死呪の島

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著者 : 雪富千晶紀
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041022511

死呪の島の感想・レビュー・書評

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  • 以下、今年の読み初めとなった。

    第21回ホラー小説大賞受賞作、孤島が舞台の民俗学ホラー、帯には選考者の貴志祐介、宮部みゆき、綾辻行人の推薦文が踊る。否応なしに楽しみな一冊だった。

    読後は、ジュブナイルファンタジーとして一層光っている作品だと感じた。小学生の頃に読めたら、一層楽しめた気がする。

    実際、総じてエンターテインメント小説として巧く、あっと言う間に読んでしまった。次から次に畳み掛けながらも伏線を丁寧に拾っていく物語、平易で読みやすい語り口は時に描写の凄惨さを和らげ、また時に登場人物の心象をこちらに委ね余韻を残す。各章1時間程度で読める短篇集的な構成も個人的に良かった。

    ただ読みざわり滑らかであるが故、ホラー小説に欲しい「間」や「おどろおどろしさ」に物足りなさも感じたのも事実。物語の主軸も、島の因習と運命に翻弄されつつも立ち向かう主人公たちの葛藤ということで、そう考えると本書は良質なジュブナイルファンタジーという方が適当な気がする。

    カテゴライズはさておき、年初からいい作家さんを知ることが出来たのは嬉しく、次回作に期待が膨らんだ。

  • 須栄島で打保椰々子に関わる人が次々と殺される.町長の息子の白波杜弥が中心になって解決する物語だが、「顔取り」には度肝を抜かれる感じだ.「亡者の海」で椰々子の生い立ちが判明するが、オカルト過ぎる.新任警官の田所が意外な役割をしているのには、気が付かなかった.楽しめる.

  • 水準以上の作品であることに異論はないが
    過去の日本ホラー小説大賞のような
    カタルシスを得られたかというと
    明確にノーと言わざるを得ない。

    一言で言うと、ぬるいし、新味に欠ける。

    高校生の甘酸っぱい恋愛模様を終始散りばめて、
    最後は高校生がお互いを強く抱きしめあって、
    甘く見つめ合いながら終わる。

    私の考えるホラー小説は、こんな終わり方しない。

  • 日本ホラー小説大賞受賞作品。
    うわー、もういかにも!といった雰囲気全開のばりばりホラー。こういうの大好きです。たまらない!
    かなりいろんな要素がいっぱいいっぱい詰め込まれて、ややごちゃっとした印象も受けるけれど。どの要素も魅力的なので、満足満足♪ 中でも補陀落渡海のエピソードが邪悪で素晴らしい。あの人の悲惨な末路が予感させられるのにも絶句。まああまり同情はできないんですが。
    ラストの怒涛の展開も圧巻。個人的にはこういうホラー、後味悪い方が好きなんですが(苦笑)。こういう爽やかな読後感ってのも意外でいいかも。

  • ジャンルとしてはホラーになるが、綾辻行人氏の「アナザー」などと同じで、起きている事柄の多くは現実(科学的)では解明できないことだが、そのそれぞれの因縁や要因は謎として提示され、全てラストまでに解き明かされる。そういう意味ではサスペンス的な要素も強い。

    顔無し、結界、人食い鮫、謎の客船、クルーザーに乗った一団、何もないところを向いた鳥居、篝火、呪術・・・etc、様々な謎が、伊豆沖の孤島で繰り広げられる。
    これらを高校生の主人公の眼を通して描くだけでなく、島の因習的で閉鎖的な日常を背景として、謎を解いていこうとする視点で描かれることでサスペンスとして読み易くなり、ホラー的な部分も受け入れやすくなった。

    ガジェットが豊富であるだけでなく、バックボーンとなるストーリーが良く練りこんであるし、”誰が?”という部分もあって一級のエンターテイメントになった。

  • 神がかってるのかか、ホラーか?私は苦手だ。でも、ハッピーエンドは大好きです。

  • 全てを敵、味方に分けてやっつけてハッピーエンドにするのではなく、「巡り合わせが悪かった」「仕方ない」で済ませるのが、日本的ホラーだと思った。
    ちょっとブードゥーが便利すぎたり、あっけなく重要登場人物が死にすぎたりするところはちょっと気になったが、トータル的には面白かった。

  • 【図書館本】第21回日本ホラー小説大賞大賞受賞作ということで、興味津々で読んだ。読みやすかったが、思ってた以上に時間が掛かった。内容に色々なことがあって、面白くしそうという気持ちがよく解るが、ディテールが甘いところが見受けられる。でも新人作家ということを考えれば、よく書けていると思った。顔取りのアイデアはとても面白かった。ハッピーエンドで終わったのは、不思議な感じ。残●よりは、こっちが好きかな。

  • 顔取りなど前半は楽しく読めたが、内容が盛りだくさんすぎて回収するのに疲れた。

  • どろどろのホラーと爽やかな青春小説がうまく調和したバランス感がよかった。
    運命の力には誰も抗うことはできない。
    ボタン一つ掛け違えただけなのに本来生きられるはずの幸福な生活とは真逆の怖ろしい闇が待っている。
    赤子だった椰々子が閉鎖的な島に漂着してから始まる呪いの力、顔とり、続く身近な人の死、スピード感もあり早く先が読みたくてページを捲る手が止まらない。
    死をもって呪から開放されたルネも運命に翻弄された被害者でありただただ安らかに眠ってほしいと願った。

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