- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041024744
作品紹介・あらすじ
鬼とは見えぬもの。鬼とは隠れたるもの。魅入られる人の裡に、鬼はいる。愛とは情欲である。執着に溺れ、永遠に煩悩の虜になる。それを――鬼と云うのだ。九篇の鬼気迫る物語を収めた「 」談シリーズ第四弾。
感想・レビュー・書評
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鬼に関する短編集。怪談というのも違う気がするけれど、読んでいて何となく怖くなる話。
いわゆる昔話で見る鬼そのものではなく、人の感情や行いを鬼としている感じかな?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう感性が好き。 ただただ才能に感服!
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鬼はヒトの裡に棲む。よって現れぬが、そこにある。見なくてよい、見る必要がない。常にともにいる。見んとするほどに、ヒトは鬼と化していく。
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「」談シリーズ。
鬼縁はオチは予想できたが、唸らされる。
鬼景も、自分の記憶の齟齬を怖く思う。
何度も読み返すことになるのだろう。 -
愛、絆、情―すなわち執着は、人を鬼と成す。人は人を慈しみ、嫉妬し、畏れをいだく。その思いが強ければ強いほどに。“生と死”“人と鬼”の狭間を描く、京極小説の神髄。「」談シリーズ第四弾となる、鬼気迫る短篇集。(アマゾン紹介文)
最後が明示されているお話と、そうでないお話。
どちらが好きかと考えると私は前者で、だから、この一冊はもやもやが随分と残ります。
どうしても、「なぜ」をつかみたくなる。
「鬼想」「鬼縁」「鬼気」がよい。
「鬼気」は、とてもとても厭で、よい。 -
鬼に関する怪談話。もっとも怖いように計算されたような文章。各文章が不気味な雰囲気が蔓延している。一番おそろしいのは「鬼縁」かな。2つの時代がシンクロして、最後に向かっていく。最後にどうなるかぼんやりとわかっても、その最後の部分がおそろしい。
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ライトな短編集なんだけど、じわっとヌメっと感覚的に恐怖に近い「快感ではないもの」を感じさせてくれる1冊。
不快じゃないの。
でも、快感じゃないし、フラットな気分でもない。
まさに「この世とあの世の境」にある何らかの気分にさせてくれるような本でした。
我が家の女性陣は、今ちょうどそんな状況にあるからか、痴呆が始まった親を、好きなんだけど、いなくなってくれないかな…って思う青年のお話が心に残ったそうです。 -
『冥談』及び『幽談』と同様やはり難解でした。
ただ「鬼」という主題は身近なだけに気持ちのおさまりは良かったと思います。とりわけ『雨月物語』からの「吉備津の釜」と「青頭巾」こういった解釈もあるのだなと得心しながら読み進めていました。
「鬼」の語源は「隠」おらぬもの・隠れて見えないもの、という説もあるそうで、本作もこれに基づいた作品だろうかと楽しめました。
お気に入りは「鬼想」「鬼棲」「鬼気」「鬼神」 -
「鬼交」えろい。
「鬼想」八百人の子供の首を斬り落とさなければならぬ程。よかったよかった。
「鬼縁」弟が生まれた女の子と片腕のない桐生家嫡男の話。面白かった。
「鬼情」鬼と禅問答。ちょっと鉄鼠を思い出す。
「鬼慕」雨月物語 吉備津の釜。面白かった。
「鬼景」こわいですやめてください
「鬼棲」伯母さんと紅茶を。ないものは怖い。
「鬼気」健呆症の母への疎ましさと顔を半分隠した女。
「鬼神」流行り病の村の因業。
鬼縁、鬼情、鬼慕、鬼棲辺りが好き。 -
暑くなり始めた頃に読むと、ちょうど良いゾクゾク感(^^;)鬼に引き込まれてアッという間に読み終えた!どの話もジワジワと恐怖がやってくる(゜゜;)これ京極夏彦さんの朗読で聞くともっと怖いんだろうな(>_<)「雨月物語」とか鬼が出てくる古典もの好きで読んでたのに、忘れているから久しぶりに読んでみっか!と思った(^^)