怪しい店

著者 : 有栖川有栖

• KADOKAWA/角川書店 (2014年10月31日発売)

感想・レビュー・書評

[1080magicさんの感想 · 2019年1月4日]

「怪しい店」：前段の「エルシー」が伏線と思えば関係のない話。筋に整理が欲しい。フ―ダニットだが、人間分析に深みが感じられない。
潮風理髪店」がなぞは残ったままだが、いい感じ。
古物の魔」古物は持つべき人を待ち、その出会いを作るのが古物商　東京バンドワゴン」にあったような言葉

[りりさんの感想 · 2015年4月16日]

有栖川有栖と火村英生のが活躍する推理劇シリーズの短編集です。

今回の短編集は探偵役以外にも舞台がすべて『店』に何かしらの関わりを持っている、という共通点があります。
あとがきによれば以前出た短編の姉妹ともいえる作品集、とのことです。

短編集なのでそれぞれに含まれる謎は少な目で、さらりと読んでいける感じです。
また、テーマに沿って書かなければいけないというミステリとは別のハードルがある事で少しいつもの作品と風合いが違うような気が個人的にはしました。

ガッツリとした長編が好きな方には少し物足りないかもしれませんが、コマチさんとの同行シーンや火村准教授の本職としての活動シーンなど、少し珍しい風景が眺められるのでシリーズファンは違った楽しみ方もできるのではないでしょうか。

≫シリーズざっくり
　准教授である火村英生は、自身の研究の一環として非公式に警察の捜査に立ち会っている。
　その過程で出会う研究対象…犯人たちを澄んだ思考を元に誰よりも早く見抜いていく。
　助手である有栖との友人ならではの軽妙な会話も楽しみの一つであるミステリシリーズ。

≫目次
　古物の魔
　燈火堂の奇禍
　ショーウィンドウを砕く
　潮騒理髪店
　怪しい店

≫BOOK DATE
怪しい店／KADOKAWA／有栖川有栖／913.6 あ
9784041021415／285p 20cm 1600円／2014.10

著者プロフィール

１９５９年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。８９年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」