小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 3025
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026168

作品紹介・あらすじ

「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」。いつも大切なことを教えてくれた明里、彼女を守ろうとした貴樹。二人の恋心の彷徨を描く劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった後,主人公の印象が映画とだいぶ異なることに気づいた.映画ではヒロインを引きずっている印象だったけれど,小説では記憶の彼方,とっくに昔の女である.これは主題歌がミスリードで良くない,というより圧倒的パワーを持つこの曲を引用した監督に責任があると思う.

    映画だけの人はおそらく誤解したままだと思うので,小説を手に取ることをすすめたい.

    貴樹の,過去の様々な後悔が大人になってから嫌でも思い出される感じは,なかなかしんどいというか心にしみる.個人的には新海監督といえばこの作品という,一番印象が強いものになった.

  • これは映画よりも主人公の心情を文字で読む原作が好き!(でも映画の語り口調もなかなか良かった)
    表題作の三話よりも一話の#桜花抄 と二話の#コスモナウト の方が好きだったりする

  • 描写が本当に綺麗

  • 【あらすじ・読みどころ】
    あらすじ:
    物語の舞台は、ちょうど年度が切り替わるいまと同じ季節の転校初恋物語。
    互いに小学校の同級生だった明里と貴樹ですが、中学を前に引っ越しが決まった明里と離れ離れになることに。
    それでも、互いに特別な想いを寄せていた2人は、中学生になってからも文通で心を通わせていました。
    __________
    ラブレターで距離を縮める。
    源氏物語みたいでなんだか素敵ですね。和歌ではないですが。笑

    いまの小学生も交換ノートや手紙のやり取りってしているかな?
    もっぱら小さい時から手紙っ子だった私は、中学受験を機に別々の学校に進学した幼なじみと離れてからも大学受験を終えるまでともに近況を語り、励まし合いながらポストとレターセット選びにウキウキしていたあの頃を思い出して微笑ましくなります。
    ___________
    そんな幸せも束の間、年度末で貴樹も引っ越しで遠くに移ることになり、遠く離れてしまう前に、貴樹は、明里に会いに行くことを決意しますが…
    不覚にも、当日は大雪に見舞われ電車は遅延、約束の時間には大幅に遅れてしまいます。

    果たして、2人は無事、再会できたのでしょうか。

    読みどころ:
    はらはらと舞い散る桜の花びらが舞う、秒速5センチメートルの狭間で繰り広げられる幼きピュアな高校生の甘酸っぱい初恋模様を万葉集のように鮮やかで麗しいピンク色の情景が目の前に広がる。

    読み終えた頃には静かな涙が込み上げてくる

    そんな桜の如き儚さとキュンと胸が苦しくなる小説です。

    【感想】
    学生時代の初恋って時間が止まったように、秒速5センチの一瞬がなんであんなに長く感じるのでしょうね。もはやこの時間がこの世のすべてだと思えるくらいに。

    その後の苦楽の中で、いろんな恋の色を覚えていきますが、たった一回の青春がときにまだ見ぬ世界の逆境で大きな勇気をくれたりもしますよね。

    戻れないとわかっていても…あの時あの人に出会えてよかった。
    そんな淡い想い出を思い出させてもらいました。

    読者の皆さんの初恋は、どんな想い出がありますか?
    桜と初恋は、紅茶とクッキーのようにお揃いの記憶が詰まっている二人組ですね^^

    【読んだきっかけ】
    この作品は
    いつかの東京の片田舎で、桜並木が綺麗に咲く通り沿いにひっそりと佇む古書店のオーナーさんに勧められたのが出逢いでした。
    とても明るくほろ甘い純愛小説と思いきや、とても切なく、気づけば涙をこぼしながら桜色の世界観に浸っていました。

    古書店主さんお元気かな?
    お元気だといいな。そしてあわよくば、この記事を見つけてくれていたら…
    この場を借りて素敵なひとときをありがとう、と伝えたいです。

    わたしにとって、懐かしい記憶も詰まった作品です。

    桜って綺麗なのに、その一瞬の美しさをカメラや心のシャッターに収めることは至難の業。
    どことなく別れを連想させる、儚さが勝る哀しい花でもありますね。
    日本には大体どこでもよくみられる花ですが、日常にあるのに、逃すまい、、、!と、後ろ髪を引かれる美しさがなんとも日本らしい国花に思います。

    今年の春、皆さんは、どんな秒速5cmの瞬間を過ごされるでしょうか?
    それぞれに素敵な想い出が溢れますように。

    サクラ咲け!

    新生活・進学・新社会人
    すべての人にとって、それぞれに別れや出逢いのドラマが巡る4月。
    幸先を祈って。この本とともに、これからの季節がほんのり桜色に色づきますように**

    I wish happiness days makes sakura always with you.**

    (作品情報:https://www.amazon.co.jp/dp/4041026164?th=1&psc=1&linkCode=ll1&tag=honnoakari-22&linkId=eed62e1352abf4ec1e820c4c87077f26&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

  • くるしくて、喉奥に遺るあまさがすてきな作品。数ページでこころを掴まれる心地がしました。ふたりのいる春の空気にのみこまれる感じがして、とても大好き。

  • 彼女と初めてに一緒に読んだ小説です。
    僕は映画バージョンで見たことあったんですけど映画は主人公たちの気持がよく伝わらなかったですけど、でも小説バージョンを読んで主人公たちの気持ちをよく感じてアニメでは感じられなかった感動を感じました、自分は小説をあんまり読まないタイプだったけどこの秒速5センチメートルを読んで新海誠さんの言の葉の庭という小説も読んでいます、本当に読み簡単だし人にはあるLoveストーリーだからオススメです

  • 無常で儚い初恋とは…。繊細に描かれるうごめく恋心や取り巻く美しく非常な世界の中で、迷いや懺悔を必死に掻き切って懸命に生きようとする主人公たちは、大人になってもなお自分の生き方に懐疑的である。将来に悩むのは子供だけではない、大人でさえ悩むものであると教えてくれた。失敗は幾多も繰り返され、一掴みの教訓を得ようとするものであるのだなと感じた。

  • この作品大好きです
    見終わったあとの喪失感というか虚無感というか
    とりあえず余韻が凄いけど、すぐ見たくなる作品
    桜花抄、コスモナウト、秒速5センチメートル
    の3章になっていて第1章と第3章は主人公貴樹と明里の
    物語。第2章は貴樹と花苗の物語になっている。
    第2章の花苗が貴樹に片思いしてる時の感情表現が物凄く好き。すごく共感できる。
    「これから私が人といる時は、他の人を考えてるんだ
    なんて悲しい事思わせないようにしよう。」(1部略)
    この花苗のセリフが好きすぎてこのページに栞挟んでる
    あと、映画では見れなかった貴樹と明里の手紙が見れるのがいい!ここでも明里と貴樹の思いが少しすれ違ってるように思える
    初恋を拗らせた男の虚しさが分かった笑

    • 林霖さん
      他の人といる時にスマホを見ないのところですよね。同じくそのセリフ気に入ってます。
      他の人といる時にスマホを見ないのところですよね。同じくそのセリフ気に入ってます。
      2024/02/11
  • 転校をきっかけに知り合い、別れてしまう明里と貴樹。
    スマホなどSNSを使わずに手紙を書いてやりとりして小学生にとって遠すぎる距離の東京、栃木間を何時間もかけて電車でむかって会いに行く部分がエモかった。
    種子島に転校した後も片想いの女の子と付き合いながらも明里との思い出などひきづってるの女々しい。
    大人になっても小学生時代のこと未だに思い出しながら前に進んでいこうとする作品やった

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著者プロフィール

1973年生まれ、長野県出身。
2002年、ほとんど個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。
2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』、2022年『すずめの戸締まり』公開、監督として国内外で高い評価と支持を受けている。

「2023年 『すずめの戸締まり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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