七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.60
  • (60)
  • (239)
  • (233)
  • (20)
  • (2)
本棚登録 : 2113
感想 : 184
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041020463

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 犬養シリーズ第2弾。
    タイトル通り、7つの毒のありそうな話の短編集。

    どんでん返しなのは、ええけど、何か人の心を弄んで、殺人に至らすみたいな後味の凄く良い?話の連チャン。
    裁けない悪みたいな感じなんやけど、そんな悪人でもない。
    人は、ある瞬間に、善人から悪人に変わるって事かな?
    しかし、この短編集で、どんでん返しばかりは、小説作るの大変な気が…

    犬養さんは、カッコ良いけど、それだけに女心は、分からんのか女性にはサッパリ。なのに、男性の嘘は、バッチリという個性的というか何というか…というキャラクター設定は面白い。

    まだ、シリーズ既に手元にあるので、楽しませて下さい〜(^_^)v

  • 大好きな作家さん、中山七里全然の短編集。
    こちらは、犬飼刑事の短編集ですな。

    俳優のような見てくれの犬飼刑事。
    男の嘘を見抜けるが、女の嘘は見抜けない(笑)

    この本も犬飼刑事がばっさばっさと見事に斬っていく(笑)

    短編集だが、一話一話にしっかりとどんでん返しを用意しているところが、さすがの中山七里先生。

    なかなか短編集でここまでのクオリティーって無いのではないかな?

    隙間時間に一話一話読むのがオススメ。

    親友が自殺した、、、
    って話は、おーそーくるんかい!ってびっくり。
    何冊もミステリ読んでるんだから、そういう展開も慣れてる筈なのに、毎回しっかりひっかかる、読書としても都合のいい私(笑)

  • 中山七里がこんなに面白い小説を書くとは知らなかった。「さよならドビュッシー」なんて馬鹿にしていたけれどね。七つの色一つ一つに関係する事件が七つ、それを犬養隼人刑事が解決する。どれも必ずどんでん返しがあって、薄っぺらい話で終わっていない。人の心を操るというところにポイントがあるかな。初めの話と最後の話がつながっているのも、まとまりを出していていい。それにしても「無駄に男前」と言われる犬養刑事の人物像がなかなか味がある。

  • 短編集。

    あまり短編は好きではないんだけれど、今まで読んだなかで一番濃厚濃密で短編であることが気にならない一冊でした。

    「毒」という言葉が遅効性の毒のようにあとからじんわりと効いてくる。法では裁ききれない悪意や企み。しかし因果は結局巡ってくるというそちらもある意味「毒」であったように感じる。
    人間がもたらす毒は、周りから見える悪態や暴言、暴力だけではなかったことに深い恐怖を覚えた。

  • 赤色の回で伏線を張り巡らして、紫色の回でキッチリ伏線回収かい。
    お見事、もう達人としか言いようが無い。
    これからもずっとついて行きます笑

  • 犬養刑事が事件の謎を解く、7つの短編。「赤い水」「黒いハト」「白い原稿」「青い魚」「緑園の主」「黄色いリボン」「紫の供花」。「赤い水」と「紫の供花」は連作になっている。

    何れも、犯人に迫る捜査過程ではなく、犯人の意外性で読ませる作品。犬養刑事も真相を語る役に徹している。軽く読めて、それでいて切れのよい作品たちだった。

  • 7つの短編集。様々なテーマを描かれてるんだけど、さすがに短すぎてちょっと消化不良笑 真相に導く犬養刑事の着眼点と推理は脱帽ものなんだけど、短すぎるので、時間発生→解決、起承転結の起と結だけみたいな感じ。それぞれの作品を長編バージョンで是非読みたい。それにしても中山七里、才能があふれてます。凄い作家さんだな。

  • 何だかバタバタ慌ただしい日が続いてしまって全く本が読めない時期が続いていたのですが、やっと読めたー!やったー!
    やっぱり活字はいいものです。

    前回初めて犬養刑事の長編を読んだのですが、今回は七つの事件が収録された短編集。とはいえ一つ一つの話の内容がとても濃いのでこんなに沢山読ませてもらっていいんですか!?贅沢すぎでは!?と思いつつ一気読みしてしまいました。
    犬養刑事が俳優養成所に通ってた、とかとにかくめちゃくちゃにイケメン、とかの設定はこの頃から生き始めた感じなんですかね?
    あと話が七つなのは虹色だけじゃなくて七つの大罪もかけてるのかなぁとか思ったり。

    私は犬養刑事の話はイヤミスものだと勝手に思っているのですが(定義に当てはまってるかは分からない)、今回の話も何と言うか……人間の悪意めちゃくちゃに煮詰めた感じの話が多くてうわぁ、となるものもかなりありまして。
    個人的に「黒いハト」、「青い魚」、「緑園の主」あたりはちょっときつかったですね……短編でよかったこれ長編だったら途中で挫折してたかもしれないと思う。

    犬養刑事の話、とはなっているけれどほんの少しだけしか登場しなかったりとか別の刑事との絡みなんかもあったりするので話が一辺倒という訳でもなく、やっぱり中山七里さんは話の組み立てが上手いなぁと思いました。

  • 前作『切り裂きジャックの告白』の
    犬養隼人シリーズ第2作目です。
    前作とは違い、7つの短編となってます。

    どの話もページ数は少ないのに
    どんでん返しがあって面白かったです。
    なんとなく、こうなるかな?と思っていた
    展開を遥かに凌駕するオチばかりでした。


    ここからは各章の感想です。


    「赤い水」
    バス事故の話なのに、なんで赤い水という
    サブタイトルなんだろう?と思いましたが、
    まさかそう来るとは思いませんでした。
    法律は殺意を裁けない。

    「黒いハト」
    イジメは犯罪です。軽いものじゃない。
    イジメる側は本気でやってないことが多い。
    でもイジメられる側はいつだって本気で
    悩んで傷付いているんですよね。

    「白い原稿」
    本が売れれば何でもいいという
    出版社の考えは実際にはあるんでしょうか。
    私も書店員だった頃、問題になった
    犯罪者の独白本がありました。
    売りたくない本。心に刺さります。

    「青い魚」
    人間は皆悪人。程度の違いがあるだけ。
    その文章の通りだと感じました。

    「緑園の主」
    起こった事実と真相は別物。
    誰しも表の顔と裏の顔はあります。
    それにしてもな裏の顔でしたが…

    「黄色いリボン」
    世にも奇妙な物語みたい。
    翔と直也の続きが気になります。

    「紫の供花」
    書き下ろし作品。
    ある物語の続きが描かれてます。
    あの人は真の悪人にはなれなかった人。
    いろいろ考えさせられます。

  • 犬養隼人刑事が活躍する7編の連作短編集。短編なので、あっという間に読めるが、さらにどんでん返し付き。お気軽にどんでん返しミステリーが楽しめる。

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×