さあ、地獄へ堕ちよう (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.17
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本棚登録 : 129
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041019368

作品紹介・あらすじ

SMバーでM嬢として働くミチは、偶然再会した幼なじみから《地獄へ堕ちよう》というWebサイトの存在を教えられる。そのサイトに登録し、指定された相手を殺害すると報酬が与えられるというのだが……。

感想・レビュー・書評

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  • さあ、地獄へ堕ちよう
    191207読了。
    今年107冊目今月5冊目。

    #読了
    #菅原和也
    #さあ地獄へ堕ちよう

    著者のデビュー作
    一般人の関わりの少ない分野を盛り込んでいるのは目新しい。

    ネタは真相が見えやすい。

    裏表紙に「暗黒青春ミステリ」と書かれているが、暗黒というよりアングラ、青春ではないしミステリとしても少し疑問。

    全体的に重い曇天のイメージ。

  • 24歳でこんなものを書けるだなんて人生の経験値が違いすぎる。     
    しかもこれだけやっておいて最後はちゃんとしたミステリーとして仕上がっている。     
    なんだこれはたまげたなぁ。      
    読んでるだけで目が痛くなるし指が痛くなるし腕が痛くなるし背中が痛くなるし脚が痛くなるし、心が痛くなる。

  • 主人公であるミチは周囲に上手くあわせることが苦手だ。
    だから馬鹿のフリをして、笑ってその場をしのぐこともある。
    だけど、どうしようもないくらいに感情を抑えられないことだってたまにはある。
    冒頭でピンクのフリフリ衣装を着て、自分の感情を切り離して、人形のようにステージに立つミチがいる。
    結末近く、やけにパワフルで行動的で、情け容赦がないくらいにためらいのないミチがいる。
    そして、彼女が変容していく過程の描き方は、けっして丁寧ではない。
    そのために、読んでいてもどこかしっくりとこないギクシャクしたものを感じてしまう。
    作者である菅原さんにはすべてわかっている。
    菅原さんの作り上げた世界の中で物語は進み、ミチや登場人物たちが殺したり殺されたりしながら結末へと向かっていく。
    だが、読み手であるこちらにはその世界を理解するだけの猶予がない。
    丁寧な描写もなく、提示された抽象的な世界を観念で捉えることで精一杯だ。
    刺激的な場面は多い。
    過度に残虐さを強調しているわけではないが、かなり刺激は強い。
    グロテスクな場面が苦手な人にはあまり薦められない物語だ。
    もう少しミチの内面が理解できたら。
    もう少しミチに共感できる何かがひとつでもあったら。
    それでも、最後まで読ませる何かがある物語だった。

  • SMバーで働くミチが幼馴染に出会い「地獄へ堕ちよう」というサイトを知る所から物語が加速していく。
    身体改造、ボディサスペンション、ブレインピアスなどエログロの世界がリアルに描かれている。そして「地獄へ堕ちよう」のサイトの正体は本当にありそうな話。色々と残酷な話ではあるが不思議と読了感は悪くない。

  • 2012年の横溝正史ミステリ大賞を当時の最年少で受賞した作品。初期作だからか、尖ってるというか作者の趣味が出過ぎてるというかグロが強い。強すぎる。最後のも、え?じゃあ死んだ人たちなんだったの?的なオチ。

  • んー、達者な暗黒筆だけど、
    これじゃ、誤解のお陰で殺された人たちが可哀想過ぎる…

  • 人体改造ーボディサスペンションという言葉を初めて知った加速ブッ飛び‼︎な小説
    確かミステリも混じっていたと思うが
    そういう面もとても楽しめた
    知的好奇心を最後まで掻き立てられる作品
    一気に菅原氏のファンへ。熱烈ダークサイド、大好き。

  • グロい。なんだろう、起きてることはそこそこの事なんだけど、やっぱりグロい。描画力の差か。でも、これが映画化されたらとても美しい作品になるんだろうなと思った。著者がこれを発表したのがわずか24歳とは、とても思えない。

  • 醜くも美しく、グロテスクだけども清々しい、破滅と希望に溢れた珍しい気持ちの良い作品でした。逸材です。次回作が楽しみ!

  • 前半は少しダラダラとした展開だったが、後半は非常にスリリングでおぞましい展開が続く。

    主人公は会員制のSMバーで働く22歳のミチ。ミチが幼馴染みのタミーと出会い、『地獄へ堕ちよう』という裏サイトを覗いた事から、次々と事件が起こる。次第に明らかになる『地獄へ堕ちよう』の秘密…

    金原ひとみの『蛇にピアス』も、ぶっ飛ぶような身体改造の描写。悪魔的な凄惨な殺人は、ウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を彷彿とさせる。

    デビュー作にして、横溝正史ミステリ大賞受賞作。荒削りではあるが、かなり力のある若い作家がデビューしたものだ。

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著者プロフィール

1988年茨城県生まれ。ピアノバーのバーテンダー、クラブのボーイなど異色の経歴を持つ。2012年、『さあ、地獄へ堕ちよう』(KADOKAWA)で第32回横溝正史ミステリ大賞を、史上最年少の24歳で受賞しデビュー。繊細かつ破壊的な筆致で独自の世界を紡ぐ本格ミステリ界の異端児。著書に『CUT』、『柩の中の狂騒』(ともにKADOKAWA)、超能力者の団体の研究所を舞台にした青春ミステリ『ブラッド・アンド・チョコレート』(東京創元社)、『あなたは嘘を見抜けない』(講談社タイガ)など、話題作を次々と刊行する。

「2018年 『あなたの罪を数えましょう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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