ゼロ (下) (角川文庫)

制作 : 岡 むつみ 
  • KADOKAWA/角川書店
3.68
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本棚登録 : 60
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041025086

作品紹介・あらすじ

巨大ネット企業の問題を世に告発する謎の組織、「ゼロ」。彼らの正体を探るシンシアは、次第に世界中の監視の網から逃れられなくなっていく……。若手ドイツ 人作家による社会派サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • マルク・エルスべルグ『ゼロ (下)』角川文庫。

    近未来社会派サスペンス小説の下巻。

    上巻が全てだったという感じで、下巻では大きな展開も無く、予想通りの結末だった。

    『ゼロ』の正体を暴こうとするシンシア・ボンサントは世界最大級のネット企業『フリーミー』の悪事を知り、『フリーミー』の罠にはまる。

    今や誰もがSNSやメール、アプリ、ゲーム、検索エンジンなどでネットワークとつながっている。しかし、それはサービスを提供するIT企業に自らの個人情報を提供しているという事実を認識しておく必要があるのかも知れない。

    本体価格880円(古本100円)
    ★★★

  •  上巻のレビューで書いたとおり( ´ ▽ ` )ノ
     前提がそもありえない極端な設定ゆえドキドキもハラハラもしない(>_<)
     主人公が決め手とする隠し玉(極秘情報のリーク)もまたインパクトが弱いというか、作者のズレた正義感のあげつらう難癖にしか思えない(クライマックスシーンのヒロインの姿、完全にイッちゃってる異常者以外の何物でもなく……)(´ε`;)ウーン…
     ハリウッド大作もどきのあまり意味のない追っかけっこ(地下に逃げ込むシーンが二度も)やキャラクターの安易な死(>_<)
     サスペンスとしてエンタメとして、展開やキャラ設定がどうしようもなくヘタクソ(>_<)
     最新情報をかき集め、マイケル・クライトンとダン・ブラウンのいいとこ取りをしようとして大失敗した感(>_<)
     ただただ安っぽく、つまんなかった(>_<)


     読後裏表紙を見て、上巻どうよう価格(880円!!)に驚愕したけど、さらに本作がドイツ小説だと知り二度ビックリ――と同時に「だからか」と納得( ´ ▽ ` )ノ
     そう言われてみれば、かの怪作「深海のYrr」と何もかもいっしょだ( ´ ▽ ` )ノ
     コンプレックスとしか思えない「ドイツ隠し」(本書なんかてっきりイギリス小説だとばかり思い込んでいた。はるかさかのぼれば「ペリー・ローダン」もそうだな。ドイツエンタメ小説の伝統なのだろうか?)、勤勉な情報集積と完全に見当外れなその活用結果、これも一種のコンプレックスなのか頻繁なハリウッド大作(低俗なのばっか)の引用……(´ε`;)ウーン…
     ユーモア感覚の貧弱さ(スベリっぱ)もドイツなら当然か……先日テレビで「帰ってきたヒトラー」なるコメディ映画を見たけど、あまりの笑えなさ(あざといブラックユーモアばっか)に唖然としたものだった――ドイツ人って、笑わせることも笑うことも下手なんじゃないか?(>_<)
    「クソ真面目で陰キャ」っていう昔ながらのテンプレな印象そのまんまじゃん……(´ε`;)ウーン…
     ドイツ純文学の古典は素晴らしいのにね……エンタメはダメか……(´ε`;)ウーン…

    2019/12/25

  • IT技術は便利だけど、企業に情報を搾取されるの嫌だし、AIアシスタントが企業側の思惑によって操作されてるとヤバくない?というお話。

    個人的には搾取されても困らないし、気持ち悪いって感覚も無いのだけれど。

    むしろ現金を早く無くしてくれ。
    電子マネーだけで良いのに。

    ちなみに表紙がイケてないと思う。
    内容は面白いのに、表紙って大事だなって思った。

  • 201601/上下まとめて。テーマも設定も面白かったけど、残念ながら主人公含めキャラの魅力に欠けてて、物語展開も惜しい。最初のほうは、場面転換と登場人物の多さに、誰がどこの人だっけ?ってなったけど、どんどん話が進むと、ページを捲る手も早くなって楽しんだ。私はライトなアクトアプリ欲しいけど、それでも依存しちゃうかな?

  • IoTが広まり全てがデジタライゼーションされ監視社会となった近未来が舞台、人工知能(スマートマシン)を活用したパーソナルアシスタントサービスが買取を含む徹底した個人情報の収集を行い、その個人をイケテル男あるいは女にプロデュースすることで若い人を中心に人気を集めている。

    一方、「データを独占する大ダコは退治しなければなりません、というのが私の意見です」をキャッチフレーズとするアニノマスのような謎のハッカー集団も組織されている。

    そこで両者を巡ってミステリーの王道、殺人事件から物語が始まる訳ですが、マイノリティレポートのように殺人事件を予測できないのはともかく、監視社会と呼ばれる前提で、事件後に直ぐに真犯人を逮捕することなく、別の人を警察が追跡するのは話を盛り上げる為とは言え、ご都合主義な印象です。
    それとも監視社会にも抜け道があることを示唆しているのでしょうか?

    上・下共通のレビューです。

  • 思っていたほどは面白いと思えなかった。購買履歴から体温まで、パーソナルデータをすべてインターネットに預けて、それらのデータを総合して各人が格付けされるような世界のお話。
    格付けを上げるための行動を、レコメンドするアプリケーションがあって、でもその格付けや行動の判断基準は誰が決めるべきなのか、その根本のところに主人公が疑問を持つことが物語を動かしていく。
    世界観自体は、自分はとても肯定的に捉えていて、こういう世界に早くなって欲しいと思う一方、その判断基準やデータの管理の方法を、ビジネスベースの民間企業のみには任せたくないという気持ちもあって、なんとなくそういう発想に近いものを感じた。
    テーマは面白いはずなのに、特に上巻でなかなか読み進められなくて、やっぱり訳本はあまり、と思ってしまった。
    151230

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著者プロフィール

1967年、ウィーンに生まれる。オーストリアの日刊紙デア・シュタンダードのコラムニストとして活躍し、現在はウィーンとハンブルクの広告会社で戦略コンサルタントおよびクリエイティブ・ディレクターを務める

「2015年 『ゼロ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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