全国怪談 オトリヨセ (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 101
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026083

作品紹介・あらすじ

北は北海道から、南は沖縄まで。日本全国の都道府県から蒐集した47のご当地怪談実話を収録。岩手の民宿、宮城の港町、群馬の史跡、山梨の樹海、愛知の橋、福井の沖合、滋賀の湖、京都のトンネル、鳥取の山中、島根の寺院、愛媛の霊場、熊本の丘陵地、鹿児島の浜辺-その土地でしか成立し得ない、ご当地で語り継がれる必然性を有した怪談を、白地図を塗り潰すように書き記す。産地直送でお届けする、恐怖のカタログ・ブック!

感想・レビュー・書評

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  • 地域性がある話もあって
    なかなか楽しい。
    ほのぼの系が好き。妖怪とか。

  • 「怪談」でした。これぞ「怪談」。
    白鬚神社の御狐様の話と、鰹節の話が好きでした。痛快な階段もあれば、淋しげな怪談、その地に伝わる昔話が、悲しくも温かい、日本らしい怪談で好きでした。

  • 怖い話、47都道府県分。

    自分の住む県は? という楽しみもありますが
    怖いのも、悲しいのも、微妙なのもありました。
    ちなみに、自分の県のものは、聞いた事もなかったです。

  •  こういう本は何かがあった時は必要な物だろう。

  • 全国津々浦々、不思議なことがあるもんだなあ・・。

    怖いというより不思議な話や少し悲しい、寂しい話が多かった気がする。
    海の歌声、シオキバ、しゃよなら、スライドが頭にのこる。

    私の住んでいる県は売春婦の話かな?そんな橋があるとは知らなかった

  • 面白かった!

    …とは言え、たぶん、これは、好みが分かれる。テレビとかで特集される系の幽霊譚が好きな人にとっては、自分が期待していたものと違う印象を抱くんじゃないかな。ただ、民俗学とか柳田國男、自分自身がフィールドワークに赴くのが好きって人にとっては、すごくワクワクさせてくれる素敵な1冊だ。

    なんてったって、まず、場所にしろモノにしろ史実にしろ、基本的に「実在」するところがイイ!気になって、1話読み進めるごとに携帯で調べちゃったもん。「うわ、ここか!」「本当にこういう景色なんだ!」とか、いちいち発見があって興味深い。もっと詳細を自分の足で調べたくなる。この本で紹介されている内容は、現地においてはなんてことのない卑近な話なのかもしれないけれど、土俗的なだけになかなか広く知れ渡る機会がなく(良く言えばその土地に根付いていて面白い、悪く言うと派手さがなく地味)、本来であればその地に旅行でも行かない限り耳にすることがない話ばかりだ。それを、部屋にいながらにして見聞きすることができるのだから(しかも自分が行ったことのない土地の話を!)、大変ありがたいことである。現地の言葉などもそのまま載っているので、それもまたその土地ならでわの匂いが立ちのぼって心をくすぐる。いやー、まだまだ日本面白いじゃん!海外なんか行かなくていいじゃん!とまで思ってしまった。各話の最後には、作者による解説もついているので、別に歴史の知識がない人でも大丈夫、というかむしろ、そういう人こそ、怖い話、というきっかけを通してその土地の歴史や文化を知ることができるので面白半分で読んでみるといいと思う。

    個人的に好きな話を以下に列挙。
    ▼「旅の宿(北海道)」…オープニングを飾る北海道の怪談。「鰊番屋」という言葉の持つ歴史と時代背景が分かると途端に語られている怪異に独特の臨場感が湧き、この本の性質や方向性を示唆するかのような名作。
    ▼「猫のいる部屋(埼玉県)」…ちょっとほっこりする話。こういう日常が今も残っていたらいいな、と郷愁を誘われる感じ。
    ▼「紅茶と彼岸花(神奈川県)」…なんというか、人の業の深さをじわじわと感じた。でもって、そういう深いところの恨みつらみというのは、なんらかの形で体現されるのではないかなと思う、時としてそれは「事件」になることもあるし、「怪異」になることもある。
    ▼「樹海三題(山梨県)」…筋が通っていない、ところが逆に怖い。江戸の百物語とか読んでるとよくこういうパターンに出くわすが、こういう方が何か心をゾワゾワさせる気がする。
    ▼「夢の中の男(岐阜県)」…ミステリのような謎を含む、先が気になる話。後日談で作者が本文中に出てくる条件に合う場所がないか探ってくれているのも良い。自分も探すのに参加したくなる。
    ▼「海の歌声(三重県)」…話自体は小さな不思議でそんなに怖くはないのだが、この場所が、かつて悲惨な水難事故を起こした海岸で、当時事故から生還した女性が海で怪異を見たと語っていた事実などと繋がって妙なゾクゾク感が残る。
    ▼「山の背中(鳥取県)」…遠野物語に出てきそうな素敵な?怪異。このまま絵本にしてもいいくらい素朴かつ不思議。
    ▼「廊下の女(岡山県)」…これまた、民俗学好きはちょっと心をくすぐられる話。古事記の世界を垣間見るような。
    ▼「わすれんで(島根県)」…世界遺産に登録さらるという晴れがましい事実の裏では、当然、消される事実もあるわけで。地元の人が語り継がなければ、きっと消えていく歴史なのだろう。
    ▼「鬼の待ち受け(大分県)」…昔テレビで見たことのある、鬼のミイラ。そのルーツを感じさせる怪異。なにごとにも「源」があるのだな。作者の解説まで読んで初めてその怖さが分かる。
    ▼「せんべい(佐賀県)」…実物を検索しちゃった(笑)。私も欲しい。不思議で奇妙なご利益にあやかりたい。
    ▼「スライド(沖縄県)」…ここに出てくる場所は、私自身も毎回不思議な思いをする場所で、あ、やっぱりそうなんだ、と少し納得してしまった。

  • 全国のご当地怪談集。座敷童の話が面白かった。広島はやはり原爆ネタなのね・・・・

  • 以前読んだかも?

  • 怪異が起こった場所がある程度分かるからこそのリアリティがあり、引き込まれた。

  • ■ 1519.
    〈読破期間〉
    2015/2/9~2015/2/10

  • 47都道府県の実話怪談を集めた一冊。
    ゾッとするような怖さというより、その土地特有の空気感を
    楽しめると思う。
    宮城、和歌山のはせつない昔話のようでしんみりしてしまった。
    埼玉のは幻想的で和やかな様子が心に残った。

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著者プロフィール

黒木あるじ(くろき・あるじ)
怪談作家・小説家。二〇一〇年に『怪談実話 震』でデビュー。著書に『黒木魔奇録』(竹書房怪談文庫)、『全国怪談オトリヨセ』(KADOKAWA)、『掃除屋 プロレス始末伝』『小説 ノイズ』(集英社文庫)など。近著に『山形怪談』(竹書房怪談文庫)。

「2023年 『呪物怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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