- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041020456
感想・レビュー・書評
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最近は西村賢太ばかり読んでいます。
もう、西村賢太にあらずんば作家にあらず―というくらい。
今年になってから小説を4冊読んで、手元にはまだ2冊あります。
いずれ全著作を読破するつもり。
密やかな愉しみです。
ただ、新作が出ることは、もう二度とありません。
云うまでもなく、西村賢太は今年2月に亡くなったから。
読み切ったら繰り返し読むしかないでしょう。
ところで、小説だけでなく、随筆も読んでみたい―と、取り寄せたのが本書。
ファンの間で「日乗シリーズ」と呼ばれる作品群の第1弾です。
西村賢太の日記。
毎日、どこへ行き、何を見て、誰と会い、何をどれだけ食べて飲んだのかが記されています。
まず、興味を引いたのが、その食いっぷり、飲みっぷり。
たとえばある日の夜(というか深更)のメニューは次の通りです。
缶ビール2本、宝1本、冷凍食品の牛皿とレトルトカレー、ウインナー缶、オリジンの白飯。
「宝1本」というのは、宝焼酎の720ml瓶のこと。
これを毎晩、ほぼ1本空けるのです。
しかも大量の食べ物と共に。
これでは体を壊すというもの。
でも、西村賢太には、そんな世間の常識なぞ関心の埒外。
ファンにとっても、そうした不健康な生活があって、傑作の数々が生み出されたとあっては、積極的に支持しないまでも、看過するほかありません。
結句、死んでしまったわけですが…。
日記にはその他、編集者との諍いや芸能活動、もちろん創作についても語られます。
規格外の作家の日常に触れられる貴重な日乗です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館借り出し
すごいなぁ。
こんな日常。
やっぱり芥川賞作家ってすごい。 -
日記形式の作品で、本当にその日のあった事を淡々と書き連ねている。
短い日はほんの数行。
短い文章の中に色々な出来事が上手く書き込まれていて、いつのまにか引き込まれてしまった。
ほぼ、一気読みして、西村賢太さんの作品を色々と読んでみたくなった貴重な作品であった。 -
苦役列車に続き、もう少し読んでみたくなった西村賢太。
基本ただの日記なんだが、芥川賞前後の生活が書かれていて、興味深い。
執筆をボールペンとノートで下書きからしてるのはある意味すげえと思ったのと、藤澤清造のマニアッぷりがすごい。
やはり成功する人は、信念やメンターな存在を大切にしているんだと納得。
もう少し西村作品を読みたい -
無頼と評される事が多く、見た目からも無骨な印象を受ける事の多い著者。でもその印象がいい意味でひっくり返される。
苦手意識を持っている人こそまずこの本から彼の作品に触れてみてほしい。