田速人は、ある日「入日村」に迷い込む。そこは河童や天狗などの妖が闊歩する不思議な場所だった。村で出会った少女・彩葉はこの村を、うつし世とあの世の狭間に漂う存在なのだと言い、速人に仕事の手伝いを持ちかける。それは黄泉の国まで続く長い坂を登りきれずにさまよう魂を、坂の上へと導くこと。元の世界に戻れない速人は、彩葉と共に魂を救う旅に出るのだが…。心にしみる絶品ファンタジー!
感想・レビュー・書評
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ある日池に落ちて、あの世とこの世の狭間にある村、入日村にたどり着いたタクシー運転手の磐田速人。うつし世で生きるはずなのに入日村にたどり着き、名をナトリに奪われこれまで行きていたうつし世にも戻れなくなる。
村長たちが名を取り戻す準備をする間、入日村のタクシー運転手となる。乗せるのは人ではなく、うつし世に未練を残してあの世へ渡れない魂たち。
表紙の大きな木槌を持つ快活そうな少女と、白い手袋をしたタクシー運転手を不思議そうに取り囲む妖怪たち。妖怪話が好きなのと、仁木英之さんの本も読んだことがあったので気軽に手に取った。
人の死を扱った物語なだけあって、うっかり涙ぐみながら読んだ。
個人的に最後の話があまり好みではなくうーんという感じの展開。でも、臥せる彩葉とのやり取りのシーンは好き。
ちょくちょく情景をイメージしづらかったな。
続きがあるらしいのでちょっと気になるけど、気が向いたら手に取ろうかな。
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コンセプトや登場人物?のキャラクター設定、個々のエピソードなどはいずれも良いと思うのに、何故だかグイグイ引き込まれるような魅力を感じないままに終わってしまった。
シリーズとして続いているようなので、もう少し読み続けてみよう。 -
表紙とタイトルに惹かれて購入。文章的には自分には合わなかったのか、場面が色々飛びすぎて読みにくかった。話はとても魅力的なので面白く、完読。最後が急展開で、まさか速人が…。これの続編が出てるようなので、また書店で見かけたら購入したいと思う。
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現世に心残りがあり成仏出来ない人を、黄泉の世界へと連れて行く・・・
そんな世界に連れ込まれた八方塞がりのハヤさん。 -
元社長のタクシー運転手が、妻子を残して現世とあの世の狭間で成仏できない人間をあの世に案内する仕事に就く話。
死者の成仏に関わる話なので重い話が多いが、
妖怪や神様含む登場人物のカラッとした口調が雰囲気を中和している。
ただ、いまいち物語のジャンルがどっち付かずでインパクトに欠ける印象。妖怪たちのキャラがなんだか薄め。 -
設定に惹かれて読みました。
ポップな表紙から軽くて楽しい展開を想像していたのですが、意外と重めのお話でした。
登場人物が重い過去を背負っていて…みたいな作品は苦手なのですが、ファンタジー要素が強めだったからかすんなり読めました。
しいて言えば、最後の終わらせ方が少々無理矢理かなと。 -
一気に読んだ。ちょっと最後が急展開過ぎたような気がしたけれど、全体的には好印象でした
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うつし世とあの世の狭間にある「入日村」に迷い込んだタクシードライバーが、あの世に行けずにさまよう魂の未練を解く仕事を任されることに。世界観や設定はすごく好みでした。人情話はよかったですが、後半に話を広げて展開させてからは駆け足すぎた感があって残念。
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この世界には、私たちの生きている世界と、黄泉の国である死後の世界がある。この世界で人が亡くなると、みな黄泉坂を上って黄泉の国へ行くのだ。
現世に未練があり、上り切ることが難しい魂たちを手助けすることになった主人公速人の物語。
のほほんと死後の世界が明るく照らされる内容で、この黄泉坂案内人たちと、狭間に住む住人たちの中でも大きな事件があり……。見えざるものが見えなくなってしまった現代の、怪異譚的小説。 -
多くの皆さんが書いていらっしゃったように、分かりにくい所はありましたが、ファンタジーですし自分の想像で埋めて読んでみればいいかな、といったところです。
東京者の自分には関西弁のセリフが多い文章は読みにくい、というのもありましたが…。
「だいだらさん」や「玉置さん」、好きだなぁ。