疫病神 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024935

作品紹介・あらすじ

建設コンサルタントの二宮は産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれる。巨額の利権が絡んだ局面で共闘することになったのは、桑原というヤクザだった。金に群がる悪党たちとの駆け引きの行方は――。

感想・レビュー・書評

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  • R5.2.12 読了。

     二宮さんと桑原さんのコンビ、最高に良いですね。二宮さんはすごくタフで、驚きました。
     黒川さんの文章もとても読みやすくて、一気読みでした。
     続編も読みたいです。

  • 疫病神シリーズ、一作目。
    以前から読みたかった作品。
    登場する人物名と組織名が多くて、個々の繋がりがよく分からなくなってしまうことがたびたび。その辺が少し残念でした。
    そこそこ古い作品ですが、産廃処分場開発の利権が絡んだ内容は、なかなかおもしろかったです。

  • 二宮の底知れなさが、魅力的!

  • 先に「破門」を読みシリーズ物だと知って買った一冊。

    会話中心で進む話は読みやすく面白かった。

    途中組関係の繋がりなどが混乱してわかりづらくなったが、なんとか理解できた。

    「破門」同様にヤクザがらみの話なのに死人、殺人が起こらない話でもあった。

    コンサルタントとヤクザのコンビは読んでて楽しい。
    後のシリーズも楽しみになった小説でした。

  • 「疫病神」
    黒川博行さんの「破門」が面白かったので読んでみました
    「破門」は「疫病神シリーズ」と言われるものの5作目?
    シリーズモノの先に読むのもどうかと思ったけど「疫病神」を読了したかぎりでは
    特に拘らなくても問題なかったですね

    物語の主役は二人
     ○二宮啓介(にのみや けいすけ)
      二宮企画の建設コンサルタント、常に金に困っている
      本人は堅気と言ってるが付き合ってるのは組関係(父親が元二蝶会)
      喧嘩はしたくないし弱い
      親不孝者
      桑原のことが嫌い、常に離れようとしている、心のなかで毒を吐いている

     ○桑原保彦(くわはら やすひこ)
      大阪の二蝶会幹部
      イケイケのヤクザ
      二宮がカネになると思いまとわりつく

    「疫病神」をざっくり説明すると
    巨大産廃処理場をめぐりゼネコン、議員、ヤクザが
    カネを巡ってシッチャカメッチャカ(;´Д`)する話です
    (登場人物は9割男です、しかもクセのある男しか出てきません)
    このシッチャカメッチャカの中で二宮と桑原があっちへ走っては口三寸で交渉し
    こっちへ走ってはボコボコにして情報を手に入れたり
    こっちへ走っては吊るされてせっかく似て入れたカネ線を奪われたり
    更に走っては、3階の建物から海にダイブしたりとカネのために大立ち回りの連続
    ユキちゃん(登場人物)いわく「啓ちゃんて、ほんまにダイ・ハードやね」

    結論・・・「疫病神」は、「ダイ・ハード」です!! (;゚∀゚)=3ハァハァ

    どんな人におすすめ?
     ○二宮と桑原の関西弁のやりとりがテンポよく展開
     (イケイケヤクザと妙な堅気の息の合わない、でも一方的にはならないやりとり)
     
     ○ヤクザが出てきますがハードボイルドな感じは全くありません(~_~;)
      みんなカネ目当てに真面目?にコワイことします
      暴力描写が苦手な方は向いていません(素手やナイフ、ロープ、拳銃etcで無茶苦茶なことします)

     ○展開が早い
      いろんな場所に移動しては脅し、脅され、殴り、吊るされと
      まぁ忙しいです、睡眠時間削ってカネのため命のため走り回りるので飽きません

    この作品の魅力
    産業廃棄物処理施設の利権を巡る、政治、ヤクザ、業界団体のイザコザを
    二宮と桑原の凸凹コンビをとおして描き切る
    堅気とヤクザとで全く反りが合わないかと思いきや、妙なところで協力しあい助け合う
    登場人物は悪いやつばかりだが、この二人はどこか憎めない面もうまく出している
    会話の妙と、展開の速さ、利権の行方とページを捲る手が止まらというか
    どこで止めるかで迷ってしまうほど、終始緊迫した展開が楽しめると思います

    「破門」(5作目)でアルファロメオに乗っていたけど
    「疫病神」ではコロナ乗り・・・
    啓ちゃんがいつアルファロメオに乗り換えたのかも気になるので
    「疫病神シリーズ」の2作目「国境」を近々読んでみようと思う

  • 直木賞の破門より面白い気が。。二宮は堅気だが、心の芯には極道がいる。その描き方がうまいと思う。

  • アウトローな世界。その中で貫く自己美学が美しく感じる。面白コンビの続編、読まなくては。

  • 成功報酬500万で産廃建設の必要書類を揃えることを引き受けた建設コンサルタント二宮
    その後の一週間のうちに、ボコボコにされ、逃走、拉致され舞洲の黒い海に飛び込み逃走
    敵地に乗り込み桑原の救出、また逃走

    腹黒い人しか出てこないが、誰も死んではいない
    何とか成功報酬を得ることができたので、そのあたりは痛快
    隙間時間に読んでいたため、誰がどの組織か、どうつながっているのか混乱し、戻って読み直し また富南市(架空)がどの辺かグーグルマップで想像しながら読んだので、より楽しめた

    此花大橋を車で通ることがあれば、この小説を思い出すだろう 大阪って怖いなと思われなきゃいいけど

  • 産業廃棄物処理場を巡って、裏社会の人や市議会議員なども絡み合う。その中を金目当てに右往左往と駆け回る。どっちもどっちの疫病神同士の繋がりがなんか面白い。それにしてもハードだった。

  • 文庫本で読みました。こういうテイストの話ってほとんど読まないから新鮮。キャラクターの魅力で続編も読もうと思います。頭の良さと度胸。両方あればいいけど、少なくともどちらかはないと勝負はできないんでしょうね。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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