- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041025031
作品紹介・あらすじ
人類の未来を永久に変えてしまう、恐るべきゾブリストの野望――。破壊的な「何か」は既に世界のどこかに仕掛けられた。WHO事務局長シンスキーと合流したラングドンは、目に見えぬ敵を追ってサン・マルコ大聖堂からイスタンブールへと飛ぶ。しかし輸送機の中でラングドンに告げられたのは、驚愕の事実だった! ダンテの〈地獄篇〉に込められた暗号を解読し、世界を破滅から救え! 怒濤のクライマックス!
感想・レビュー・書評
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下巻が一番読みやすかった。
終末論の行く末は破滅なのだろうか。今ある問題は人類を滅亡させるかもしれない。それを皆が否認する。問題を感知しないようになるのである。誰かがやらねば。しかし、誰かが止めねば。
ダンテの『神曲』がテーマとなった本作。神曲の和訳を読んでみたくなった。毎度ながら、ヨーロッパの宗教観など、細かな説明を付けて、物語は進行する為、読むだけでも美しい建物や街並みは、実際には途方もない歴史が作り上げた傑作たちなんだろう、と妄想できる。
以下、ネタバレ含む(備忘録)。
天才が示した人口爆発問題への解決策。それは人間を愛していたからこそのものだった。シエナは、亡き天才ゾブリストの使命を完結させるのではなく、止めるためにWHOや大機構と先を争っていたのだった。人類の1/3が生殖機能を失うことになるウイルス。歴史が物語っている。誰よりも、それを手にしてはいけない相手は、WHOや政府であった。
しかし、遺伝子を変異させるウイルスの拡散を止めることが出来なかった。人類の未来や如何に。シエナは人類を救うことができるのだろうか。物語は小さな希望の光を見出して終わった。
ラングドン、お疲れ様。
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インフェルノ上中下、ようやく読み終わりました。
完読するまで、かなりの時間を費やしました。
理由としては、作中に出てくる場所を検索したり、歴史的建物を検索したり、と、想像するだけだは足りなくなるような量の歴史的な背景を理解しなければ、到底読み進められなかったからです。
私はそもそも、宗教に詳しくはないので、まずはそこから(笑)。
果てしなかった〜。
ということは、このダン・ブラウンという作家さんは、かなり地道に調べ上げ、実際に行ってみたりしなければ、書けなかったと思います。
色々な作家さんがいますが、調べて検証してさらに実際に行ってみてだという方もいれば、想像をもとに話しを作る方もいます。
もう、この方は呆れるくらいいろんな文献に目を通して検証して、現場に行った人だと思います。もちろん、有名な方なので、サポートはかなりあったとは思いますが。
なので、完読してかなり体力を消耗しました。というのが私の感想です。(笑)。
上中下巻ともに同じ内容の感想です。
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ロバートラングドンのシリーズが好きすぎる。
イタリアを舞台に、
ダンテの神曲を模した謎のメッセージを解き明かすミステリー。
イタリアに行った直後だったので、
位置関係や建造物がイメージできて
より楽しめた。
ラングドンのユーモアと美術・宗教・文化の知識に
引き込まれる。
壮大な敵味方の騙し合いと攻防に驚かされた。
ちょうど現実世界でもコロナウイルスが流行り始めたので、ゾブリストの陰謀と重ねてぞっとした。 -
「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」は既読となってます。(「ロスト・シンボル」は積本となって眠っています)
両作ともに小説は読みやすく面白いが映画はイマイチという感想の作品でした。特に後者の映画は酷かった....
で本作ですが。
結末にとても納得がいきません!
投げたボールが帰ってくるどころかそのまま川に落ちてゆらゆらとどこかに行ってしまったような気持ちの悪さ!
このシリーズはまだまだ構想が沢山あるらしいですが...なんかもうどうでもいいような...いや、出ればきっと読むんでしょうが...
ただ途中まではとても面白く読ませていただきましたし、イタリアを観光しているかのような丁寧な背景描写はとても勉強になりました。
(ネットで美術検索しながら読むのが楽しかったw)
映画が秋に上映されるようですが、まぁ原作がこれではとても期待はできないなぁ... -
そういうラストなの?!意外。
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人類による人類存続計画は、人類の未来がインフェルノへ向かわないようにするためのものなのか。インフェルノを予測するゾフリストによる、地下からの手がソレなのか。
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現世界が抱える終末的問題が動機であり,それを安易に解決しない結末を本作では選んだ.エンターテインメントとしての物語ではあるが,提示された問題は虚構の世界のものではない.物語世界を構成する街や美術品,建物が全て実存するものにすることで,虚構でありながら現実的問題として読者に突き付ける方法論は,言うは易く産むは難し.
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2023.08.03 ★3.9
上・中・下まとめての感想。
いや、最初から走り回ってくれた。
某探偵アニメの少年並に危機と殺人事件に遭遇するラングドン教授。
読んでいるこちらも心の中で石畳を走り回り、息切れしそうだった。
スリリングで、ガイドブックのような知識もたくさん詰め込まれており、フィレンツェに行きたくなったし、これまでの人生で全く興味のなかったダンテの「神曲」も読んでみたくなった。
惜しいのは、この結末だったこと。
終わり方が違えば星4~5の作品だった。
とりあえず映画も観ておくか。
↓↓↓内容↓↓↓
「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付く。
一方、大富豪のゾブリストは、「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決案を繰り広げ、WHO〈世界保健機関〉と対立していた。ダンテのデスマスクに仕込まれた暗号に隠された恐ろしい野望。ラングドンは世界を破滅から救うことができるのか?