藤原定家●謎合秘帖 華やかなる弔歌 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024904

作品紹介・あらすじ

後鳥羽上皇から勅撰和歌集の撰者に任命された定家。しかし歌神と名乗る者から和歌所を閉鎖せよと脅迫文が届く。次々舞い込む弔歌と相次ぐ歌人の死に関連はあるのか。定家は長覚の力を借りて謎解きに挑む――

感想・レビュー・書評

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  • 和歌ミステリの一冊。

    後鳥羽上皇から勅撰和歌集の撰者に任命された藤原定家が和歌所閉鎖の脅迫文、弔歌と歌人の死の謎に迫る和歌を軸にしたミステリ。

    鎌倉での頼朝の死から三年、京の都ではこのような時間が流れていたのか。

    興味深さと共にこの時代の上皇を取り巻く世界、都の空気をたっぷり味わえた。

    有名な数々の和歌に込められた想いを味わえたのも楽しかった。

    改めて言の葉の奥深さ、美しさを感じる。

    鎌倉サイドとの絡め方も巧く、物語に膨らみを持たせていたと思う。

    最後はせつなさも感じられて満足。

    この時代の速攻で和歌を詠む才能がすごい。

  • 藤原定家 謎合秘帖 シリーズ2

    藤原定家、41歳。御子左家当主。
    昨年、後鳥羽上皇によって勅撰和歌集の撰者、六人の内の一人に選ばれた。

    歌人としての最高の栄誉をつかみながら、官職の方は、昇進せず、近衛少将のままで、今一つぱっとしない。

    定家はじめ、勅撰和歌集の撰者たちは、日々、和歌所に参上して、和歌選びにいそしんでいる。

    そんな折に、歌神と名乗る者から、
    当代六歌仙の死を予告する不吉な文が、届いた。
    一首の歌と、もう一首「本歌取り」の歌が書かれていた。

    やがて、一人、二人と、歌人が死んで行く。

    歌神の正体は?
    歌人たちの死を利用して、いかにも自分の力であるかのように見せかけているのか?
    それとも、強力な呪詛の力を持ち合わせているのか?

    定家は、現場を検証する事なく、事件の本質を見抜く、園城寺の美僧・長覚の力を借りて、見事に、謎解きをする。

  • ミステリーとしては、要所要所にたくさんの鍵が見え隠れする設定でありながら、主人公の定家があまりにも鈍感である。

    歌人としての定家への尊敬の念から、こんな定家は見たくないと思うのである。

    定家の話を聞いただけで、ほとんどの推理を脳内の仮定と論証で解き明かす長覚の冴えは魅力的だが、どうも釈然としない筋運びだと思うのだ。前半のだらだらした展開は要らないではないか。

    とは言え、古典文学を学ぶ者にとっても、この本は興味惹かれる内容だとは思っている。

  • 小倉百人一首周辺くらいしか和歌の造詣はないワタクシですが、しっかり楽しませて戴いた。

    六歌仙のプロファイルと合致する、当代の歌人を探していくのなんか、ミステリの王道じゃないの。

    しかし、こうやって改めて弔歌ばかりを並べられると、その豊かさ深さに驚嘆してしまう。恐るべし、三十一文字。

  • 何気に二冊目です
    何気に和歌知りません
    何気に文学部的作品

  • 鎌倉初期の時代がよくわかる!なかなかためになる平安ミステリー!

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著者プロフィール

篠綾子/埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。『春の夜の夢のごとく 新平家公達草紙』でデビュー。主な著書に『白蓮の阿修羅』『青山に在り』『歴史をこじらせた女たち』ほか、成人後の賢子を書いた『あかね紫』がある。シリーズに「更紗屋おりん雛形帖」「江戸菓子舗照月堂」など。

「2023年 『紫式部の娘。 1 賢子がまいる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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