事故調

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018323

感想・レビュー・書評

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  • 伊兼源太郎さんという小説家さんは、以前に一度読んだことがあります。
    それが信じがたいことに、「伊坂幸太郎さんの新刊だ!」と買って読んで、読み終わってから、「伊坂さんも作風が変わったなあ・・・」と不審に思い改めて著者をちゃんと見直して、「伊坂さんじゃ無い!」と初めて分かったという・・・。

    それ以来の伊兼源太郎さん。とある地方都市で公共事業のミス?手抜き?があって、子供が死亡。第三者による事故調査委員会が開かれます。主人公はその自治体の市役所の役人で、元々刑事だったという風変わりなキャリア。そして、市長から、「事故調の委員長を買収しろ」と命じられます。

    基調としては横山秀夫風。ただ、あくまで「風」なだけで、横山秀夫さん独特のあのきめの細かい窒息しそうな緻密さは醸造しきれていません。
    そして終盤で意外な犯人が分かるんだけど、そのモチベーションというのがちょっと精神的過ぎる感じがして疑問符が拭えなかった感が。

  • 7月-10。3.0点。
    海岸で陥没事故発生。幼い少年が巻き込まれる。
    主人公は警官を辞め、市役所広報課。
    市の責任ではないように持って行く特命を、市長より受ける。

    典型的な勧善懲悪。真犯人も途中から想定内。
    あっさり読める。

  •  志村市の人工海岸で突然陥没事故が発生し、9歳の男の子が意識不明の重体となる。責任は一体誰にあるのか。元刑事で現在は市役所の広報課で働く黒木は、権田市長から、事故調査委員会よりも先に原因を探り、県警の動向も探れとの特命を受ける。

     最初はとにかく市の責任だという結果が出ないように、事故調査委員会で発言権をもつ人間に対して脅迫まがいの行為に出たり、刑事時代のつてを使って情報を集めることに遁走する主人公。しかしやがて何が大切なのかを思い出し、自らの組織を浄化する方向へと持っていく。情報屋や新聞記者の存在が、主人公の元々の人間性をうまく表しているなぁと思った。現実にある事故調査委員会もこんな風に裏工作されていたりするんだろうか。

  • 市の管理する人工海岸で、幼い男児が砂の陥没事故に巻き込まれた。避けられない事故だと主張する市に対し世論は管理責任を問う。主人公は市広報課の職員で元刑事。中盤までは中だるみして読むのが大変だったけど、後半はテンポ良くなってきた。それにしても市の職員もあんな人ばかりではないと思うのだけど、教育委員会の課長さんはさすがにサイコパスだと思う。


  • 前半は なかなか話に入り込めず 読み進めるのに時間がかかってしまった

    どうも 主人公のモヤモヤした心情に引っ張られ 自分のモヤモヤが 集中を邪魔していたようだ

    後半 自分のすべきコトを受け入れる決心をしてからは ページをめくるのが止まらなかった

    みんなそれぞれに過去があり 思いがある
    信念を持ち続けることは難しい
    けれど 心の中には熱くて 優しい 正しくありたいという気持ちを持っていたい
    そう思わせてくれる気持ちのいいラストだった

  • 読み終わって考えると予定調和の勧善懲悪の普通の小説と感じてもおかしくないのだが、やはり伊兼氏の文章を読んでいると熱量が半端ない。知らず知らず主人公の黒木に感情移入してしまい、途中からプロットも読めてしまったが、そんなことは些末と思えるほど、素直に感動できる。人によって感想は違うだろうが、私は全面的に伊兼作品が大好きなんだと改めて感じた。

  • 志村市の人工海岸で、幼い男児が砂に埋まり意識不明の重体となるという痛ましい事故が起きた。
    回避できない事故と主張しようとする市に対し、世論は管理責任を問う。
    刑事から市役所への転職を経て広報課に勤める黒木は、経験と人脈をかわれて市長からの特命を帯び、被害者の家族や事故調査委員会の窓口役を任される。
    穏便に仕事を終わらせようと粛々と物事を進めていた黒木だが、届いた告発文から、事故には重大な見落としがあると気づいて―。
    (アマゾンより引用)

    何か、市民の人たちがうざすぎる。
    実際も多かれ少なかれあるんだろうなぁ。
    うざすぎる。
    いつもかけてくる爺さんはいい感じやった。

  • 警察の協力があってこその結果

  • 前半は気だるいが、そこで背景が決まる。後は怒涛のラスト。

  • 復讐気が長い

  • 人工海岸で起きた陥没事故。
    厳しい世論の中、市長から下った特命とは。
    明石での事故を思い出しながら読む。
    さまざまな立場、それぞれの過去を抱える人たちの人間模様が描かれ、引き込まれる。
    人の行動には、何か結果が伴うが、その責任と向き合う、主人公の葛藤が描かれている。

  • 元刑事の黒木が市の職員として、人工浜で起こった砂の陥没で少年が死亡した事件の真相を調査する物語だが、責任逃れの姿勢ばかりが目立つ地方公務員の悪い面と少数だがキラリと光る職員を上手く描いている.当時の工事責任者等の聞き取り情報の中から、重要な所に気づく感の良さで責任者を突き止めるが、最後の場面で意外な人物が壮大な裏工作をしていることが判明する部分は秀逸だ.面白かった.

  • 伊兼源太郎作品初読み。
    何年か前の明石の同様の事故を元にかかれているのかなぁ?
    こういう公共の場での事故に対しての責任追及は難しい上にお役所仕事・お役所体質では責任追求どころか責任の所在を追求することすら難しいだろうな。
    役所・企業・個人を問わず何事も無ければそれで良しって感じなのかもしれない。
    警察あがりの職員がボディーガード的な役目以外の部署に配置されることはないんじゃないと思っているのは私の偏見なんだろうかw

  • 面白いですが、協力者が多く上手く行き過ぎな気がしました。

  • 明石の人工砂浜陥没事故に題材を取っている。普通にありそうなストーリー。

  • 明石の大蔵海岸で起きた人工砂浜陥没事故をベースにしたヒューマンミステリ。結末が少し駆け足な感じが気になりましたが、登場人物達も魅力的で楽しめました。

  • まあまあかな。

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著者プロフィール

1978年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。新聞社勤務などを経て、2013年に『見えざる網』で第33回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。2015年に『事故調』、2021年に「警視庁監察ファイル」シリーズの『密告はうたう』がドラマ化され話題に。本作は地方検察庁を舞台としたミステリ『地検のS』『地検のS Sが泣いた日』と続く「地検のS」シリーズの最終巻にあたる。他の著作に、『巨悪』『金庫番の娘』『事件持ち』『ぼくらはアン』『祈りも涙も忘れていた』などがある。

「2022年 『地検のS Sの幕引き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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